2011-09-30

クラスセミナー(第11回)

今日のクラスセミナーでは、クラス担任からの連絡として、図書館フレッシュマンセミナーとクラス連絡会の日程について連絡しました。

次に、新入生歓迎委員会 (OPT) の代表が来られ、OPT の活動紹介と委員への勧誘がありました。OPT の皆さんには大変お世話になりましたが、1年生の人達も、来春、後輩の指導にあたる人が十分出てくることを期待します。

その後、クラス連絡会で取り上げるべき話題について、意見聴取がありました。主に学内外の福利厚生に関する要望等ですが、クラス連絡会は、学生が教職員と直接対話できる貴重な機会ですので、ぜひ学生のためになる意見を出してもらいたいと思います。

来週は学園祭準備のため休講で、次回のクラスセミナーは再来週になります。

数学特別演習(第1回)

今日から、いよいよテキストを読み始めました。テキストの第1章は「オイラーと数論」で、オイラーが「完全数」に関する結果を導いた話です。

「完全数」は、真の約数の和がその数自身に等しい数です。完全数に関する最初の数学的に意義のある結果を導いたのは、驚くなかれユークリッドで、彼の「原論」に載っているということです。ユークリッドは「2k-1 が素数で、N=2k-1(2k-1) のとき、Nは完全数である」ことを証明しました。

この定理は、ある数が完全数であるための十分条件を与えたものとして画期的でした。また、この定理により、完全数を探す問題が「2k-1」の型の素数を探す問題に帰着されることもわかります。2k-1の型の素数は「メルセンヌ素数」と呼ばれますが、自然数 k に対し、2k-1 が必ずしも素数になるとは限りません。メルセンヌ素数の探索は現在も続けられており、特に現在では、インターネットを介して共同でメルセンヌ素数を探すプロジェクト (Great Internet Mersenne Prime Search; GIMPS) というものも存在します。

では、完全数はどのような形で表されるか?という問題に答えたのが、これから読んでいく、オイラーの業績です。授業は来週に続きます。

さて、今回は最初の授業で、最初に発表した人達は、準備の要領など、初めての経験で大変だったと思いますが、よく頑張って説明していたと思います。次回以降発表する人達も、今回の授業が生かされるような発表になるよう、楽しみにしています。

2011-09-26

数理科学II(第10回)

前の授業日が木曜日で月曜の授業、それから金、土、日と3連休して月曜日になりましたので、月曜の授業が2日続くことになります。

今日から1変数多項式の四則演算の実装ということで、今日は加法について説明しました。

昨年度は、この段階で初めて多項式演算の算法について説明したので、説明のステップが多くなって大変でしたが、今年度は、すでに1学期のうちに、多項式演算も含めたアルゴリズムの概要を説明しました。今回からの説明では、Scheme でよく用いられる末尾再帰を用いて、より Scheme の実装に近い形で、多項式の四則演算の説明を行うことにしました。

今日のところは、何とか加法の説明を終えました。次回以降、減法、乗法、除法について順次説明したいと思います。

2011-09-22

数理科学II(第9回)

今日は木曜日ですが、月曜の振替授業日です。今日は、計算機による(より具体的には、Scheme のようなリストを扱う言語処理系でよく行われる)多項式の表現について説明しました。

次回は、これをふまえて、1変数多項式の四則演算の実装について説明します。

2011-09-16

クラスセミナー(第10回)

数学類1年次の「フレッシュマンセミナー」は、2学期には「クラスセミナー」という、別の授業として開講されますが、授業目的もメンバーも内容も1学期と同じですから、回数は1学期から続けて数えます。

夏休み明け最初のクラスセミナーということで、休んでいる人は数人いましたが、他の授業では見かけているとのことで、ひとまず全員無事そうで安心しました。

クラス担任からの連絡としては、最近、学生の急性アルコール中毒の事件が起きたとのことで、大学から注意喚起の依頼がありました。あと、「図書館フレッシュマンセミナー」を、学園祭の後、10月下旬に、クラスセミナーの時間を使って行います。

これから10月上旬までは、学園祭に出すイベントの準備ということで、頑張ってほしいと思います。

数学特別演習(第0回)

今年も、昨年に引き続き、数学類の「数学特別演習」を受け持つことになりました。

昨年は2クラスに分けての開講でしたが、最初のクラス分けの際に人数がアンバランスになりそうだったので、今年は1クラス増やしての開講になりました。今日は、ガイダンスとクラス分けを行いました。

私のクラスで選んだのは次の本です。

W. ダンハム (著), 黒川 信重, 若山 正人, 百々谷 哲也 (翻訳)
「オイラー入門」
シュプリンガージャパン
オイラーは、言うまでもなく、数学史上最も偉大な数学者の一人ですが、本書では、オイラーの数多くの業績からいくつかを選び、各テーマ毎に、「プロローグ」として、オイラー登場以前のその分野の背景、「オイラー登場」による彼の業績、「エピローグ」として、オイラー以降のその分野の発展について述べています。

クラス分けの結果、20人強の人達が集まりました。履修者全体の約半分ですので、3クラスの中では人数が多いですが、これから有意義な授業にできればと思います。

2011-09-12

数理科学II(第8回)

今日から、2学期の授業が始まりました。

今日の授業では、前回に引き続き、 Scheme での「逐次」「選択」「反復」のアルゴリズムの記述法について説明しました。「逐次」は begin 形式、「選択」は if 文と cond 文、反復は再帰的定義です。

特に、再帰的定義では「末尾再帰」を取り上げ、末尾再帰が一般のループの形に直せることや、スタックの消費が少なく、効率的である点を説明しました。

Scheme の一般的な解説はこれで終わり、次回は、計算機上(特に Scheme 上)での多項式の表現について説明します。