2010-11-05

大学機関別認証評価の面談

今回、普段とはちょっと変わったミッションに臨んできました。「大学機関別認証評価」と呼ばれるものです。

日本の国・公・私立大学(短大を含む)、高等専門学校(高専)は、学校教育法で、7年以内(現実には7年)ごとに、大学(高専)としての教育、研究の機能(ミッション)を果たしているかどうか、第三者の評価を受けることが義務づけられています。ここでいう「第三者」は、文部科学大臣が認証する評価機関(認証評価機関)です。

現在、大学に対する第三者評価はいろいろありますが、機関別認証評価は、それらの評価の中でも重要なものの一つのようです。国立大学に対する機関別認証評価は、国立大学が法人化された2006年度から始まり、うちの大学は、7年目、つまり、評価周期の最終年に評価を受けることになりました。

機関別認証評価では、評価の前年度から準備が始まります。国立大学の場合、評価機関は、たいてい「独立行政法人 大学評価・学位授与機構」に依頼するようですが、評価機関に評価の依頼を行い、いろいろ準備します。評価自体は、大学による「自己評価」をもとに、評価機関で選ばれた評価委員が中心になり、その自己評価の妥当性を調査、検討して、最終的な評価や提言を行います。ですので、大学では、自己評価の作業と、その結果を「自己評価書」にまとめる作業が、前年度から、本年度始めにかけて行われます。私も、昨年来、会議のたびに「認証評価の書類が何たら・・・」という話を時々聞きましたが、このような話だったのでした。

さて、前置きが長くなりましたが、私がかかわったのは、評価委員の訪問調査時に、一般の教職員と行う「面談」です。今回、うちの大学では、昨日から今日にかけて、2日間の日程で、評価委員の先生方が大学を訪れる「訪問調査」が実施されました。訪問調査では、大学幹部との面談、一般教職員の代表との面談、施設や授業の見学、学生代表との面談などが行われました。一般教職員との面談では、全学から、教職員合わせて12人が選ばれ、その中に私も選ばれて、面談に参加しました。

面談に先立ち、大学が作成した「自己評価書」をざっと眺めました。全部でA4版約260ページにも及ぶ本冊と、同じくらいの厚さの資料の2本立てで、認証評価にあたっての評価項目も非常に細かく、教育、研究をあまねくカバーするのですが、それらの項目の一つ一つに対し、大学としてとのような取り組みを行っており、いかに評価の基準を満たしているかということを、大学の規約や、各学科、専攻の活動例など、細かな証拠も挙げながら、詳細に説明しています。全学のたくさんの人達が、自己評価書の作成にかかわったと思いますが、そのマンパワーは相当な量でしょう。何人時(月?)くらいかしらと思いました。すべての大学がこのような資料を作るわけですから、全国でも相当な仕事量になるでしょう。

肝心の面談は、分刻みのスケジュールの中で、1時間ということでした。面談の進行は、大体、参加した教職員の自己紹介を交えながら、評価委員の先生方の質問が入るのですが、うちの大学の組織が複雑なこともあり、所属組織の説明にかなりの時間が割かれていました。その他、主な話題は、教員の方では、教養教育や専門教育の分担や、学生相談の体制、事務職員や技術職員の方では、事務の分掌や学生、教員の支援体制など、主に教育・事務組織がどのように動いているかに関する議論が多かったと思います。

そんな感じで、全員の自己紹介が一巡する頃にはほぼ時間切れとなり、1時間は短いなーと感じましたし、短時間の訪問調査で状況を把握する上で、評価委員の先生方のご苦労も並々ではないなーと感じました。あと、学内の他分野の部局の組織や体制を知る機会は、私のような立場では普段なかなかないのですが、分野によって、組織の運営もいろいろなんだなーということも、よくわかりました。

今後は、評価機関から評価案が示され、それに対する大学の回答を経て、今年度末には評価結果が確定し、自己評価書も、大学から公表されると思いますので、評価の推移を見守りたいと思います。

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