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2016-07-26

数学セミナーA(第12回)

今回は、この授業の最終回でしたが、前回残したハミルトングラフに関する定理の系を証明してもらったのに続き、最短経路探索と、中国の郵便配達問題のアルゴリズムを説明してもらいました。

「中国の郵便配達問題」という名前は、証明した人が中国人ということで、「中国の郵便配達」とは関係ありませんが、この定理の他にも、別の授業で取り上げた「中国剰余定理」のような呼ばれ方があります(主に西洋の視点と思いますが)。

今回のテキストでは、アルゴリズムがきちんと提示されていたわけではありませんでしたので、必要があれば、他の本でアルゴリズムを確認するとよいのではないかと思います。

以上、今学期でテキスト全体の1/3程を読みましたが、授業中は積極的な質疑応答が行われ、よい雰囲気で授業ができたのではないかと思います。今後も、履修者の皆さんには、本を読んだり、仲間と議論したりすることで数学を理解し、これからの各自の研究などにつなげていってもらえればと思います。

2016-07-05

数学セミナーA(第11回)

今回は、ハミルトン・グラフについて論じました。特に、単純グラフがハミルトニアンになるための十分条件の一つを与えているOreの定理で、頂点数が一般のnの場合の証明について、詳しく議論しました。

授業日程の都合で、次回授業は7月26日、これが最終回となります。次回は、単純グラフがハミルトニアンになるための別の十分条件として知られているDiracの定理について調べたのち、グラフのいくつかのアルゴリズムについて学びます。

2016-06-28

数学セミナーA(第10回)

今回は、オイラー・グラフの性質の残った部分と、オイラー・グラフの小道 (trail) を構成するFleuryのアルゴリズムについて学びました。

次回は、セクションを進めてハミルトン・グラフについて学びます。

2016-06-21

数学セミナーA(第9回)

今回は、オイラー・グラフの定義と性質について議論しました。特に、連結グラフがオイラー・グラフであるための必要十分条件は重要です。

次回は、今回の節の残りの部分を読み、ハミルトン・グラフに進む予定です。

2016-06-14

数学セミナーA(第8回)

前回の授業から2週間空きましたが、今回は、連結なグラフの点(頂点)を除去してグラフを非連結にする際の性質について議論しました。そして、任意の連結グラフに対して、その辺連結度が(点)連結度と常に等しいかより大きくなるという性質を証明しました。この証明は、テキストには「証明できる」とだけ書いてありましたが、今日の担当者は自分達で証明を 学んで発表していたので、参考になったと思います。

次回は、連結グラフの中でもよく知られているオイラーグラフについて学びます。

2016-05-31

数学セミナーA(第7回)

今回は、グラフが連結成分に分かれている場合の辺の個数に関する条件や、連結なグラフから辺や頂点を除去して非連結なグラフにする際の条件について議論しました。

次回は、連結グラフの中でもオイラー・グラフについて調べていきます。なお、来週6月7日は数学教育コースの修士論文中間指導会のため、次回の授業は6月14日となります。

2016-05-24

数学セミナーA(第6回)

今回は、道と閉路に関する性質の最初として、グラフの歩道 (walk)、小径 (trail)、道 (path)、閉路や連結性の定義を行い、閉路に関する性質を、いくつかの定理で観察しました。さすがに数学の話題に入ってきた模様で、だんだんテキストを読んで説明するのにも時間がかかってきているようでした。

次回は引き続きグラフの連結性に関する性質などを扱う予定です。

2016-05-17

数学セミナーA(第5回)

今回は、グラフを用いてパズルの問題を解く例として、「8つの円の問題」、「6人の会合」、そして「4つの立方体の問題」を紹介してもらいました。

次回は、第3章に進み、道と閉路に関する性質について学んでいきます。

2016-05-10

数学セミナーA(第4回)

今回の授業では、グラフの隣接行列と接続行列を定義したのち、いろいろなグラフの例に触れました。術語を挙げていきますと、空グラフ、完全グラフ、閉路グラフ、車輪、正則グラフ、プラトン・グラフ、二部グラフ、立方体、といった感じです。

次回は、グラフを用いて主にパズルなどの問題を解く方法について見ていきます。

2016-04-26

数学セミナーA(第3回)

今回の授業では、グラフの連結性、隣接、部分グラフの概念を扱いました。どのテーマにおいても、教科書の例題から、より一般的な例について、教室内で議論されていたと思います。

次回は、グラフの行列による表現法から、さまざまなグラフの例に進みます。

2016-04-19

数学セミナーA(第2回)

今回の授業は、第1章の「入門」で、グラフとは何かという話から始まりました。第1章は、主にテキストの各章で扱う内容の紹介でしたが、参加者からは、テキストの図で取り上げたグラフの趣旨は何かといった質問が出ました。また、グラフの「連結性」が紹介された際には、1点のみからなるグラフは連結か?といった質問も出ました。

次の第2章では、グラフに出てくる主要な概念の定義と、グラフの例が示されています。今回は時間の都合で、グラフの「同形」の概念で終わりました。次回は、グラフの「連結性」の概念から進みます。

2016-04-12

数学セミナーA(第1回)

今年度の春学期に、教育研究科の数学教育コースにて「数学セミナーA」という授業を担当します。

この授業は、数学のセミナー(輪講)を行う授業です。輪講とは、教科書として数学の本を選び、毎回、事前に当番を決めて、当番が本の内容を予習し、授業時間にその内容を説明するというもので、交代で授業を行うようなものです。通常の数学の講義や演習と異なる点は、話題は講義のように順を追って進みますが、質疑応答のような、講師と参加者の対話の要素が増える点では演習に近いものがあります。「セミナー」は、数学の勉強を行う際によく取る形態の一つで、数学では、大学院生以上になると、セミナーは、新しい本の勉強の他、先生と学生や、研究グループ内で、研究の進捗状況や研究の新しいアイデアや研究成果の検討など、普段の研究のコミュニケーションの主要な要素になります。

教育研究科には、学部においていくつかの異なる分野出身の人達が一緒になります。数学の場合は、数学科等、理学系の学科出身の学生がいる一方で、教育学部の数学教育などの学科出身の学生もいます。数学科の場合は、卒業研究などで、セミナーを経験することがほとんどだと思いますが、出身学科や分野によって、数学のセミナー経験がない場合がありますので、そのような経験の差を埋め、学生に一定の数学の能力を確保しようということで、数年前から、数学教育コースの修士1年生に対し、春学期に「数学セミナーA」、秋学期に「数学セミナーB」という授業を行っていると聞いています。

今回、私の授業では「グラフ理論」を取り上げることにしました。理由はいくつかあります。1つめは、前提となる数学の予備知識が少なくて済むこと。2つめは、最初の段階は単純な理論から始まりますが、理解には数学的な思考が必要であり、そのような練習に適していること。3つめは、本学数学類においては取り上げられる機会の少ない分野であり、内部進学者と、学外から入学した人との既習の予備知識の差が比較的少なく、ほとんどの人が同じスタートラインから学習を始められると判断したこと、などです。

テキストには、R.J.ウィルソンの「グラフ理論入門」(西関隆夫, 西関裕子 訳, 近代科学社, 2001)を選びました。入門書として定評があり、本の厚さも比較的薄く、値段も比較的安く、本の書き方も平易で取り組みやすそうに思えます。

授業の運営は、基本的に学生に任せることにします。毎回、2人の人がレポーターとして説明を行います。彼ら/彼女らは、次の回で座長を務め、授業を進めます。それから、毎回の授業で、レポーターの補欠を2人決めておきます。そして、役割の順番は、1週目に補欠、2週目にレポーター、3週目に座長を務めることになります。今回は、私の方で座長2人を選び(偶然というか、成り行きというか、昨年度、卒業研究を指導した2人になりましたが)、彼らに、次回のレポーターと補欠を選ぶための相談を進めてもらいました。次回から、数学教育コースの13人の新入生達と、授業を進めていきます。