2011-10-31

数理科学II(第12回)

今日から久々に授業再開ということで、今日から、多項式の因数分解の話題に入りました。

今日のところは、因数分解の全体的な道筋を説明し、引き続いて無平方分解の説明を行いました。無平方分解の説明は今回で一通り済んだので、次回は、有限体上の1変数多項式の因数分解の話題に進みます。

2011-10-28

クラスセミナー(第14回)

今日のクラスセミナーは、久しぶりに特に行事はなく終わりました。

来週のこの時間は、数学類クラス連絡会(学生と教職員による懇談会)が開催されます。

数学特別演習(第4回)

今日は、オイラーの業績として、指数関数と対数関数のべき級数展開を求める話を中心に議論しました。

オイラーは、著書「無限解析入門」の中で、指数関数と対数関数のべき級数展開を扱いました。この本では、内容を初等的にするため、微積分を使わずにこれらの計算を行ったとのことですが、計算の鍵を握っているのは、ニュートンによる (1+x)rの2項展開で、指数関数や対数関数の式を巧みな操作でこの形に持ち込んで展開を行っています。そして、非常に巧妙なやり方で、指数関数と対数関数のべき級数展開を得ていました。

オイラーによるべき級数展開の導出で印象的な点の一つに、「無限」の扱いで、たとえば、整数 j に対し、 j/(j-1) という有理式において、 j が無限に大きくなる時にはこの式は 1 に限りなく近づくとして、1とおいて計算を進めたりする点があります。もちろん、これを厳密に確かめるは、19世紀以降の微積分の発展を待たなければなりませんが、オイラーのこの大胆さに爽快感を覚えるとともに、この直感的な操作も本質的には正しい方向に計算を導くことに、オイラーの発想の非凡さを感じます。

次回は、今回の内容に関連する話題として、調和級数の発散と「オイラー定数 γ」の話に入る予定です。

2011-10-21

クラスセミナー(第13回):図書館フレッシュマンセミナー

今日は、この授業内で、中央図書館にて、数学類対象の「図書館フレッシュマンセミナー」を実施しました。

附属図書館では、図書館サービスに関するさまざまなチュートリアル(講習)が行われています。「図書館フレッシュマンセミナー」もその一つで、主に学類1年生を対象に、図書館の使い方の基礎知識を教えてもらうものです。通常は、学類単位で申し込んで受講します。

数学類も、今年度、図書館フレッシュマンセミナーの受講を申し込みましたが、図書館側と私達の都合の折り合いがなかなかつかず、今の時期の実施になりました。

前半は、中央図書館の集会室に集まり、職員の方の講習を受けました。内容は主に図書館のオンラインシステムの使い方で、自分のアカウントでログインし、蔵書を検索したり、借りたい本が貸し出されているときに利用予約を行ったり、雑誌や論文記事、新聞記事などを探したりすることができます。

後半は、4つの班に分かれ、職員の方々の先導で、館内を見学しながら、各施設の使い方などの説明を受けました。雑誌が配置されている電動書架や、セミナー室、視聴覚資料、コピー機などを見て回りました。新入生の人達も入学して半年経ちますが、自動貸出機をまだ使ったことがない人もいたようで、今回の講習も役に立ったと思います。

今回、講習にご協力下さった附属図書館と職員の方々に感謝します。来週は通常のクラスセミナー、再来週は、数学類のクラス連絡会の予定です。

数学特別演習(第3回)

今日は、前半、偶数の完全数に関するオイラーによる定理の証明の後の研究の進展について、発表してもらいました。

完全数については、まだ謎も多く、たとえば、奇数の完全数の存在については、存在の証明も非存在の証明もまだできていません。現在までの研究で、10300までの奇数には完全数は存在しないことがわかっているそうです。その他、これまでに知られている完全数のいくつかの性質を見ました。

後半では、第2章「オイラーと対数」の話に入りました。今回は、オイラーが登場する前の話で、対数の導入や、対数の数値計算の話が取り上げられました。オイラーによる、対数関数や指数関数の級数展開が行われる以前は、対数の数値計算にも大変な手間を要したことや、オイラー以前の対数関数に関する知識などについて発表が行われました。

次回は、オイラーによる、対数関数や指数関数と、その応用で、対数の数値計算が劇的に速くなったことなどがとりあげられる予定です。

2011-10-14

クラスセミナー(第12回)

今日のクラスセミナーでは、担任から、来週の図書館フレッシュマンセミナーの連絡を行いました。その後、全代会による、東日本大震災に関するアンケート調査と、先日の学園祭でのクラスの出店に係る報告がありました。学園祭の出店は、なかなかの人出だったようです。お疲れさまでした。

来週のこの時間は、図書館フレッシュマンセミナーとなります。集合場所がいつもと異なりますのでご注意下さい。

数学特別演習(第2回)

今日は、偶数の完全数が、2k-1(2k-1), 2k-1 は素数, の形で表されるという定理と、オイラーによるその証明を行いました。

証明に至る準備では、自然数 n に対し、n のすべての約数の和を表す関数 σ(n) の性質を確認しました。この関数はオイラーが導入したものですが、定理の証明において、この関数が巧みに用いられていることがわかります。

関数 σ(n) の性質、定理の証明とも、議論は初めて読む人には少々面倒な部分もあるかもしれませんが、内容は初等的で、よく考えながら読めば理解できるようなものです。数学の本に慣れていない人にはまだ少々きつい部分があるかもしれませんが、このようなテキストで数学の本の読み方を学んでいってほしいと思います。今日発表した人達は、よく準備してきていました。

次回は、現在も未解決問題として残っている、奇数の完全数の存在性などを取り上げます。

2011-10-03

数理科学II(第11回)

今日の授業では、1変数多項式の四則演算の実装の続きを説明しました。

まず、減算の実装に先立って、多項式の「定数倍」の実装について説明し、その後、減算の実装について説明しました。「定数倍」の実装については、実際に履修者に実装してもらうレポート課題にしました。

引き続き、乗算の実装に先立って、多項式に単項を掛ける演算を実装し、これに基づいて乗算の実装を行う説明をしました。

授業の今後の予定ですが、次週10日は休日につき休講で、その後、10月17日と24日は、田島先生が授業を担当されます。よって、私の次回の授業は、月末の10月31日になります。今日出題のレポート課題の締切は、次回の私の授業の10月31日になりますので、各自取り組んでもらいたいと思います。