2010-02-22

数理科学II(第26回)

今回の授業では、与えられた多項式の既約因子の係数絶対値の上界として、多くの教科書等に載っているMignotteの上界を紹介し、1変数多項式の整数環上での因数分解の手順の残りを説明しました。

多変数多項式の一般Hensel構成については、一般化されたHenselの補題のステートメントまでを説明し、その証明を、次回最終回の授業で説明することにしました。来週までみんな出てきてくれるとよいのですが、とにかくこちらも頑張りたいと思います。

計算機演習(第8回)

今日はこの授業の最終回ということで、フラクタル図形の描画を扱いました。今日の課題はさすがに苦戦する人が多そうですが、ぜひ最後まで課題を解いてくれればと思います。

授業は今日で終わりで、次回はレポート提出のための予備日となります。実は、Mathematicaのライセンス契約の都合があり、来週を締切に設定して大丈夫か?と心配しましたが、確認したところ、大丈夫ということになりました(私が手元で使うMathematicaのライセンスは次回3月1日に切れるので、ライセンスの再契約が必要ですが、授業で使っている端末室は大丈夫のようです)。

あと、余談ですが、今日、Mathematicaのライセンス期間を確認するため、前の授業時間に端末室を訪れたところ、教卓の端末の画面が端末室の全面に2つあるスクリーンの両方に映っているのを見ました。教卓は端末室の右側にあるため、私は、これまでの授業で、教卓の端末の画面を、右側のスクリーンにしか映せないと思い、実際そうしていたのですが、実は、教卓の端末の画面は、そのまま左側のスクリーンにも映せるということを、初めて知りました。残念ながら今年度の授業ではほとんど活用できませんでしたが、来年度の授業で活用したいと思います。

2010-02-17

線形代数III演習(第9回)

線形代数演習の授業も今日が最終回でしたが、前半は、前の微積分演習で終わらなかった問題を説明してもらいました。数列の上極限と下極限に関する問題ですが、これまでの演習問題の中では、さすがに骨のあるもので、細かい議論が面倒ではありますが、皆さんにもこういう問題をちゃんと考えられるようになってもらえれば・・・という思いでした。

その後の線形代数の演習問題の方は、前回に引き続き、全射や単射の性質に関する問題の発表がありました。今回の発表は少なめで、授業の区切りもちょうどよいところでついたので、若干早めに切り上げました。

3学期のこの授業を振り返ると、微積分演習と比べて、解答に手間のかかるような問題がほとんどなかったこともあり、若干時間を持て余し気味だったので、ベクトル空間の線形独立、基底や次元の概念の復習を行ったり、教科書のある定理を取り上げて、教科書(もっと広い意味では数学の本)の読み方の例のデモンストレーションをしたりしました。学生さん達にどれだけ役に立っているかはわかりませんが、必要な人に、雰囲気が少しでも伝わっていればいいなと思います。期末試験もぜひ頑張ってほしいと思います。

微積分演習(第27回)

今日は授業の最終回ということで、前回残った問題も含めて問題を解きました。が、その前回残った問題は、授業時間の最後に回したところ、この時間内に間に合わなかったので、次の線形代数演習の時間に回すことになりました。

3学期の授業は、かろうじて関数の一様連続性までたどり着きましたが、級数の方まで取り上げる時間がなかったのが心残りです。あと、1、2学期と比べて、論証が増えたせいか、発表する人も回数も減ったようです。でも、1問あたりにかける時間が増えたので、自習の時間はそれ程増えなかったと思います。学生の皆さんには、これからが数学の学習の本番と思いますが、2年生以降も頑張ってほしいと思います。

2010-02-15

数理科学II(第25回)

今日は、前回の1変数多項式のHensel構成を踏まえ、1変数多項式の整数環上での因数分解の手順を説明しました。 途中、入力多項式を有限体上の多項式に写すときに使う素数pの選択の部分でちょっと詰まってしまい、全部は終わりませんでした。

次回は、与えられた多項式の既約因子の係数絶対値の上界を見積もる方法の紹介から始めます。授業回数はあと3回ですが、最終地点である、多変数多項式の因数分解までなるべく踏み込みたいと思います。

計算機演習(第7回)

今日は、プログラミングということで、パターンマッチに基づくプログラミングを行いました。

レポート課題では、関数の微分を行うプログラムを作るということで、各種の微分のルールを定義していくわけですが、例題の微分がうまくできない学生さんの解答を見ると、必要な微分のルールが足りないというケースがほとんどだったようです。慣れないと難しいかもしれませんが、ルールをよく考えて、ちゃんと微分ができるプログラムになるよう、期待しています。

2010-02-10

線形代数III演習(第8回)

今日は、線形写像の性質、全射や単射の定義を使う問題を扱いました。基本的な問題が中心でしたが、そのような問題をきちんと解けるよう、身につけてほしいと思います。

この演習の授業も次回で終わりで、1週おいて期末試験となります。そろそろ復習が必要な人もいるかもしれませんが、頑張ってほしいと思います。

微積分演習(第26回)

今日は、前回に引き続き、数列の極限値や、上極限と下極限に関する問題を扱いました。

ここ最近の授業は、1問あたりの解答の量も増え、2段式黒板の上下にわたって答えを続けて書くケースも増えたので、昨夏に導入された2段式黒板が本領を発揮し始めたと感じます。

今日解いてもらった問題のうち、1問は、時間が足りなくて議論を次回に繰り越しました。この授業も次回が試験前の最後となりますが、演習の時間は、問題を議論する貴重な機会ですので、多少時間がかかっても、より多くの人達が理解できるように、解答をフォローしたいと思います。

2010-02-08

数理科学II(第24回)

今日は、ようやく1変数多項式のHensel構成の説明をしました。

次回は、これを踏まえた1変数多項式の整数環上の因数分解についてまとめたいと思います。

計算機演習(第6回)

今日の授業は、微積分の第2回ということで、Lagrangeの未定乗数法の計算を行いました。

でもって、レポート課題は、Lagrangeの未定乗数法を使って解く問題を「作る」というものです。問題を作る苦労を味わうことになると思いますが、頑張ってほしいと思います。

2010-02-03

線形代数III演習(第7回)

今日の授業では、板書がなかったので、前回時間切れになった「教科書を読む」デモンストレーションをやってみました。参考になっているとよいのですが。45分しゃべるだけでもしんどかったですが、講義をやることを考えるとまだまだですね。

講義の方は、線形写像もやり、基底の取り替えや、ベクトル空間の同型などの話に入ったようです。今回配布の資料には、演習問題の前に、写像の諸概念の定義を入れ、それから、線形写像の定義や、線形写像の行列表現などの説明を入れました。

この授業もあと2回なので、できれば線形写像の問題も扱いたいところです。頑張りましょう。

微積分演習(第25回)

今回も、実数の連続性に関する問題を扱いましたが、今日は、上限、下限を扱う問題を丁寧に見ていったため、2問で授業時間をほぼ使い切りました。

この授業も残りあと2回ですが、講義の方は、関数の連続性や一様連続性も扱ったということですので、次回は演習でも扱えるよう、準備したいと思います。

2010-02-01

数理科学II(第23回)

今日は、1変数多項式のHensel構成の準備ということで、素数pを法とした拡張Euclidの互除法などの道具の準備をしました。

その後、Hensel構成の導入として、いくつかの異なる素数をとり、有限体上の因数分解を行って、そこから中国剰余定理で多項式因子を構成・・・という話をしましたが、途中で時間がきてしまいました。

次回は、この話を踏まえて、Hensel構成の説明をし、1変数多項式の因数分解をなるべく終わらせられれば、と思います。

計算機演習(第5回)

今日の授業では、微分の計算に入り、今日は、関数の極限値やTaylor展開の計算などを扱いました。次回はLagrangeの未定乗数法を扱う予定です。

先週出題のレポートはなかなか手強かったと思われますが、採点の結果はどうなるでしょうか。