2013-09-17

卒業研究 (2013) 夏休み集中セミナー

今年度から、本学の学年歴が、それまでの3学期制から2学期制に変わりました。それに伴い、夏休みも、昨年まで7月と8月だったのが、今年から1か月繰り下がって8月と9月になりました。現在は、夏休みもあと半月弱を残すところです。

今年度の卒業研究のセミナーは、夏休み後半の9月に集中セミナーを入れました。今日も朝からセミナーでしたが、昨日は私の誕生日でした。私としては、誕生日は昨日の事と思っていましたが、チームの学生の皆さんがお祝いして下さいました。ありがとう!おかげさまで、今日は朝からおいしいスイーツをいただいてからのセミナーとなりました。(今回のようにケーキが出るのは稀ですが、普段からセミナーにはコーヒーとお茶菓子を常備しています。)

さて、夏休み中のセミナーは、9月の毎週火曜日、午前中と午後に入れています。午前中は10時から、計算代数の中から、多項式の因数分解のアルゴリズムを学んでいます。午後は、春学期から学んできたプログラミング言語 Java の勉強で、こちらは各自が机を合わせて(というか、大きなテーブルにまとまって)それぞれのペースで学びながら、互いに教えあったりする形をとっています。

Java の実習に使う計算機環境も、皆さんそれぞれです。基本的には、昨冬から使っている Ubuntu (Linux) を使っていますが、昨冬の卒業予備研究で作成した USB メモリから起動する Ubuntu を使う他、仮想化ソフトウェア VMWare で仮想マシンを作成し、そこに自力で Ubuntu をインストールして使っている人もいます。Java の開発環境は Eclipse を使っています(春学期に受けた共通科目「情報」から継続して使っています)。

各種ソフトウェアのインストールや設定は、昨冬の卒業予備研究の時は最初の機会でしたので、私が詳細なドキュメントを作って説明しながら進めましたが、現在は、学生間で教えあったりしながら、各自がほぼ自力で進めています。私が登場するのは、通常の作業手順にないトラブルなどが発生したときです。

午前と午後のセミナーの合間には、一同でランチに出かけます。先々週は焼肉店、先週は中華料理、今日はインドのカレー屋さんと、みんなでいろいろな味を食するのも楽しみの一つです。

午後のセミナーは午後4時過ぎにお開きになりますが、その後も、秋の大学院入試を受ける人が夕方まで院試対策に勤しんだり、皆さんそれぞれ頑張っているようです。

夏休みのセミナーはあと来週の1回を残すのみとなりました。休みが明けるとだんだん卒業研究モードになっていくと思いますが、卒業研究に向けて、数学と Java の基礎知識の仕上げに努めたいと思います。あと、来週にはチームでの飲み会も予定しています。これまで、計算機数学グループの懇親会はありましたが、チームの飲み会は、なかなか機会がありませんでしたので、今回が初めてです。こちらの方も楽しみにしながら、セミナーを頑張りたいと思います。

2013-09-09

筑波大学数学教室の YouTube チャンネル「つくば数学チャンネル」を開設しました

タイトルにあります「数学教室」は、正確には学部組織の「理工学群 数学類」、大学院の「数理物質科学研究科 数学専攻」、そして教員組織の「数理物質系 数学域」に分かれていますが、筑波大学の数学の組織から情報を発信するための YouTube チャンネルを開設しました。

つくば数学チャンネル (Tsukuba Math Cannel)
http://www.youtube.com/user/tsukubamath/
筑波大学 数理物質科学研究科数学専攻
数学専攻トピックス:数学専攻 オープンキャンパス(大学院説明会)の講演録画を公開(2013年9月9日)
http://nc.math.tsukuba.ac.jp/jotc36kfy-195/#_195

今回、開設のきっかけになったのは、大学院のオープンキャンパス(説明会)の模様の紹介です。

オープンキャンパスの際に行われる数学専攻説明会では、数学専攻の概要と、各研究分野の紹介を行っています。数学専攻の概要説明では、数学専攻の教育目標、カリキュラム、施設、進路状況などを紹介しています。各研究分野の紹介では、各分野の特徴や、指導教員の研究内容を紹介しています。
(上記記事より)

大学院への進学を目指す人にとっては、大学院の様子や教育・研究内容について、このように詳しく知ることのできる機会は貴重ではないかと思います(ついでに、オープンキャンパスの際は、上記の説明会の後に、大学院生の人達との懇談会もあり、そちらも大学院の内情を知る上でよい機会ではないかと思います)。それから、分野紹介では、各分野の教員と専門分野が一通り紹介されるので、筑波の数学でどのような研究が行われているか、どのような分野の数学を学ぶことができるかを知る上で、一般の人にとっても有益な情報ではないかと思います。

今回の動画公開にあたっては、私が、講演者の先生方と(私自身も昨年の情報数学・数理科学分野の紹介を行い、今回の録画の公開に加えましたが)、数学専攻学務委員(大学院の教務主任)の先生の協力を得て、準備を進めてきました。専攻内には、こうした形の情報公開についていろいろな意見があるので、今回は、オープンキャンパスに限っての動画公開が数学専攻で承認されました。今後も、当面の間、動画公開にあたっては、案件毎に承認を得て進めることになると思いますが、これからも、新しい形での情報発信の可能性を探りたいと思います。

2013-08-29

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」

先週になりますが、8月21日から23日にかけて、研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」が、九州大学伊都キャンパスにて開催されました。

この研究集会は、もともと、京都大学数理解析研究所にて、RIMS共同研究「数式処理研究の新たな発展」として、例年7月に行われているものです。今回は、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 (IMI) の共同利用研究の一つとして、九州大学で行われました。

RIMSの場合もそうですが、「共同利用研究」とは、研究所が数学のいろいろな分野(IMI は特に産業と結びつくような数学に重点を置いています)の研究の発展を支援することを目的として、「研究集会」や「短期共同研究(数人程度の研究者が集中的に議論をすること)」の提案を募り、選定された事業(研究集会やセミナー)に対して、場所や資金の援助をするものです。IMI の共同利用研究の場合は、開催場所の提供、講演者への旅費の援助、レクチャーノート(予稿集)の出版といった援助を受けられます。

今年は、諸事情により、私が研究代表者を仰せつかり、年始に研究集会の応募を行いました。そして、幸いにも春先に採択され、これまで準備を進めてきました。

IMI の研究集会は、産学連携を推進する立場から、「組織委員会の委員と講演者とには,それぞれ産業界からの参加を必須と」することと、「国際化の推進のため,招待講演者として外国人を1名以上含めること」という条件がありました。日本においては、数式処理は数値計算に比べると一般的に認知度が低く、産業界で数式処理が使われるというのはまだ少ないと見ています。そこで「数式処理の理論を産業に応用しようという先進例」と「現場のエンジニアの方が積極的に数式処理を使おうという試み」という立場から、第一人者の方々を招いてお話してもらうことにしました。

「数式処理の理論を産業に応用しようという先進例」では、Wen-Shin Lee さん(ベルギー・アントワープ大学)に「関数補間の信号処理への応用」という内容でお話いただきました。「関数補間」は、いくつかの測定データから、もとの関数を求めるという計算です。Wen-Shin さんらの研究グループが行っているのは、これを医療などの信号処理に役立てようというものです。医療現場では、脳波など、いろいろな生理学的な測定データからなる信号が作られ、それらが人体に取り付けられたセンサから測定機に送られます。最近は無線で信号を伝えることも多いですが、測定データがたくさんあると、それだけ信号の伝送にも時間がかかり、機器の消費電力もかさみます。そこで、測定データを適切な関数で表すことで、信号の伝送量を節約し、電気も節約しようというのです。

これは、日本の数式処理屋にとってはいくつもの点で驚きです。まず、医学の分野で数式処理が応用されるというのは、少なくとも日本ではこれまで聞いたことがありません。次に、信号処理への応用も、日本ではまだあまりなじみがありません。すでにやられている方もいるかもしれませんが、少なくとも日本の数式処理の研究者の間ではほとんど知られていないと思います。こういう点から、数式処理の産業への応用例として、非常に参考になりました。

「現場のエンジニアの方が積極的に数式処理を使おうという試み」では、伊藤久弘さん(トヨタ自動車)に「数式処理のエンジン制御系設計への活用に関する課題と期待」という内容でお話をいただきました。現場のエンジニアにとっては、数式(文字を含む式)を直接扱うことのできるソフトウェアが役に立つこと、燃焼の化学反応などは、ある時間を固定すれば最適な設計パラメータが得られるが、これを時間の推移とともに次々に求めるにはまだまだ現在の計算法やソフトウェアの技術は不足であること、これらの問題を解決するために、今後の数式処理の理論やソフトウェアの発展に期待が集まっていることなどが話されました。数式処理を実際に使う立場からの要望として、非常に参考になったと思います。

研究集会では、これらの招待講演のほかに、16件の一般講演も行われました。内容も、数学への応用から、数独やルービック・キューブの話題まで、多岐にわたり、質疑応答も活発に行われました。

この研究集会は、例年、比較的小規模に行われていますが、今回は、最大で35人程度の人達が集まり、活況を呈していました。参加された皆様に御礼申し上げます。今後も、数式処理の活用の場がより広がるよう、活動を続けたいと思います。なお、予稿集は、九州大学より「MIレクチャーノート」の1冊として刊行され、今後、オンラインでも公開される予定です。

2013-08-07

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」開催と参加のご案内

以前、お知らせした研究集会ですが、いよいよあと2週間程で開くことになりました。

下記の通りお知らせいたします。つきましては、皆様ふるってご参加下さいますようご案内申し上げますとともに、関係各位に広くお知らせいただければ幸いです。


九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 共同利用研究集会

数式処理研究と産学連携の新たな発展

https://sites.google.com/site/imidcar2013/
2013年8月21日(水)~23日(金)
九州大学伊都キャンパス センター2号館 2310室(福岡市西区元岡744)


研究集会のあらまし

本研究集会は、これまで毎年夏に京都大学数理解析研究所にて開催されてきた RIMS 共同研究「数式処理研究の新たな発展」のシリーズの一つですが、今年は、九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 (IMI) の共同利用研究として、数式処理研究の産学連携や産業界への応用を特に視野に入れて開催します。

今回は、数式処理の産業への応用研究や、産業界における数式処理システムの活用事例と数式処理への期待と課題などについて、海外および国内の招待講演者によるチュートリアルセッションを企画しています。

一般講演の方は、制御系設計といった数式処理の産業への応用をはじめとして、数学における数式処理の利用、ソフトウェア、教育など、数式処理の理論、実装、応用に関するさまざまな取り組みに関する研究発表が予定されています。

参加申し込み

参加費、事前参加申し込みは不要で、どなたでも参加できます。

プログラム

プログラムは、研究集会 web サイトに日本語版、英語版のPDFファイルを置いてありますので、ご利用ください。
https://sites.google.com/site/imidcar2013/program

「情報交換」のセッションについて

研究集会2日目、8月22日の最後に「情報交換」のセッションがあります。 これは、数式処理や計算代数に関連した研究会等の開催に関する情報提供やアナウンスを行うものです。

アナウンス時間は、原則として1件につき数分(~5分程度)とさせていただき、内容に関しては、大学の研究集会であることから、原則として非営利目的のものに限らせていただきますので、ご了承ください。(ご不明な点がございましたらご相談ください。)

アナウンスには講演同様プロジェクタを利用できます。チラシも(通常ですと)会場内に置くスペースがあると思います。

もし、このセッションでの宣伝等をご希望の場合は、簡単な内容を添えて、組織委員連絡先 dcar2013 at math.tsukuba.ac.jp までご連絡下さい。

もちろん当日飛び入りでもかまいませんが、もしあらかじめアナウンスを予定されている場合はご連絡いただければ、当方の段取りの上で助かります。

懇親会の開催について

以下の要領で、懇親会の開催を予定しています。

  • 日時:8月22日(木)(第2日目)日程終了後(上記の「情報交換」セッションの後)
  • 場所:天神地区周辺

つきましては、参加予定の方は、8月16日(金)までに、組織委員の横山俊一(連絡先はホームページを参照)までご連絡いただければ幸いです。(当日参加も可能です)

その他、何かございましたら、組織委員連絡先 dcar2013 at math.tsukuba.ac.jp までご連絡下さい。

以上、よろしくお願いいたします。

照井 章(研究代表者; 筑波大学)

2013-07-31

数理科学IIA(第15回)

今回は、この授業の最終回でしたが、前回までに証明した「部分終結式の基本定理」を踏まえ、(拡張)Euclid 互除法による多項式剰余列計算の際に起こり得る係数膨張を抑える方法の一つとして、Collins (1967) による「縮小 PRS 算法」を紹介しました。

  • George E. Collins. Subresultants and Reduced Polynomial Remainder Sequences. Journal of the ACM, Volume 14, Issue 1, 128-142, 1967. doi: 10.1145/321371.321381

縮小 PRS 算法による係数膨張の抑制の仕組みを説明した上で、数式処理システム Mathematica を用いて例題を計算し、擬剰余による PRS と縮小 PRS での係数膨張の程度を比較しました。

以上でこの授業を一通り終えました。この授業では、計算代数の基礎を取り上げ、多項式演算、アルゴリズム、計算量といった、現実の計算を考慮する上で必要な概念を説明しました。今後も皆さんの学習に役立てていただければ嬉しく思います。

なお、今回、本授業最後となるレポート課題を出題しました。それから、今回のレポート課題には、今日の授業の内容が必要ですが、今日は学会参加等で授業を欠席している人もいましたので、今回のレポート課題と授業資料を PDF ファイルにして配布します。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/ms2a-2013

2013-07-30

線形代数I(第28回)

今回は、この授業の最終回になりましたが、前々回の授業で証明を説明しきれなかった部分(線形写像の核が部分空間をなす、等)の説明と、線形写像の像と核を計算する例題を説明し、この授業を終えました。

最後に、この授業を終えるにあたってのコメントですが、普段、授業でこういった話をすると、しばしば話にまとまりがなくなるものですが、今回、珍しく、授業の最後にまとまった話ができましたので、抜粋して引用します。(録画では 49分00秒 頃からです。)

これで、春学期の線形代数Iの範囲は一通り終わりました。分量の割に時間の制約もあったりして、本来説明したいと思うこと全部は説明できませんでしたが、この授業で説明したいと思った内容は、講義ノートの方に書きましたので、今後も必要に応じて参照していただければと思います。

この授業で、線形代数の基本的な事項を説明すると同時に、数学において、どのように問題を解くかや、どのような道具立てで現代の数学が成り立っているか、といった基本的な部分について(説明したつもりですので)、少しでも皆さんに知っていただければ嬉しく思います。

今後、皆さんが数学に触れる機会は、人によってはもうほとんどないかもしれませんし、人によってはまだあるかもしれませんが、線形代数は、微積分と並んで、現代の科学技術が発展した社会において、どこでも使われている道具(の一つ)ですので、皆さんがこれから社会に出たり勉強を続けたりする中で、また(線形代数が)必要になりましたら、線形代数の教科書やノートを広げてほしいと思います。

この講義も一通りビデオ収録しまして、(今後)何事もなければ、収録した録画もずっと(今のまま)置いているつもりですので、また(線形代数を)復習したくなったり、あるいは照井の話を聞いてみたいと... ないかもしれませんが(笑)... 思った時には、戻ってきていただければありがたいと思います。

ということで、皆さん、これから大学生活が続くと思いますが、ますますのご活躍を祈りまして、それから(今度の)試験の成功も祈りまして、この授業を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-26

線形代数I(第27回)

今回は「線形結合と部分空間」ということで、いくつか(とりあえずここでは有限個)の数ベクトルの線形結合全体のなす集合が、もとの数ベクトル空間の部分ベクトル空間をなすこと、2つの数ベクトル空間 A, B と、A から B への線形写像 f が与えられたときに、A のすべての基本ベクトルを f で移したベクトル達が、f の像空間 Im f を生成するという事実(定理)を説明しました(証明つき)。それから、付録として、数ベクトル空間の基底と次元について説明しました。

次回は最終回ですが、前回の授業で時間が足りなくなって説明できなかった、定理の証明の一部と例題を説明したいと思います。

なお、本授業の期末試験は、来週8月2日(金)に実施します。要項は授業のサポートページに書きましたので、履修者はよく確認してください。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-23

線形代数I(第26回)

今回は、まず前回の線形写像に関する例題を解説した後、線形代数の像と核の定義を説明しました。 その後、像と核が部分空間をなすという性質の証明を始めましたが、時間が足りなかったので、像の部分の証明で終わりました。

次回までに第5章を一通り終える予定のため、次回は次節の「ベクトルで張られる部分空間」について説明し、本節の証明などで説明が残った部分は、次回と次次回の授業で、時間が許す限り取り上げる予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-19

線形代数I(第25回)

今回は、線形写像と行列について学びました。具体的には

  • (m, n) 行列が数ベクトル空間 Kn から Km への線形写像を与えること
  • Kn から Km への線形写像は n 個の基本ベクトルがどう移されるかを決めることで与えられること
  • Kn から Km への線形写像を、ある (m, n) 行列で表せること
について学びました。

次回は、線形写像の像と核と呼ばれる部分集合(部分空間)について学びます。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-17

数理科学IIA(第14回)

今回は、前回残った「補題2」の証明を終えた後、「部分終結式の基本定理」の証明を一通り終えました。

来週7月24日(水)は月曜日の授業のため、この授業はありません。再来週7月31日(水)がこの授業の最終回となります。次回は、部分終結式の基本定理を用いて、多項式剰余列を計算する際に起こり得る係数膨張を防ぐ工夫について説明する予定です。

2013-07-16

線形代数I(第24回)

今回は、まず、第4章「行列式の発展」の締めくくりとして、固有ベクトルの定義と「クラメールの公式」を説明しました。

それから第5章「数ベクトル空間と線形写像」に入りました。教科書では、線形写像の説明から初めていますが、今回は、その前段階として、数ベクトル空間の定義や、部分空間の定義を説明しました。

次回からは、教科書の内容に沿って、線形写像から説明する予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-12

線形代数I(第23回)

今回は、第4章「行列式の発展」から

  • 多項式の定義、多項式と方程式の違い
  • 固有多項式、固有方程式
  • ハミルトン・ケーリーの定理
  • 固有値
を説明しました。あと、固有ベクトルの導入まで説明しましたが、定義には至りませんでした。

次回は

  • 固有ベクトルの定義
  • クラメールの公式
について説明した後、次の第5章に進みたいと思います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-10

数理科学IIA(第13回)

今回は「部分終結式の基本定理」の証明に向けた最初の補題である「補題1」の証明の後半部分を行った後、次の「補題2」の証明のほとんどの部分を行いました。

次回は「補題2」の証明の残りの部分を行った後、「部分終結式の基本定理」の証明を行いたいと思います。

2013-07-09

線形代数I(第22回)

今回は、正方行列の余因子や余因子分解について解説し、余因子を用いて逆行列の計算を行う公式(定理)を説明しました。そして「ファンデルモンドの行列式」を説明し、第3章の内容を終えました。

次回は、第4章「行列式の発展」から、重要と思われるトピックを選んで解説したいと思います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

追記(7月12日):授業を収録し、編集後の動画に意図しないコマが割り込む不備が見つかり、動画のエンコードをやり直しています。動画の公開にはもう少し時間がかかる予定です。

追記(7月18日):動画を再エンコードしましたが、不備は変わらないようです。授業内容には影響ありませんので、そのまま公開します。

2013-07-05

線形代数I(第21回)

今回は、行列式の性質を、特に行列式の計算に有用なものを中心に説明しました。

次回は、正方行列の余因子や余因子分解について解説し、余因子を用いた逆行列の計算などについて説明する予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-07-03

数理科学IIA(第12回)

今回は、部分終結式を1つの行列式で表す表現について説明した後、「部分終結式の基本定理」の証明に向けて、最初の補題の証明に入りました。

次回は、この補題の証明の残りの部分から先へ進めていく予定です。

2013-07-02

線形代数I(第20回)

今回はまず、2次や3次の行列式の計算に欠かせない「サラスの公式」を説明した後、「置換行列」の定義や構成について説明し、最後に行列式に関するいくつかの性質(「上三角行列の行列式の値は対角成分の積に等しい」など)を説明しました。

次回は今回に引き続き、行列式に関する(特に行列式の計算において有用かつ重要な)性質を紹介する予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-06-25

線形代数I(第19回)

今回は、置換の中でも特に重要な概念の一つである「奇置換」「偶置換」について説明し、最後に行列式の定義を行いました。

次回は、行列式の基本的な性質や、置換行列について説明する予定です。なお、今週金曜日の6月28日の講義は出張のため休講とし、次回は7月2日に行います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-06-21

線形代数I(第18回)

今回は、置換の話題の続きとして、置換の積、逆置換、互換を導入し、互換とあみだくじの関連性も交えながら説明しました。

次回は、行列式の導入において重要な、置換の符号、偶置換、奇置換の話題を説明し、行列式の定義に進む予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-06-19

数理科学IIA(第11回)

今回は、前回に引き続き、例題を用いて、多項式剰余列の各要素の係数が、与えられた2つの多項式からどのように導かれるかを調べました。その上で、1変数多項式の「部分終結式」の定義を行いました。

来週6月26日は私が出張ですので休講となり、次回の授業は7月3日となります。次回以降は、部分終結式を1つの行列式で表す表現を導入した上で、「部分終結式の基本定理」を証明するための準備に入る予定です。