2017-12-19

数理科学IIB(第10回)

今回は、前回に引き続き、Cantor-Zassenhausアルゴリズムの紹介で、後半の「同次因子分離分解」 (Equal Degree Factorization, EDF) の詳細を説明しました。EDFの部分は、係数体の標数が奇数の場合と偶数の場合で計算方法が若干変わるのが特徴です(原理はほぼ同じです)。

有限体上の1変数多項式の因数分解に関する話は今回で終わりです。授業は残り1か月ですが、残りの授業では、整数係数の1変数多項式、多変数多項式の因数分解のアルゴリズムを紹介する予定です。

2017-12-13

線形代数II (2017) 第10回:ベクトル空間の線形写像 (2)

今回は、前回に引き続き、ベクトル空間の線形写像について説明しました。まず、前回の授業で説明が残った「任意のn次元ベクトル空間が同型である」性質(定理)の証明を紹介しました。そして、線形写像の表現行列の構成法を紹介しました。

次回からは、ベクトル空間の基底の変換について触れたのち、計量ベクトル空間の内積の話題に進む予定です。

授業サポートページ: https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la2-2017

2017-12-12

数理科学IIB(第9回)

今回から、有限体上の1変数多項式のもう一つのアルゴリズムである Cantor-Zassenhaus アルゴリズムの紹介に入りました。このアルゴリズムは、「因子次数分離分解」 (Distinct Degree Factorization, DDF) と「同次因子分離分解」 (Equal Degree Factorization, EDF) から構成されています。

今回は、最初の段階のDDFについて解説し、EDFの概要を述べました。次回はEDFの詳細について説明する予定です。

2017-12-06

線形代数II (2017) 第9回:ベクトル空間の線形写像

今回は、前回授業で残った、直和の次元に関する公式について説明を行い、ベクトル空間の線形写像に進みました。線形写像の定義は数ベクトル空間の場合と同じですので手短に説明を終え、同型写像と同型の概念を紹介しました。そして「任意のn次元ベクトル空間が同型である」性質を紹介しましたが、証明は間に合いませんでした。

次回は、今回最後に紹介した「任意のn次元ベクトル空間が同型である」性質の証明を行い、表現行列の説明を行った後で、計量ベクトル空間に進む予定です。

授業サポートページ: https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la2-2017

2017-12-05

数理科学IIB(第8回)

今回は、Berlekampの因数分解アルゴリズムの補足事項として、f-reducing polynomialの最小多項式の根を求めることで、f の既約因子を効率的に分離できることを紹介し、計算例を示しました。

Berlekampの因数分解アルゴリズムの説明はこれで一段落し、次回からは、有限体上の1変数多項式の因数分解のための確率的アルゴリズムである Cantor-Zassenhaus アルゴリズムの説明に進みます。