2013-05-31

線形代数I(第12回)

今回は、前回最後の方で説明したいくつかの定理を復習の後、逆行列の計算について説明しました。ここは、教科書の例題を、数式処理システム Mathematica の計算でデモンストレーションしながら説明しました。

その後、連立1次方程式の話題に入りましたが、今回は係数行列をはじめとする術語の説明で時間がきましたので、ここで終了となりました。

次回は、連立1次方程式の解の個数や表現を、係数行列からどのように調べるかという話題から話を続けたいと思います。

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2013-05-29

数理科学IIA(第8回)

今回は、前回の授業の続きで、拡張 Euclid 互除法の余因子 (cafactor) の次数上限の証明と、余因子の一意性の証明を行いました。そして、拡張 Euclid 互除法をアルゴリズムの形で提示して時間となりました。

次回からは、多項式剰余列計算の際に生ずる係数膨張などの問題点を紹介し、その対策の話題に入りたいと思います。

2013-05-28

線形代数I(第11回)

今回から教科書の第2章に入りました。今回は、行列の行変形、および、行変形による簡約階段行列への変換について説明しました。

授業の最後に、行変形の計算例を、数式処理システム Mathematica で実際に計算しながら説明しましたが、時間が十分でなかったため、デモンストレーションの前の定理の説明が一部不十分になったと思いますので、次回適宜復習しながら進めたいと思います。

次回は、今回の簡約階段行列に関する性質を復習し、逆行列の計算や連立1次方程式の話題に進みたいと思います。

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2013-05-24

線形代数I(第10回)

今回は、前回の「特殊な行列」の話題の残りの部分から入りました。まず、教科書の例題として「すべての正方行列は、対称行列と交代行列のわに一意的に表される」性質を紹介し、つづいて上三角行列と下三角行列の定義を行いました。

後半では、正則行列と逆行列の定義を説明し、「正則行列の積もまた正則行列」や「正則行列の転置行列もまた正則行列」といった性質を紹介しました。

今回で、教科書の第1章「数ベクトルと行列」による道具立ての準備は終わりとし、次回から、教科書第2章「連立1次方程式と行列」にて、連立1次方程式と行列の関係を見ていきたいと思います。

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2013-05-22

数理科学IIA(第7回)

今回はまず、前回の時間にシステムの不具合でできなかった、MathLibre 2013 のデモンストレーションを行いました。今度はシステムが無事起動し、ひとまず、ソフトウェアの紹介ページを紹介して(くどいですが)説明しました。

その後、Euclid の互除法について、前回、証明が途中までで終わった "GCD recursion theorem" の証明の残りを説明しました。後半では、拡張 Euclid 互除法の説明に入りました。拡張 Euclid 互除法の定理の証明は、余因子 (cofactor) の次数に関する性質の証明の途中まで行ったところで、今日は時間になりました。

次回は、拡張 Euclid 互除法の定理の残りの部分を説明し、同アルゴリズムの説明を行う予定です。

2013-05-21

線形代数I(第9回)

今回は、特殊な行列として、転置行列、対称行列、交代行列、対角行列、スカラー行列を紹介しました。授業の後半では、教科書の例題により、ある条件をみたす行列がスカラー行列になるという命題を説明しました。

次回は行列のブロック分割について説明し、時間に余裕がありましたら、正則行列の説明を行う予定です。

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2013-05-17

線形代数I(第8回)

今回は、行列の積(乗算)の定義から始めました。そして、行列の積の結合法則の証明を、3行3列の場合を例に取り上げて行いました。

次回は、転置行列や対称行列などの特殊な行列と、それらに特有の性質を紹介します。

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2013-05-15

数理科学IIA(第6回)

今回から、1変数多項式の最大公約子 (GCD) の話題に入りました。今年度の授業の残りの時間はこの話題が中心になると思います。

今回は、Euclid の互除法のアルゴリズムと、Euclid の互除法の理論的根拠を与える "GCD recursion theorem" を紹介し、同定理の証明の前半を説明して終わりました。

授業時間の残り5分程度で、最初の時間に配った MathLibre 2013 DVD のデモンストレーションを行おうとしましたが、DVD がうまく起動しませんでしたので、授業はそのまま終わりとしました。授業終了後、パソコンの電源を切ってもう一度電源を投入すると DVD が起動しましたが、デモンストレーションは次回行いたいと思います。

次回はMathLibre 2013 DVD のデモンストレーションを行うとともに、今日の定理の証明の続きを行い、 拡張 Euclid の互除法に進みたいと思います。

2013-05-14

線形代数I(第7回)

今回は、行列の定義から始めました。行列の定義と用語を順次説明し、行列の和とスカラー倍を定義しました。

そして、行列の積の定義を行う前に、和の記号について説明したところで時間となりました。和の記号(Σ)は高校数学からなじみ深いと思いますが、インデックスのとり方の表記として、自然数の部分集合などからインデックスをとってくる表記法は、まだなじみが薄い人もいると思うので、この機会に慣れるとよいのではないかと思います。

教科書にある、行列の和とスカラー倍に関する性質は、の証明は、数ベクトルにおける証明と同様ということで、時間の都合で省略しました。講義ノートの方には記載していますので、適宜参考にしてほしいと思います。

今回はレポート課題を出題しました。締切は次回5月17日の授業時です。次回は行列の積の説明から入ります。

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2013-05-10

線形代数I(第6回)

今回は、前回に引き続き、複素数の説明から始めました。授業の前半では、偏角と、四則演算のうち除算を除く演算の定義を説明しました。それから、オイラーの公式(特に「オイラーの等式」も含めて)の紹介を行いました。

授業の後半では、n項数ベクトルの定義や演算などの説明を行いました。これらは基本的に、以前説明した平面ベクトルの定義や演算などと同様であるため、説明の詳細は省きましたが、本来説明したかった内容は講義ノートの方に書いてあります。

今回は行列には至りませんでした。次回は行列の定義から始める予定です。

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2013-05-08

数理科学IIA(第5回)

今回は、計算量の表記法について説明した後、1変数多項式の四則演算の計算量解析について説明しました。

今回、計算量の基本とした演算は、係数どうしの加減乗除で、これを伴わないような単項や多項式の和は除きました。この辺は、計算機における多項式の内部表現と合わせて議論する必要があると思いますが、ひとまず単純な解析をしています。なお、擬剰余の計算量解析をレポート課題にしました。

次回からは1変数多項式に対する拡張 Euclid の互除法を扱う予定です。

2013-05-01

数理科学IIA(第4回)

今回は、1変数多項式の四則演算のアルゴリズムの続きで、減算、乗算、擬除算の定義を行いました。それから、計算量の紹介をちょっと行ったところで時間になりました。

次回は計算量の評価の際に現われる O 記号の定義について説明した後、これまでに授業で定義した、1変数多項式の四則演算のアルゴリズムについて、それらの計算量を見積もる予定です。