2013-10-28

計算機演習(第3回)

今回の授業では、Mathematica における「リスト」を紹介し、リストを用いた、線形代数の行列やベクトルの計算を中心に紹介しました。線形代数では、固有値と固有ベクトルを用いた行列の n 乗の計算を取り上げました。

次回は微積分の計算を行う予定です。

2013-10-21

計算機演習(第2回)

今日は第2回の授業ということで、Mathematicaへの入門的な内容ですが、第1回より進んだ内容でした。題材は、連立方程式、グラフィクス、アニメーションなどでました。

アニメーションでは、空間の直線、曲線や曲面のパラメータ表示に対し、さらに時間に依存する変数を加えることによって図形を描画します。空間図形の数式による表現で苦労している人もいたようですが、こうした考察が数学的な思考力を鍛えることにもつながると思いますので、頑張ってほしいと思います。

次回は線形代数に関するテーマを扱います。

2013-10-18

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」のレクチャーノートがオンラインで読めます

先日、 附属図書館に入れていただいた、研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」のレクチャーノートの電子版 (PDF) が、このほど、九州大学 マス・フォア・インダストリ研究拠点の web サイトに掲載されました。ぜひご利用ください。

http://gcoe-mi.jp/publish_list/pub_inner/id:2/cid:21

全文公開にご協力下さった著者の皆様、ならびに電子版の作成にご協力下さった九州大学マス・フォア・インダストリ研究所に御礼申し上げます。

2013-10-17

計算機演習(第1回)

今日から、実質的な授業が始まりました。今日は、e-learning システムの使い方と Mathematica の基本的な使い方について一通り説明した後で、第1回の教材に取り組んでもらいました。

昨年の授業の際、今年は全学計算機システムが入れ替わって「たぶん Windows 7 が入るでしょう」という予想を書きましたが、果たしてその通りになりました。今年から稼働している新しいシステムは、Windows の起動に非常に時間がかかるとの評判ですが(そして Mathematica の起動にも案外時間がかかるようです)、4月の導入以来、地道に改善の努力は続けているそうですので、今後の改善に期待したいと思います。

今日は木曜日ですが月曜授業の日で、今日出題の第1回レポート課題の締切は来週10月21日(月)です。通常より締切までの期間が若干短いですが、今回は初回で課題の量や難易度は若干控えめにしているつもりですので、各自頑張って取り組んでほしいと思います。

次回はMathematicaによるグラフィックスやアニメーションなどの話題を取り上げる予定です。

2013-10-07

計算機演習(第0回)

今年も、数学類の授業科目「計算機演習」を担当することになりました。内容は主に数式処理システム Mathematica の体験と実習です。

昨年度までと変わった点は、授業時間の変更です。昨年は火曜日でしたが、今年は2学期制移行による時間割の変更で、月曜日になりました。ただし、数学類では、昨年の新入生(=今年の2年生)までは、昨年度までの3学期制のカリキュラムが適用されるので、授業期間は3学期制の1学期間に相当する、秋学期のA, Bモジュール(10月から12月中旬まで)となります。

もう一つ、私にとって新しかったのは、今度の数学類の2年生の人達と授業で顔を合わせるのは初めての機会だということです。これまでは、何かの授業で、少なくとも一部の人達とは1年生の頃から顔を合わせていましたが、今回は初顔合わせです。これからよろしくお願いします。逆に、数学類以外で昨年度授業を受け持ったクラスの人達とは、久々の再会です。こちらもよろしくお願いします。

今日は、ガイダンスということで、Mathematica の紹介や、単位のとり方などの説明を行いました。実際の授業は、来週から、サテライト端末を使って行います。なお、今日の欠席者で、授業後に連絡を下さった人達には、これから個別に連絡します。

2013-10-03

卒業予備研究 (2014) 募集開始

今年も卒業予備研究の募集をする時期になりました。私は、今年度に引き続き、今年度の卒業予備研究と、来年度の卒業研究を担当することになりました。

私の担当する内容ですが、だいたいは昨年と同じです。今年、これまでの卒業研究を経験して、昨年から追加や変更をした点は次の通りです。

  • 卒業研究のテーマについては、今年度のチームの皆さんが、多項式の因数分解を中心に取り組んでいますので、来年度は当初予定のテーマから外しました。(学生の人達がこのテーマを希望すれば取り上げる可能性はありますが、ひとまず私が最初に用意する手札には含めない、ということです。)それに代わり、今回は量限子消去 (Quantifier Elimination) の話題を含めました。
  • プログラム言語 Java の学習については、今年、共通科目「情報」で開講された Java の授業を受講したので、来年も、スケジュールが合えば、その路線でいこうと思います。

私が担当する内容については以上ですが、今回はもう一つ、クラス担任として、卒業(予備)研究全体をとりまとめる仕事もあります。

卒業研究は、学生が担当教員から1人の先生を選び、その先生のもとで勉強するわけですが、その所属(配属)は以下の手順を経て決められます。

  1. 学生が各先生を訪問したりして、所属を希望する先生を選ぶ
  2. 所属希望調査を行い、第一希望と第二希望を提出(記入)
  3. 希望者が多いところは人数調整
  4. 全員の所属先を決定

こうした所属先の決定をとりまとめるのがクラス担任の仕事です。というわけで、今日は、卒業予備研究のためのガイダンスを開きました。ガイダンスでは、卒業予備研究と卒業研究の制度や所属の決め方について説明します。配布資料には、あらかじめ担当の先生方に書いてもらったシラバスを書いてもらって集め、資料としてまとめます。こうしたシラバスの執筆依頼や資料の編集もクラス担任の仕事です。

そんなわけで、今日の午後に行われた説明会も無事終わり、今年の3年生の卒業予備研究に向けた準備が始まりました。書くのが遅れましたが、今年から2学期制になったため、これまで3学期に行われていた卒業予備研究は、秋学期のB, Cモジュール(11月頭〜1月末)に行われます。所属希望調査の方は今月中に行われ、今月末には決まる予定です。

最後に、昨年同様、卒業研究のシラバスと案内書を作りましたので、リンクを載せておきます。

2013〜2014年度 卒業予備研究・卒業研究 シラバス http://goo.gl/zblWKY
2013〜2014年度 卒業研究案内 http://goo.gl/IizCt6

2013-10-01

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」のレクチャーノートが附属図書館 web サイトにて紹介されました

去る8月に開催した研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」では、研究発表をまとめた予稿集を、九州大学よりレクチャーノートとして出版していただきました。

このたび、レクチャーノートを筑波大学附属図書館に寄贈し、附属図書館の学生向け web サイト「週5図書館生活、どうですか?」にて、教員の著作として紹介していただきました。その際に寄せましたコメントを転載します(元記事へのリンクは末尾をご覧下さい)。

【本の情報】

『数式処理研究と産学連携の新たな発展 : マス・フォア・インダストリ研究所共同利用研究集会II (COE lecture note : Kyushu University:v. 49. MI lecture note series)』. 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所/九州大学大学院数理学研究院[グローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ教育研究拠点」] , 2013.8【分類418-Te76】

【コメント】

本書は、2013年8月21日から23日にかけて、九州大学伊都キャンパスで開催された研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」(https://sites.google.com/site/imidcar2013/) での研究発表をまとめた予稿集です。

「数式処理」は「数値計算」に比べてまだなじみが薄く、ご存知でない方もいらっしゃるかもしれません。「数値計算」が計算機で数値からなるデータを扱うのに対し、「数式処理」は、多項式や方程式といった「式」を直接計算機で扱います。本学の全学計算機システム(サテライト端末)にも「Mathematica」をはじめとする数式処理システムがいくつか入っていますので、興味がある人は使ってみてください。

さて、数式処理は、この30年くらいで大きな理論的発展を遂げ、応用も徐々に広まっていますが、欧米などに比べると、日本での産業界への浸透はまだ遅れていると思われます。そこで、この研究集会は、国内における数式処理の産業への応用や産学連携の促進を目的として開催しました。

研究集会では、海外や国内で数式処理の産業への応用を先んじて行っている方々を招き、それらの事例についてお話しいただきました。それから、国内の(若手の人達を中心とする)数式処理の研究者による研究成果を紹介してもらうとともに、数式処理を活用している、もしくは活用したいと思っているような応用分野の方々との情報交換を行いました。

本書では、招待講演2件、一般講演16件を収録しており、招待講演では数式処理の医療技術や自動車産業への応用、一般講演では、おそらく世界初となる17次の判別式の計算から、ルービックキューブや数独パズルの解析まで、数式処理の理論や応用の多岐にわたるテーマをカバーしています。

皆さんにも、本書で、数式処理の応用に向けた日本発の取り組みについて知っていただければ幸いです。さらに興味を持った人は、ぜひ一緒に数式処理のおもしろさを学び、新たな応用の世界を探求してみましょう!

レクチャーノートは、中央図書館に収蔵され、貸出可能になっていますので、ぜひご覧下さい。私の手元にも、数部残部がありますので、興味がある方はご連絡ください。

教員著作紹介コメント(照井章先生) http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/w5lib/?p=3364
週5図書館生活、どうですか? | 筑波大生のための図書館Webサイト http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/w5lib/