2011-12-21

線形代数III演習(第2回)

今回の授業では、教室に入ったところ、まだ演習問題の板書がされていませんでしたので、前回提出してもらったレポートの解説から始めました。

前回のレポートは、このたび授業のお手伝いをしていただいているティーチング・アシスタント (TA) の大学院生の人に添削してもらい、その後私が確認して成績をつけました。

まず、微積分演習や線形代数演習で初めて受け持つクラスの1回目では「必要条件」「十分条件」に関する問題を出題しますが、今回、よく理解していると思われる人はそれ程多くない(この問題の満点が1割程度)と見受けられたので、解説を行いました。

引き続いて、2学期までの線形代数に関する基本的な知識を問う問題を数題、○×の形式で出題しました。正解率は割と高かったですが、詳しく説明できるかどうかまではわかりません。授業では、何人かの人に黒板の前に出てもらって、証明や反例の提示をやってもらいました。聞いている人にも参考になればと思います。

次回は、教科書の演習問題、および前回配布した演習問題から、授業を進めていきたいと思います。

微積分III演習(第2回)

今日から、演習問題を解いてもらうことになりましたが、教室に入ってみると、黒板は皆さんの板書で埋まっていました。

今回は主に数列の収束や発散に関する問題で、今日は時間が足らず1問残してしまいましたが、順調に授業を終えました。次回も皆さんの積極的な参加に期待します。

2011-12-20

数学特別演習(第10回)

今日は火曜日ですが、金曜日の振替授業日となりました。今回は、第5章「オイラーと複素数」に入りました。

複素数は、16世紀のイタリアを中心に発展した、1変数代数方程式の根の公式の研究によって注目されるようになりましたが、2次方程式の複素根はそれほど注目されず、3次方程式を解く際になって、本来は実根が存在するのに、根の公式を用いると複素数として表示されることから数学者達が疑問を持つようになった点については、授業に出ている多くの人が驚いているようでした。

ついで、オイラーによる解法が紹介され、複素数の偏角を扱うことにより、根の公式によって導き出された値から実根を見事に導いた部分が紹介されました。

次回も、引き続き、複素数に関するオイラーの業績を見ていきます。

2011-12-19

数理科学II(第17回)

今回は、まず、前回の続きで、行列の triangular idempotent form を用いて零空間(の基底)を計算する方法について説明しました。その後、f-reducing polynomial を用いて、与えられた多項式の既約因子をすべて分離する計算の部分について、補足説明を行いました。最後は、実際の例を用いて、Berlekamp による因数分解の計算結果を紹介しました。

有限体上の1変数多項式の因数分解については、これで一区切りとなります。次回からは、整係数の1変数多項式の因数分解に入る予定です。この授業の今年の講義はこれで終わりますが、新年も幸先のよいスタートになればと思います。

2011-12-16

数学類セミナー(第19回)

今回は、大学説明会委員会によるアンケート調査がありました。

今年のこの授業はこれが最後で、次回は年明けになります。

数学特別演習(第9回)

今回は、前回に引き続き、オイラーと解析的数論の話題を発表してもらいました。内容は、「オイラー積」を用いて素数が無限に存在することの証明、素数の逆数の和が発散することの、オイラーとそれ以降の数学者による証明、そして、素数の分布に関する「素数定理」の話題などでした。

次回からは、次章「オイラーと複素数」に入ります。

2011-12-14

線形代数III演習(第1回)

このたび、数学類が開設する1年次対象の授業科目の「線形代数III演習」を担当することになりました。今回は物理学類2クラスの担当です。

今日は、ガイダンスとして、授業の進め方や単位の取り方などを説明の後、簡単なレポート問題 (quiz) を解いて出してもらいました。次回、解答と解説をしたいと思います。

微積分III演習(第1回)

このたび、数学類が開設する1年次対象の授業科目「微積分III演習」を担当することになりました。今回は化学類・地球学類のクラスの担当です。

今日は、ガイダンスとして、授業の進め方や単位の取り方などを説明の後、最初の演習問題を配って各自取り組む時間にしました。

化学類や地球学類の微積分の授業は、1学期と2学期の間は、各学類1クラスで開講され、各クラスとも各学類のほぼ全員が履修するので、クラスの人数は40〜50人程度と多くなります。こうなると、数学の演習の特徴である「板書で解答」がほぼ不可能です。 一方、微積分IIIでは履修者数がぐっと減るため(今回は15人程度)、板書も可能になるので、学生さん達にはじっくり学んでもらえればと思います。

2011-12-13

計算機演習(第1回)

今日から、全学計算機のサテライトを利用して、実質的な授業が始まりました。

今日は、数式処理システム Mathematica の基本操作の1回目と、e-ラーニングシステム Moodle の利用法などを説明しましたが、説明時間が予想よりもやや多くなり、実際の作業時間が少なめになったと思います。幸い、学生さん達はほとんどが順調に作業しているようでした。

今日はまだ12月前半ですが、来週20日は金曜日の振替授業のため休講、再来週27日は冬休みということで、今年の授業はこれで終わりです。これに伴い、レポートの締切が、通常、次回授業日としているところを、翌週20日にしましたので、注意が必要です。来年も履修者全員元気に出席することを望みます。

2011-12-12

数理科学II(第16回)

今回は、前回に引き続き、f-reducing polynomial の計算法の続きを説明しました。

この中で、ある行列の零空間 (kernel) (の基底)を計算する必要がありますが、そこで、行列の triangular idempotent form (下三角行列で、2乗すると自身に等しくなるような行列) を求めることで、零空間の計算の手がかりになります。今回はその紹介をしたところで時間がきたので、次回はそれを用いた零空間の計算から説明する予定です。

2011-12-06

計算機演習(第0回)

今年度も、数学類3学期、2年次対象の「計算機演習」を担当することになりました。

今日は、初回ということで、授業のガイダンスを行いました。今年度の履修者数がどの程度になるかと思いましたが、例年とほぼ同じ、50人台ということになりそうです。それから、スタッフの体制ですが、今年度は、いつもより多く、10人前後のティーチング・アシスタント (TA) をお願いしました。今回は、各人の都合により、授業専従の人、レポート添削専従の人、両方を行う人に分かれています。

実際の授業は来週から行います。

2011-12-05

数理科学II(第15回)

今回から3学期に入りました。

今回は、前回欠席者もいたので、「中国剰余定理」の多項式版を説明した後、f-reducing polynomial が必ず存在することを、中国剰余定理を用いて説明しました。

その後、f-reducing polynomial の計算法について説明を始めましたが、途中で時間がきたので、続きは次回行います。

2011-12-02

数学類セミナー(第18回)

3学期からは「数学類セミナー」という名前の科目になりましたが、回数は1、2学期からの通しの回数で数えます。

今日は久しぶりに特に行事もなく、連絡事項のみで終わりました。来週12月9日は、担任の出張に伴い休講で、次回は12月16日になります。

数学特別演習(第8回)

今日から3学期分の授業に入りました。

前半では「バーゼル問題」について、オイラーによる応用として、三角関数のべき級数展開を求める際に、p 級数の値を利用できること、それから、オイラー以降の研究の進展について発表してもらいました。p が奇数の場合の p 級数については、オイラー以降の研究の進展がほとんどないことに驚かされます。

後半では、第4章「オイラーと解析的数論」に入りました。今日のところは、オイラーによる、調和級数と素数の関係の解明について発表してもらいましたが、いつものように、無限級数に対する(形式的な)加減乗除を駆使して結論を導くオイラーの大胆さには驚かされます。

次回は、オイラーによる、素数の逆数の和が無限大に発散することの証明など、オイラーによるさらなる成果について見ていきたいと思います。