2011-11-18

数学特別演習(第7回)

今日の前半は、前回進めなかった部分、オイラーによる「p 級数」の計算の拡張について発表してもらいました。

「p 級数」は、数列 1/np (n = 1,2,3,...) の和で、p = 2 のときが有名な「バーゼル問題」ですが、オイラーは、p = 2 の場合の無限級数の値を求めたのに続いて、他の p の値に対して、それらの無限級数の和の計算にチャレンジしました。

その結果、彼は、代数方程式の根と係数に関する新たな公式を編み出し、それを道具に用いて、p が偶数の時に、p 級数の値を構成的に計算する方法を見出しました。これにより、p が偶数のときの p 級数の解明は大きく進歩したと言えると思います。

引き続いて、後半では、「バーゼル問題」のオイラーによるもう一つの証明を紹介してもらいました。先の証明は「オイラーらしい信念の飛躍」があり、これに疑問を持つ人もいたようですが、今度の証明では、誰もが認める微積分の基本的な性質のみを用いた証明に成功し、これもまた素晴らしいものだと思います。

次回は、オイラー以降のこの問題に対する研究の進展などを紹介してもらう予定です。2学期の授業は今回で終わりで、今学期発表がなかった人にはレポート課題が出ます。期末試験の準備もあって大変かとは思いますが、各自頑張って力作が出ることを期待しています。

0 件のコメント: