2019-10-28

計算機数学(大学院)第3回

今回は、まず1変数多項式の多項式剰余列と拡張Euclid互除法を導入しました。次に、部分終結式の理論の導入として、1回の擬除算における擬剰余の係数を、入力多項式の係数を成分となる行列式で表すことで、1変数多項式の除算を行列の行消去で表せることについて説明し、終結式とGCD、多項式剰余列の関連性について説明しました。

次回は、今回の考察をさらに多項式剰余列に進める予定です。

計算機数学II (2019) 第3回:連立1次方程式 (2)

今回は、連立1次方程式の解法から「反復法」と呼ばれる方法、具体的にはヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法を紹介しました。

連立1次方程式の説明は今回で終わりです。次回は(非線形)方程式の数値解法と、関数補間の話題に進みます。

2019-10-21

計算機数学(大学院)第2回

今回は、1変数多項式の加減乗除のアルゴリズムのその計算量、1変数多項式の最大公約子 (GCD)、最小公倍子 (LCM) について説明しました。

次回は、拡張Euclid互除法から部分終結式の導入に進む予定です。

計算機数学II (2019) 第2回:連立1次方程式 (1)

今回と次回の授業では、連立1次方程式の解法を紹介します。

今回は、「直接法」と呼ばれる解法から、おなじみガウスの消去法とLU分解による解法を紹介しました。普通、数学におけるガウスの消去法は行簡約から簡約階段行列の計算でおしまいですが、今回は、枢軸選択(ピボッティング)により、アルゴリズムを正しく動かす、もしくは数値解の精度を向上させる部分も説明しました。

次回は「反復法」と呼ばれる解法を紹介します。

2019-10-18

計算機数学(大学院)第1回

今学期、大学院の授業を担当します。昨年まで「数理科学II」という授業でしたが、今年は自分がかかわる授業科目の改編があり、「計算機数学」という授業科目名になりました。学類の授業科目名と紛らわしいので、記事のタイトルは「計算機数学(大学院)」とします。

この授業では、計算機代数に関するトピックを扱います。前半では1変数多項式の最大公約式(GCD)と部分終結式アルゴリズム、後半では多項式の因数分解を扱います。

今回は、授業のガイダンスを行い、多項式環の性質を復習し、1変数多項式の擬除算と、アルゴリズムの記法を紹介しました。次回は1変数多項式の四則演算のアルゴリズムに関する議論を行う予定です。

計算機数学II (2019) 第1回:数値計算へのガイド

本年度も秋学期に数学類開設授業科目「計算機数学II」を担当します。

この授業では、数値計算を扱います。今回は、数値計算の目的や用途、数値計算の流れ、浮動小数や誤差、計算量、その他の基礎事項を扱いました。

次回は連立1次方程式の解法を紹介します。