2012-11-12

計算数学の挑戦 — Webページの重要度を定めるPageRankの技術 —

今日は、筑波大学総合科目「数学の美しさと奥深さ」という授業の中で「計算数学の挑戦 — Webページの重要度を定めるPageRankの技術 —」というタイトルで講義を行いました。

筑波大学の授業科目の一つである「総合科目」は、大学の教養的科目の一つで、全学群、学類の必修科目とされています。大学創設以来(少なくとも私が学生だった頃から)存在する科目ですが、最近までに、いくつか制度改革も行われたようで、現在では、各学期完結で1単位を出す授業科目を組み合わせて受講するのが基本になっているようです。

授業は、教養教育推進機構が開設する「筑波大学特別講義〜大学と学問〜」など、全学的な特別の科目のほか、各学類が開設し、3学期合わせて年間150科目程度が開講されます。数学類では、1学期に「数学との出会い」、2学期に「数学の美しさと奥深さ」、3学期に「数学の美しさと面白さ」という科目を開講しています。

今回、私は1回の講義を担当するということで、Web 検索において、検索結果からより重要な web ページをランクづけする「PageRank(ページランク)」と呼ばれる技術と、その背後にある数学の話をしました。

内容は、昨年度、自然系の学類(数学・物理・化学・地球)を対象にした授業「数学特別講義I」で扱った内容とほぼ同じですが、今回は、より幅広い分野の学生が受講しているため、演習問題のうち、授業中にやってもらう簡単な課題以外は、ほとんどを自由課題にして、レポート課題は最小限にとどめています。

それから、この授業科目のタイトルには、数学の「美しさ」という言葉がありますが、数学を用いて現実の問題に立ち向かう際には、しばしば泥臭い解決策が必要な場合があります。もちろん、泥臭いノウハウの後ろには、数学の美しさもあり、両方をうまく使いこなして問題解決に至るケースもいろいろあると思います。そういう意味も込めて、今回の講義は「数学の美しさ+泥臭さと奥深さ」とでも言える話ができたのではないかと思います。

以上が授業に関する話で、以下は余談ですが、今回は、講義資料の配布に合わせて、講義資料の PDF ファイルも公開し、学生に周知しました。その際、もともとは資料共有サービスの Scribd を使う予定でしたが、アップロードされた資料の日本語がうまく表示されなかったので、とりあえず Google Documents で公開しました。

その後、ちょっと調べてみたところ、増井俊之さん言及されているように、 Scribd へのアップロードの際、日本語のフォントを埋め込んだ PDF ファイルをアップロードすれば日本語も問題なく表示されることがわかったので、講義資料については Scribd にアップロードしなおしました。以下に講義資料とスライドを埋め込みで紹介します(クリックでそれぞれダウンロードできます)。

計算数学の挑戦 – Webページの重要度を定めるPageRankの技術 –(2012年11月12日)

計算数学の挑戦 – Webページの重要度を定めるPageRankの技術 –(2012年11月12日)

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