2014-04-25

数理科学IIA(第2回)

先週は、教育研究科の健康診断のため休講になりましたので、今回は2週間ぶりの授業となりました。

今回は、多項式演算の導入ということで、多項式環やEuclid整域の基礎的事項を復習した上で、多項式の擬除算を導入しました。

次回はアルゴリズムの基本事項を説明する予定です。

2014-04-23

計算機演習(第2回)

今日から実質的な授業に入りました。

今年は大学のe-ラーニングシステムが刷新され、テキストやレポート課題などを配布する要領も変わりました。端末の方は昨年までと変わっていませんが、昨年までに比べると、動作を待たされる時間が増えているようです。

さて、今回は端末を使っての初めての授業でしたので、e-ラーニングシステム (manaba) へのログイン、manaba のコースページの内容紹介、Mathematicaの起動と計算、レポートの課題ファイルのダウンロードなどを一通り説明した後、時間が少なくなりましたが今日の授業内容に取り組みました。今日の授業内容は、基本的な数値の計算(四則演算や素因数分解など)や、代数方程式の解法、グラフ描画の基本などでした。

次回は、今回扱ったテーマのより進んだ内容(連立方程式の解法やグラフィクスの詳細など)を扱います。

2014-04-18

線形代数I演習(第2回)

今日はまず、先週回収して採点した第1回レポート評価を返却し、必要条件や十分条件に関する内容を解説しました。

次に、今日の例題に入り、ベクトルが「張る」という概念を中心にした例題の解き方について解説しました。終わりの方で、今日のレポート課題を配りました。次回の授業の最初に回収する予定です。

2014-04-16

計算機演習(第1回)

今日から計算機演習の授業が始まりました。

昨年度、いくつかの変更点がありましたが、今年度はさらに変更点があります。まず、今年度から、2学期制に対応した新しいカリキュラムに移行しました。授業期間がこれまでの10回(旧1学期間・2モジュール分)から15回(春学期・3モジュール分)に増えました。そこで、前半にはこれまでと同様、数式処理システムMathematicaをやるとして、後半に、新たにプログラミング言語Haskellを導入しました。次に、実施学期も、一昨年までは3学期、昨年度は秋学期ABモジュールでしたが、今年度から、春学期の開講になりました。

今日は、恒例のガイダンスということで、Mathematicaの紹介、単位のとり方などの説明を行いました。ガイダンスに来た学生の人数は45人前後で、昨年の履修者数の65人弱からは20人近くも減っています。いくつかの情報によると、数学類以外の学類では各学類の授業と重複している場合もあるようで、履修者のほとんどが数学類の学生になりました。次回から本格的な授業に入ります。

2014-04-11

線形代数I演習(第1回)

今年度の春学期は、線形代数I演習(地球学類対象)を担当することになりました。

今回は、授業のガイダンスとして、授業の進め方や単位のとり方などを説明した後、最初のレポートを解いて提出してもらいました。毎年恒例の、必要条件、十分条件に関する問題です。次回、内容を解説したいと思います。

数理科学IIA(第1回)

今年も、大学院の春学期の講義「数理科学IIA」を担当することになりました。昨年度の授業では、学生の所属の内訳が、数学専攻が数名で、教育研究科が十何名だったのに対し、今年は、数学専攻が10名強、教育研究科が10名弱で、数学専攻の履修者の数が大幅に増えました。

今年度の授業で扱うテーマは、前半のアルゴリズム、計算量、多項式の拡張Euclid互除法のあたりまでは昨年と同様ですが、後半では、数式・数値融合計算の題材を扱いたいと思います。今日は、ガイダンスとして、授業の進め方、参考書や数式処理システムの紹介を行いました。次回からは多項式の術語や諸概念の確認から始めたいと思います。

2014-01-24

数学類卒業研究発表会 (2014)

平成25年度の数学類卒業研究発表会が開催されました。

今回は、朝9時から夕方5時過ぎまで、今度の春に卒業を控えた4年生40人前後が、卒業研究の研究成果を発表しました。発表会のプログラムは分野別に組まれましたが、情報数学分野が最も人数が多く、午前中、お昼までかかりました。あとの3分野(代数学、解析学、幾何学)は午後に発表が行われました。

私が指導したチームの学生は、3人の共同発表が「Berlekampアルゴリズムとその実装」、あと1人が「Hensel構成による整係数1変数多項式の因数分解について」というタイトルで発表しました。年が明けてからは連日自主ゼミを組み、集中的に準備を行ってきたようでしたが、これまでのセミナーによる勉強の成果と相まって、よく頑張って内容をまとめたと思います。今後は、3月の計算機数学グループの合宿にて行われる卒論発表会に向けて、さらなる研鑽に期待したいと思います。

クラス担任の先生についても、発表会の段取りや予稿集の準備、当日の進行、打ち上げの企画など、たくさんの仕事に敬意を表したいと思います。来年は自分の仕事なんですよね。今年の様子も参考にしながら頑張りたいと思います。

2013-12-09

計算機演習(第9回)

今回は、前回第8回のレポートの締切日でしたが、自由参加のオフィスアワーとし、必要に応じて質問を受けつけたりする時間としました。

全体では、目視で20人前後の参加者がいたと思いますが、それぞれがレポートに取り組んでいるようでした。レポート課題について、TAの人に質問したり、友達と話し合ったりしていた人もいたようです。私自身も、普段よりも余裕を持って学生の人達と会話ができた気がします。

さて、今年の授業を振り返っての私の感想ですが、今年の授業で昨年までの授業と変わったと思った点は、学生達どうし、もしくは学生と指導する私達との授業外での授業に関するオンラインでのやりとりが増えた点です。

特に Twitter については、学生が授業に関する内容をつぶやくということは、昨年までの授業では、少なくとも私が確認した範囲ではほとんどありませんでした。しかし、今年は、多くの人達がつぶやきで授業に言及していたようで、中には私が返信して質問に答えたり、学生の疑問点を解決したりという機会もありました。

授業の e-ラーニングシステムでも、昨年までは授業時間外の質問や連絡がほとんどありませんでしたが、今年は質問や連絡にも使われる機会が出てきました。こうしたコミュニケーションのとり方は、来年以降の授業の上で参考になりそうです。

来年度は、授業時間割、授業のカリキュラム、e-ラーニングシステムが変わり、またいろいろ変化があることと思いますが、履修者の人達が受講してためになるような授業になるよう、来年度も取り組みたいと思います。

2013-12-02

計算機演習(第8回)

今回は授業の最終回となりましたが、Mathematica のプログラミングによるフラクタル図形の描画を行いました。

以上、これでこの授業も終わりですが、来春に開講される「計算機数学I」の講義では、代数計算を中心に、実際の計算を視野に入れた数学の紹介が行われますので、興味がある人はぜひ受講されることをおすすめします。

それから、来年度からは、計算機演習も、2学期制に対応したカリキュラムに移行します。これまでは、3学期制の1学期間に相当する2モジュールの開講でしたが、来年度からは春学期ABCモジュールの半期の開講になります。これに伴い、授業時間数が増えますので、これまでのMathematicaに加え、プログラミング言語の授業が入る予定です。

というわけで、約2か月間のおつき合いでしたがありがとうございました。来週は、今日出題のレポート課題の締切日ですので、質問のためのオフィスアワーとし、担当教員とTAはサテライトで待機しています。

2013-11-25

計算機演習(第7回)

今回は「金融計算」ということで、四捨五入、単利と複利の計算や、元利均等返済などの概念を、年金やクレジットカードの分割払いなどの題材を通して扱いました。

レポート課題では、貨幣の「現在価値」の概念に慣れるまでが大変かもしれませんが、ぜひ頑張って取り組んでもらいたいと思います。

早いもので次回はこの授業の最終回ですが、フラクタル図形の描画を取り上げます。

2013-11-18

計算機演習(第6回)

今回は、Mathematica によるプログラミングの初歩として「ルールベースドプログラミング」すなわち再帰的な漸化式やルールを用いた関数定義によるプログラミングを扱いました。

レポート課題では関数の微分を行う課題を出しましたが、苦戦している人も見受けられました。ぜひ完成できるよう頑張ってほしいと思います。

次回は金融計算の話題を扱います。

2013-11-11

計算機演習(第5回)

今回は、微積分の2回目ということで、不定積分や定積分の計算、微分方程式の解法の話題を扱いました。

それから、後半では、リストの要素の様々な扱い方に触れましたが、これは、レポート課題で扱っている数値積分の計算に関連するものです。台形公式については、初めて学ぶ人もいるかもしれませんが、よく理解した上で計算に取り組んでもらいたいと思います。

次回は初歩のプログラミングの話題を扱います。

2013-11-06

計算機演習(第4回)

今回の授業は、微積分の1回目として、関数の定義、極限値の計算、導関数の計算、Taylor 展開の話題を扱いました。

次回は、微積分の2回目の話題を扱います。

今回の授業は水曜日に行われましたが、レポート提出の締切は通常通り来週の月曜日(11日)となります。普段より少々時間が短いですが、頑張って仕上げてもらいたいと思います。

2013-10-28

計算機演習(第3回)

今回の授業では、Mathematica における「リスト」を紹介し、リストを用いた、線形代数の行列やベクトルの計算を中心に紹介しました。線形代数では、固有値と固有ベクトルを用いた行列の n 乗の計算を取り上げました。

次回は微積分の計算を行う予定です。

2013-10-21

計算機演習(第2回)

今日は第2回の授業ということで、Mathematicaへの入門的な内容ですが、第1回より進んだ内容でした。題材は、連立方程式、グラフィクス、アニメーションなどでました。

アニメーションでは、空間の直線、曲線や曲面のパラメータ表示に対し、さらに時間に依存する変数を加えることによって図形を描画します。空間図形の数式による表現で苦労している人もいたようですが、こうした考察が数学的な思考力を鍛えることにもつながると思いますので、頑張ってほしいと思います。

次回は線形代数に関するテーマを扱います。

2013-10-18

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」のレクチャーノートがオンラインで読めます

先日、 附属図書館に入れていただいた、研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」のレクチャーノートの電子版 (PDF) が、このほど、九州大学 マス・フォア・インダストリ研究拠点の web サイトに掲載されました。ぜひご利用ください。

http://gcoe-mi.jp/publish_list/pub_inner/id:2/cid:21

全文公開にご協力下さった著者の皆様、ならびに電子版の作成にご協力下さった九州大学マス・フォア・インダストリ研究所に御礼申し上げます。

2013-10-17

計算機演習(第1回)

今日から、実質的な授業が始まりました。今日は、e-learning システムの使い方と Mathematica の基本的な使い方について一通り説明した後で、第1回の教材に取り組んでもらいました。

昨年の授業の際、今年は全学計算機システムが入れ替わって「たぶん Windows 7 が入るでしょう」という予想を書きましたが、果たしてその通りになりました。今年から稼働している新しいシステムは、Windows の起動に非常に時間がかかるとの評判ですが(そして Mathematica の起動にも案外時間がかかるようです)、4月の導入以来、地道に改善の努力は続けているそうですので、今後の改善に期待したいと思います。

今日は木曜日ですが月曜授業の日で、今日出題の第1回レポート課題の締切は来週10月21日(月)です。通常より締切までの期間が若干短いですが、今回は初回で課題の量や難易度は若干控えめにしているつもりですので、各自頑張って取り組んでほしいと思います。

次回はMathematicaによるグラフィックスやアニメーションなどの話題を取り上げる予定です。

2013-10-07

計算機演習(第0回)

今年も、数学類の授業科目「計算機演習」を担当することになりました。内容は主に数式処理システム Mathematica の体験と実習です。

昨年度までと変わった点は、授業時間の変更です。昨年は火曜日でしたが、今年は2学期制移行による時間割の変更で、月曜日になりました。ただし、数学類では、昨年の新入生(=今年の2年生)までは、昨年度までの3学期制のカリキュラムが適用されるので、授業期間は3学期制の1学期間に相当する、秋学期のA, Bモジュール(10月から12月中旬まで)となります。

もう一つ、私にとって新しかったのは、今度の数学類の2年生の人達と授業で顔を合わせるのは初めての機会だということです。これまでは、何かの授業で、少なくとも一部の人達とは1年生の頃から顔を合わせていましたが、今回は初顔合わせです。これからよろしくお願いします。逆に、数学類以外で昨年度授業を受け持ったクラスの人達とは、久々の再会です。こちらもよろしくお願いします。

今日は、ガイダンスということで、Mathematica の紹介や、単位のとり方などの説明を行いました。実際の授業は、来週から、サテライト端末を使って行います。なお、今日の欠席者で、授業後に連絡を下さった人達には、これから個別に連絡します。

2013-10-03

卒業予備研究 (2014) 募集開始

今年も卒業予備研究の募集をする時期になりました。私は、今年度に引き続き、今年度の卒業予備研究と、来年度の卒業研究を担当することになりました。

私の担当する内容ですが、だいたいは昨年と同じです。今年、これまでの卒業研究を経験して、昨年から追加や変更をした点は次の通りです。

  • 卒業研究のテーマについては、今年度のチームの皆さんが、多項式の因数分解を中心に取り組んでいますので、来年度は当初予定のテーマから外しました。(学生の人達がこのテーマを希望すれば取り上げる可能性はありますが、ひとまず私が最初に用意する手札には含めない、ということです。)それに代わり、今回は量限子消去 (Quantifier Elimination) の話題を含めました。
  • プログラム言語 Java の学習については、今年、共通科目「情報」で開講された Java の授業を受講したので、来年も、スケジュールが合えば、その路線でいこうと思います。

私が担当する内容については以上ですが、今回はもう一つ、クラス担任として、卒業(予備)研究全体をとりまとめる仕事もあります。

卒業研究は、学生が担当教員から1人の先生を選び、その先生のもとで勉強するわけですが、その所属(配属)は以下の手順を経て決められます。

  1. 学生が各先生を訪問したりして、所属を希望する先生を選ぶ
  2. 所属希望調査を行い、第一希望と第二希望を提出(記入)
  3. 希望者が多いところは人数調整
  4. 全員の所属先を決定

こうした所属先の決定をとりまとめるのがクラス担任の仕事です。というわけで、今日は、卒業予備研究のためのガイダンスを開きました。ガイダンスでは、卒業予備研究と卒業研究の制度や所属の決め方について説明します。配布資料には、あらかじめ担当の先生方に書いてもらったシラバスを書いてもらって集め、資料としてまとめます。こうしたシラバスの執筆依頼や資料の編集もクラス担任の仕事です。

そんなわけで、今日の午後に行われた説明会も無事終わり、今年の3年生の卒業予備研究に向けた準備が始まりました。書くのが遅れましたが、今年から2学期制になったため、これまで3学期に行われていた卒業予備研究は、秋学期のB, Cモジュール(11月頭〜1月末)に行われます。所属希望調査の方は今月中に行われ、今月末には決まる予定です。

最後に、昨年同様、卒業研究のシラバスと案内書を作りましたので、リンクを載せておきます。

2013〜2014年度 卒業予備研究・卒業研究 シラバス http://goo.gl/zblWKY
2013〜2014年度 卒業研究案内 http://goo.gl/IizCt6

2013-10-01

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」のレクチャーノートが附属図書館 web サイトにて紹介されました

去る8月に開催した研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」では、研究発表をまとめた予稿集を、九州大学よりレクチャーノートとして出版していただきました。

このたび、レクチャーノートを筑波大学附属図書館に寄贈し、附属図書館の学生向け web サイト「週5図書館生活、どうですか?」にて、教員の著作として紹介していただきました。その際に寄せましたコメントを転載します(元記事へのリンクは末尾をご覧下さい)。

【本の情報】

『数式処理研究と産学連携の新たな発展 : マス・フォア・インダストリ研究所共同利用研究集会II (COE lecture note : Kyushu University:v. 49. MI lecture note series)』. 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所/九州大学大学院数理学研究院[グローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ教育研究拠点」] , 2013.8【分類418-Te76】

【コメント】

本書は、2013年8月21日から23日にかけて、九州大学伊都キャンパスで開催された研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」(https://sites.google.com/site/imidcar2013/) での研究発表をまとめた予稿集です。

「数式処理」は「数値計算」に比べてまだなじみが薄く、ご存知でない方もいらっしゃるかもしれません。「数値計算」が計算機で数値からなるデータを扱うのに対し、「数式処理」は、多項式や方程式といった「式」を直接計算機で扱います。本学の全学計算機システム(サテライト端末)にも「Mathematica」をはじめとする数式処理システムがいくつか入っていますので、興味がある人は使ってみてください。

さて、数式処理は、この30年くらいで大きな理論的発展を遂げ、応用も徐々に広まっていますが、欧米などに比べると、日本での産業界への浸透はまだ遅れていると思われます。そこで、この研究集会は、国内における数式処理の産業への応用や産学連携の促進を目的として開催しました。

研究集会では、海外や国内で数式処理の産業への応用を先んじて行っている方々を招き、それらの事例についてお話しいただきました。それから、国内の(若手の人達を中心とする)数式処理の研究者による研究成果を紹介してもらうとともに、数式処理を活用している、もしくは活用したいと思っているような応用分野の方々との情報交換を行いました。

本書では、招待講演2件、一般講演16件を収録しており、招待講演では数式処理の医療技術や自動車産業への応用、一般講演では、おそらく世界初となる17次の判別式の計算から、ルービックキューブや数独パズルの解析まで、数式処理の理論や応用の多岐にわたるテーマをカバーしています。

皆さんにも、本書で、数式処理の応用に向けた日本発の取り組みについて知っていただければ幸いです。さらに興味を持った人は、ぜひ一緒に数式処理のおもしろさを学び、新たな応用の世界を探求してみましょう!

レクチャーノートは、中央図書館に収蔵され、貸出可能になっていますので、ぜひご覧下さい。私の手元にも、数部残部がありますので、興味がある方はご連絡ください。

教員著作紹介コメント(照井章先生) http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/w5lib/?p=3364
週5図書館生活、どうですか? | 筑波大生のための図書館Webサイト http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/w5lib/