2012-03-26

日本数学会 2012 年度年会 一般講演

このたび、昨日から東京理科大学 神楽坂キャンパスで開催されている日本数学会 2012 年度年会の函数論分科会にて、田島慎一先生と共同で「行列の最小消去多項式を利用した固有ベクトル計算」という題目で一般講演を行いました。

これは、田島先生と以前から共同研究をさせていただいているテーマで、行列のレゾルベントの留数解析に関する田島先生らの研究成果に基づいて、行列の固有ベクトル計算を速くしようというテーマです。

行列の(厳密な)固有ベクトルの計算は、一般に手間のかかる計算で、計算代数の分野としてもこの計算の効率化は興味深いトピックの一つであると思います。田島先生らは、従来から、行列のレゾルベントの留数解析に基づき、これらの計算を多項式計算を用いて効率化を図る研究に取り組んでいます。今回の話では「最小消去多項式」を利用して固有ベクトル計算を効率化するというテーマで私もお誘いいただきました。田島先生は算法の理論面を作られ、私は主に算法の実装やベンチマークテストを担当しています。

今回の発表は、昨年開催の同学会年会で発表予定でしたが、東日本大震災の影響を受け、年会が中止になりました。その後、日本数学会の取り扱いにより、昨年の年会の研究発表は成立したものとし、その時の一般講演を、昨秋の秋季総合分科会か、今回の年会で発表できることになりました。本発表はこの制度に基づいて今回発表したものです。

参考までに、今回発表に用いたスライドを載せておきます。より詳しい資料は、追って掲載したいと思います。

行列の最小消去多項式候補を利用した固有ベクトル計算

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