2015-04-27

計算機数学I(第3回)

今回の授業では、浮動小数の導入と一般的な定義を行った後、現在よく使われている浮動小数点の規格の一つとして、IEEE 754 浮動小数点規格のうち、単精度の浮動小数点規格を紹介しました。

IEEE 754 単精度浮動小数点規格の説明の中で、∞(無限大)とNaN(非数)を表現する際の指数部の値としてE=127と説明しましたが、授業後に指摘を受けて確認したところ、これは誤りで、正しくはE=128でしたので訂正します。ご指摘に感謝します。

授業では、時間の都合でIEEE 754は単精度の規格のみ紹介しましたが、講義ノートには倍精度の規格についても記載しましたので、興味のある人はご参照ください。

引き続いて、浮動小数演算における誤差の説明に入りましたが、「丸め誤差」の説明の後「桁落ち誤差」の説明の途中で時間になりました。次回は「桁落ち誤差」の説明から始め、多精度(多倍長)整数の表記と加算の説明に進みたいと思います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2015

2015-04-22

計算機演習(第2回)

今日から本格的な授業が始まりました。今学期の前半7回は、数式処理システムMathematicaの実習を行います。

今回は、e-ラーニングシステム (manaba) へのログイン、manaba のコースページの内容紹介、Mathematicaの起動と計算、レポートの課題ファイルのダウンロードなどを一通り説明しました。残り時間で、今回の授業内容を実習してもらいました。内容は、基本的な数値の計算、代数方程式の解法、グラフ描画の基本などです。

次回の授業は連休明けになるので、約2週間空くことになります。ついでに、次回は金曜日に水曜日の振替授業を行うのでご注意ください。

2015-04-20

計算機数学I(第2回)

今回は、前回に引き続き、コンピュータの基本構成の残りの部分を説明し、その後、整数の表現として、符号なし整数と、2の補数を用いた符号つき整数について説明しました。

コンピュータの基本構成では、前回の「メモリ」の説明に続き、「ワード」の概念とCPUの「レジスタ」を説明し、「ワード」のモデルとして、2進数の「そろばん」の例を挙げました。2進数のそろばんは、もちろん実物は持っていませんが、ワードを単位として計算を扱う際に、今後も例として使おうかと思います。

整数の表現に引き続いて、浮動小数点数の説明に入ったところで、今回は時間切れとなりました。次回は浮動小数点数について説明する予定です。

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2015-04-15

計算機演習(第1回)

今年度も、計算機演習の授業を担当することになりました。

今回は授業のガイダンスということで、ティーチング ・アシスタント (TA) の人達にも集まってもらい、授業の概要を説明しました。今年度も、履修者のほとんどは数学類の学生で、人数は40人強といったところです。

次回から、サテライトにて本格的な授業が始まります。

2015-04-13

計算機数学I(第1回)

今年度は、数学類専門科目(標準履修年次:3年次)の「計算機数学I」を初めて担当することになりました。

この授業では、主に代数計算、特にEuclidの互除法を軸にしながら、構成的な計算について説明します。授業では、アルゴリズム、データの表現、計算量の議論もしながら進めていきます。

今回は、授業のガイダンスの後、準備として、コンピュータの基本構成を説明しました。その際、実際にタワー型パソコンのケースを開けて、中の構成部品を拡大投映しながら説明しました。今回の授業の履修者は約50人ですが、この時に尋ねたところ、パソコンのケースを開けたことがある人が10人前後、実際に内部の部品を交換したことのある人が2, 3人でした。また、ノートパソコンの部品を交換したことがある人も2, 3人でした。

実際にパソコンの内部がどのように見えるかを知っている人は全員というわけではなかったようですので、授業で出てくる内容を、実際に自分が使うようなパソコンの内部部品と対応づけるという意味では意義があるのでないかと思います。

今年も、毎回の講義の講義ノートをwebの授業サポートページに掲載するとともに、講義の模様を録画して公開していきます。次回は、コンピュータの基本構成の続きから、数値の表現に入っていきたいと思います。

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