2011-09-30

数学特別演習(第1回)

今日から、いよいよテキストを読み始めました。テキストの第1章は「オイラーと数論」で、オイラーが「完全数」に関する結果を導いた話です。

「完全数」は、真の約数の和がその数自身に等しい数です。完全数に関する最初の数学的に意義のある結果を導いたのは、驚くなかれユークリッドで、彼の「原論」に載っているということです。ユークリッドは「2k-1 が素数で、N=2k-1(2k-1) のとき、Nは完全数である」ことを証明しました。

この定理は、ある数が完全数であるための十分条件を与えたものとして画期的でした。また、この定理により、完全数を探す問題が「2k-1」の型の素数を探す問題に帰着されることもわかります。2k-1の型の素数は「メルセンヌ素数」と呼ばれますが、自然数 k に対し、2k-1 が必ずしも素数になるとは限りません。メルセンヌ素数の探索は現在も続けられており、特に現在では、インターネットを介して共同でメルセンヌ素数を探すプロジェクト (Great Internet Mersenne Prime Search; GIMPS) というものも存在します。

では、完全数はどのような形で表されるか?という問題に答えたのが、これから読んでいく、オイラーの業績です。授業は来週に続きます。

さて、今回は最初の授業で、最初に発表した人達は、準備の要領など、初めての経験で大変だったと思いますが、よく頑張って説明していたと思います。次回以降発表する人達も、今回の授業が生かされるような発表になるよう、楽しみにしています。

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