2012-04-24

微積分I(第2回)

今日は、健康診断のため、授業が短縮されて1時限のみとなりました。

今回は、前回に引き続き、Cantor の区間縮小法による実数の連続性の公理を説明しました。その後、教科書に記載されている実数の連続性の公理「有界な単調列は収束する」の説明のために、集合の上界、下界、上限や下限、数列の有界性といった用語の定義や性質を説明しましたが、結局、公理の説明までに至らずに、時間となりました。

次回は、今回の授業で残った連続性公理の説明をして、数列の収束や発散の定義や、数列の極限の性質について説明する予定です。なお、来週5月1日は木曜日の授業を振り替えて行うため、次回の授業は連休明けになります。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/calculus1-2012

2012-04-23

数理科学II(第2回)

今日から実際の授業に入ったわけですが、今日はまず、学部(数学科相当)の授業でやるような、代数の基本的事項の復習(Euclid 整域、一意分解整域 (UFD))や、多項式を扱うのによく使う用語(次数や主係数)の復習を行いました。

その後、1変数多項式の四則演算のうち、計算代数に特有の「擬除算」について説明しました。残りの時間で、アルゴリズムの基本事項の説明に入ったところで時間となりました。

次回は、アルゴリズムの基本事項の続きを行います。(計算量の説明の準備です。)来週4月30日は「昭和の日」の振替休日なので、次回の授業は5月の連休明けになります。

2012-04-17

微積分I(第1回)

今年度は、微積分I(1学期、物理学類対象)の講義を担当することになりました。

今日の前半の1時間は、ガイダンスを行いました。ガイダンスの前半は、よくあるように、担当教員や教材の紹介、単位の取り方などを説明しました。後半では、大学での学習の意識や方法に関して、学生側の意識と、教員が学生に期待するものの間にギャップが感じられることから、大学の制度の特徴、望ましい心構えや学習方法の例について、説明しました。

後半の1時間は、集合や実数の区間の概念や記法について説明した後、実数の構成の説明に入り、有理数の構成まで行ったところで時間になりました。

次回の授業では、有理数の構成法の一つとして Cantor による区間縮小法を取り上げ、実数の連続性の公理などについて説明する予定です。なお、次回は、学生定期健康診断のため、4限は休講とし、5限のみの授業とする予定です。

あと、授業のサポートページを作りました。こちらに、授業の配布資料などを載せています。

2012-04-16

数理科学II(第1回)

今年度の大学院の授業は先週から始まっていますが、私が担当する授業は今日からです。

今年で4回目になる「数理科学II」の講義ですが、今回は、授業を行う1年間(3学期、9か月間)を前半と後半に分けます。前半は私が担当し、おもに1変数/多変数多項式の因数分解を中心に、多項式演算やアルゴリズムの概要について説明します。後半は田島慎一先生が担当され、多変数多項式環上のグレブナー基底や、微分作用素環とグレブナー基底の話をされる予定です。

今日はひとまず、授業のガイダンスとして、授業内容の説明に引き続き、参考書や主な数式処理システムの紹介、数式処理の(特に数値計算と比較した)特徴について説明しました。次回から数学の話に入り、次回は多項式環の基本的事項から説明する予定です。

2012-04-10

数学専攻内で KNOPPIX/Math 2011 dojo DVD を配布しています

このたび、筑波大学 数学域/数学専攻の計算機室にて、KNOPPIX/Math 2011 dojo DVD の配布を始めました。

KNOPPIX/Math は、DVD から起動可能な Linux オペレーティングシステムの1つである KNOPPIX に、各種のフリーな数学ソフトウェアを添付し、 数式処理、数値計算、可視化等のさまざまな機能を利用できるようにしたものです。

KNOPPIX/Math 2011 dojo は、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 CREST 数学領域 "数学と諸分野の協動によるブレークスルーの探索" の研究課題「現代の産業社会とグレブナー基底の調和」等の補助を受けて制作されたものです。

今回配布の DVD には、以下の3種類があります。

  • Bootable DVD(青色のパッケージ):パソコンのDVDドライブに挿入して起動し、直接利用するためのもの。
  • Virtual Machine(黄色のパッケージ):仮想マシンソフトウェア VMWare 上で動作する仮想マシンのイメージ。
  • Multimedia(緑色のパッケージ):本システムの宣伝やチュートリアル用のマルチメディア資料。
なお、これらの DVD は、ダウンロード可能な ISO イメージファイルも提供されています。

今回配布の DVD は、私と同じく計算機数学分野所属の田島慎一先生が配布元から配布を受け、私が管理して配布しています。 今年度の筑波大学 大学院数理物質科学研究科 数学専攻の新入生全員にも配布しています。制作、配布に携わったプロジェクトの方々に感謝します。専攻内で広く利用していただければと思います。