2016-05-31

数学セミナーA(第7回)

今回は、グラフが連結成分に分かれている場合の辺の個数に関する条件や、連結なグラフから辺や頂点を除去して非連結なグラフにする際の条件について議論しました。

次回は、連結グラフの中でもオイラー・グラフについて調べていきます。なお、来週6月7日は数学教育コースの修士論文中間指導会のため、次回の授業は6月14日となります。

2016-05-30

計算機数学I(第6回)

今回は、前回紹介したHorner法の応用として、数(整数、分数、小数)の10進・2進変換の話題を取り上げました。

私達人類が数を数える際、今日では10進数が広く用いられる(歴史的にはそれ以外の進法もあると思いますが)一方、計算機の内部ではほとんどの場所で2進法が使われています。ですので、10進数と2進数の変換はいたるところで用いられていると言ってよいでしょう。それらの計算にHorner法のアイデアを適用可能であることを紹介しました。

次回は、多項式などの乗算とそのアルゴリズムの説明に進みたいと思います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2016

2016-05-25

計算機演習(第6回)

今回は、微積分の内容の後半で、不定積分、定積分、微分方程式の解法を中心に扱いました。また、リストに対するさまざまな処理についても学びました(今回のレポート課題の一つに、台形公式による数値積分があり、この中でリスト処理を行います)。

次回はMathematicaによる初歩的なプログラミングを扱います。

2016-05-24

数学セミナーA(第6回)

今回は、道と閉路に関する性質の最初として、グラフの歩道 (walk)、小径 (trail)、道 (path)、閉路や連結性の定義を行い、閉路に関する性質を、いくつかの定理で観察しました。さすがに数学の話題に入ってきた模様で、だんだんテキストを読んで説明するのにも時間がかかってきているようでした。

次回は引き続きグラフの連結性に関する性質などを扱う予定です。

2016-05-23

計算機数学I(第5回)

今回の授業では、1変数多項式の加算のアルゴリズムと計算量、1変数多項式の変数に値を代入して評価するHorner法を扱いました。

次回は、Horner法の応用として、整数や小数、分数の2進-10進変換を扱います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2016

2016-05-18

計算機演習(第5回)

今回は、微積分の内容の前半で、関数の定義、関数の極限の計算、導関数の計算、Taylor展開の計算を扱いました。

今回の授業内容で目立ったトラブルとして、「三角関数のSin, Cosの頭文字を大文字にするのを忘れている」、「アンダーラインの入力方法がわからない」、「カッコの使い分け(小カッコは数式の計算の優先順、中カッコはリスト、大カッコは関数の引数)が正しくできてない」、がありました。

次回は微積分の2回目で、積分の話題を中心に扱います。

2016-05-17

数学セミナーA(第5回)

今回は、グラフを用いてパズルの問題を解く例として、「8つの円の問題」、「6人の会合」、そして「4つの立方体の問題」を紹介してもらいました。

次回は、第3章に進み、道と閉路に関する性質について学んでいきます。

2016-05-16

計算機数学I(第4回)

今回は、アルゴリズムの時間計算量の見積もりについて説明し、前回やった、多倍長整数の加算の計算量を見積もりました。その後、符号つき多売長整数の、2の補数を用いた表現について説明しました。

次回からは多項式の話題に入ります。まずは、1変数多項式の表現や演算の話題から進みたいと思います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2016

2016-05-11

計算機演習(第4回)

今回は、主に線形代数のテーマを扱いました。ベクトルや行列のリストによる表現とその使い方です。応用では、行列の対角化の方法について復習しながら計算しました。

次回は微積分の内容を扱う予定です。

2016-05-10

数学セミナーA(第4回)

今回の授業では、グラフの隣接行列と接続行列を定義したのち、いろいろなグラフの例に触れました。術語を挙げていきますと、空グラフ、完全グラフ、閉路グラフ、車輪、正則グラフ、プラトン・グラフ、二部グラフ、立方体、といった感じです。

次回は、グラフを用いて主にパズルなどの問題を解く方法について見ていきます。

2016-05-09

計算機数学I(第3回)

これ以降、この授業では、数を正確なものとして扱いますが、今回は、整数の桁数が大きな場合に扱う「多倍長整数」の表現と演算(加算)について説明しました。

次回は、計算量について説明したのち、多倍長整数の加算にかかる計算量を評価します。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2016

2016-04-27

計算機演習(第3回)

今回は、前回のMathematicaの使い始めの続きで、連立方程式の解法、グラフィクスのオプション、アニメーションを扱いました。

次回の授業は連休をはさんでの実施になりますが、線形代数の内容を扱う予定です。

2016-04-26

数学セミナーA(第3回)

今回の授業では、グラフの連結性、隣接、部分グラフの概念を扱いました。どのテーマにおいても、教科書の例題から、より一般的な例について、教室内で議論されていたと思います。

次回は、グラフの行列による表現法から、さまざまなグラフの例に進みます。

2016-04-25

計算機数学I(第2回)

今回は、整数の表現として、符号なし整数と、2の補数を用いた符号つき整数について説明しました。そして、引き続いて浮動小数の概要を説明しました。IEEE浮動小数点規格や、浮動小数演算に伴う誤差などの詳細については今回は省きましたが、興味のある人は昨年の授業内容を参考にしていただければと思います。

次回は多倍長整数の説明に進みます。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2016

2016-04-20

計算機演習(第2回)

今回から、端末を使った本格的な授業が始まりました。

といっても、今回はほとんどが実習のガイダンスとなりました。e-learningシステムmanabaへのログイン、Mathematicaの起動、レポートの課題ファイルのダウンロード、レポートの作り方と提出手順などを説明しました。いろいろ細かく説明したところ、ガイダンスのみで授業時間がほぼなくなりました。

今年は、次回のテキストを早めに公開し、授業前に予習を促すことにしましたが、1回目がほぼガイダンスで終わったので、次回の予習はどの程度進んでいるでしょうか。注意深く様子を見たいと思います。

2016-04-19

数学セミナーA(第2回)

今回の授業は、第1章の「入門」で、グラフとは何かという話から始まりました。第1章は、主にテキストの各章で扱う内容の紹介でしたが、参加者からは、テキストの図で取り上げたグラフの趣旨は何かといった質問が出ました。また、グラフの「連結性」が紹介された際には、1点のみからなるグラフは連結か?といった質問も出ました。

次の第2章では、グラフに出てくる主要な概念の定義と、グラフの例が示されています。今回は時間の都合で、グラフの「同形」の概念で終わりました。次回は、グラフの「連結性」の概念から進みます。

2016-04-18

計算機数学I(第1回)

今年も、昨年に引き続き、数学類の専門科目「計算機数学I」を担当することになりました。

この授業では、主に代数計算、特にEuclidの互除法を軸にしながら、構成的な計算について説明します。授業では、アルゴリズム、データの表現、計算量の議論もしながら進めていきます。

今年も、授業のガイダンスの後、準備として、コンピュータの基本構成を説明しました。昨年に引き続き、タワー型のパソコンのケースを開けて中の部品の説明をする一方で、DVDドライブ、フロッピーディスク、MOディスクや、ハードディスクを解体した中身の紹介も行いました。その後、メモリの配置(メモリマップ)と計算機の「ワード」について説明しました。

今年も、毎回の講義ノートをwebの授業サポートページに掲載するとともに、講義の模様を録画して公開していきたいと思います。次回は、計算機による数値の表現に進みたいと思います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/compmath1-2016

2016-04-13

計算機演習(第1回)

今年度も、数学類2年次春学期の「計算機演習」を担当することになりました。今年度も、授業の前半、数式処理システムMathematicaの実習を担当します。

今回は、授業のガイダンスということで、ティーチング ・アシスタント (TA) の人達にも集まってもらい、授業の概要を説明しました。履修者は数学類がほとんどで、人数は40人ちょっとといった感じです。次回から本格的な授業が始まります。

2016-04-12

数学セミナーA(第1回)

今年度の春学期に、教育研究科の数学教育コースにて「数学セミナーA」という授業を担当します。

この授業は、数学のセミナー(輪講)を行う授業です。輪講とは、教科書として数学の本を選び、毎回、事前に当番を決めて、当番が本の内容を予習し、授業時間にその内容を説明するというもので、交代で授業を行うようなものです。通常の数学の講義や演習と異なる点は、話題は講義のように順を追って進みますが、質疑応答のような、講師と参加者の対話の要素が増える点では演習に近いものがあります。「セミナー」は、数学の勉強を行う際によく取る形態の一つで、数学では、大学院生以上になると、セミナーは、新しい本の勉強の他、先生と学生や、研究グループ内で、研究の進捗状況や研究の新しいアイデアや研究成果の検討など、普段の研究のコミュニケーションの主要な要素になります。

教育研究科には、学部においていくつかの異なる分野出身の人達が一緒になります。数学の場合は、数学科等、理学系の学科出身の学生がいる一方で、教育学部の数学教育などの学科出身の学生もいます。数学科の場合は、卒業研究などで、セミナーを経験することがほとんどだと思いますが、出身学科や分野によって、数学のセミナー経験がない場合がありますので、そのような経験の差を埋め、学生に一定の数学の能力を確保しようということで、数年前から、数学教育コースの修士1年生に対し、春学期に「数学セミナーA」、秋学期に「数学セミナーB」という授業を行っていると聞いています。

今回、私の授業では「グラフ理論」を取り上げることにしました。理由はいくつかあります。1つめは、前提となる数学の予備知識が少なくて済むこと。2つめは、最初の段階は単純な理論から始まりますが、理解には数学的な思考が必要であり、そのような練習に適していること。3つめは、本学数学類においては取り上げられる機会の少ない分野であり、内部進学者と、学外から入学した人との既習の予備知識の差が比較的少なく、ほとんどの人が同じスタートラインから学習を始められると判断したこと、などです。

テキストには、R.J.ウィルソンの「グラフ理論入門」(西関隆夫, 西関裕子 訳, 近代科学社, 2001)を選びました。入門書として定評があり、本の厚さも比較的薄く、値段も比較的安く、本の書き方も平易で取り組みやすそうに思えます。

授業の運営は、基本的に学生に任せることにします。毎回、2人の人がレポーターとして説明を行います。彼ら/彼女らは、次の回で座長を務め、授業を進めます。それから、毎回の授業で、レポーターの補欠を2人決めておきます。そして、役割の順番は、1週目に補欠、2週目にレポーター、3週目に座長を務めることになります。今回は、私の方で座長2人を選び(偶然というか、成り行きというか、昨年度、卒業研究を指導した2人になりましたが)、彼らに、次回のレポーターと補欠を選ぶための相談を進めてもらいました。次回から、数学教育コースの13人の新入生達と、授業を進めていきます。

2016-03-11

5年前の仕事場を振り返る

東日本大震災から5年になります。この機会に、当時の私の仕事場と周辺の様子を写真とともに振り返ってみたいと思います。

地震発生の瞬間、私は、研究グループの合宿を1週間後に控え、合宿の最終案内のメールを書いていました。揺れを感じてオフィスの入口まで行きましたが、揺れはそれ程大きくなかったので、再び自分の机の前に戻りました。しかし、揺れは大きくはないものの、収まる気配がないことを不審に思い、「念のため」机の下に身を隠しました(結果的にこの動作は正解でした)。

その直後、大きな揺れが始まりました。ブラインドが窓に当たってガンガン鳴り、電気も止まって照明も切れ、室内が暗くなりました。自分の身が倒れないように膝を必死で抱えていました。ふっと机の外に目をやると、1回の揺れで書棚から本が水平に飛び出し、次の揺れで書棚が倒れてきました。見るものすべてに驚くのが精一杯で、恐怖を感じる余裕すらありませんでした。

ずいぶん長く感じられた揺れが収まり、この瞬間を記録しようと、まず自分が身を隠した机の下から、冒頭の写真を取りました。ところが、いざ机の外へ出ようと思ったら、椅子がつかえて外へ出られません。閉じこめられるのではないかと焦りました。無理にもがいても仕方がないので、1分間だけ脱出を試みて、それで出られなければ救助を待つことにして、もがいてみたら、間もなく椅子を押しのけて脱出できました。

廊下に出てみると、同じフロアにいた同僚の方は2,3人でした。隣のセミナー室の廊下に重ねてあった会議用の折りたたみテーブルの山が、見事に崩れて廊下をふさいでいました。私のオフィスのすぐ隣に階段がありますが、下のフロアには化学系の実験室もあり、万一化学薬品の漏出や爆発などが起こっていたりしたら危険ですから、建物の端にある非常階段に行きました。下を見下ろすと、道路(平塚通り)を隔てた大学会館の外にも人が集まっていました。

非常階段を降りて、とりあえず松美池のほとりに出ました。たぶん、学系棟や学群棟にいたと思われる人達が集まっていました。

避難中の15時15分頃には大きな余震がありました。立っているのが困難で座り込む人もいました。

避難して最も不安だったのは、この地震がどのような災害なのかということと、家族は元気かということでした。家族に携帯電話のメールを送ってもなかなかつながりませんでした。そのとき、知り合いの大学院生の人が持っているタブレット端末で、radikoでラジオのニュースを聴き、災害の様子がわかってきました。このとき、情報がいかに大切かということと、このような非常時には原始的な通信手段が最後まで生き残ることを、身をもって知りました。以来、携帯型ラジオをほぼ常に持ち歩いています。

その後、支援室の事務の方が池の前の「大気」の像のところにラジカセを置き、NHKのラジオのニュースを流し始めました。

そうしているうちに、数学以外の専攻では、どうやらスタッフが集まってミーティングが開かれているようでした。一方、数学の関係者は、先生方も学生の人達も、特に会議を開くこともなく、大気の像の周辺にとどまっていました。見たところ、皆さん無事の様子だったのは幸いでした。

私は岩手の出身で、小学校の頃から地震は日常茶飯事、学校の授業や日本海中部地震といった実際の地震などでも地震や津波の怖さを学んでいました。よって、ラジオのニュースを聴いた段階で、地震の大きさからして、きっと、津波など、大きな災害になるだろうと想像しましたが、そのうちに同僚の方が携帯電話のワンセグでニュースを見せてくれました。東北の太平洋岸に押し寄せる津波の映像に目を見張りました。その間にも松美池のほとりにはたくさんの人達がいました。

夕方4時を回り、そろそろ今日は解散ということになりました。学系棟も危険かもしれないので、グループで非常階段を上って建物に入りました。7階の数学域図書室の書庫を廊下から覗いたところ、書架には本がほとんど残っていませんでした。図書室の事務の方がオフィスにお財布を置いているというので、図書室のドアを開けたところ、カード目録を収めたラックがひっくり返っていました。やむを得ず、倒れたラックの上を歩いてお財布を取りに行きました。

それから、何人かの人達と自分のオフィスに向かいました。廊下は水浸しで、消火栓の扉が開いてホースが飛び出していました。後からわかりましたが、水浸しの理由は、消火栓ではなく、天井裏の水道管が切れたことによるものでした。

自分の仕事場に戻ってみると、もともと散らかってはいましたが(笑)、落ちた本で床が見えなくなっていました。その後、しばらくの間、復旧とリニューアル、耐震改修工事が最近まで続きます。

この後、いろいろなことがありました。震災直後にクラス担任として迎えた新入生も昨年春に卒業し、今では大学院生になった何人かの人達と交流が続いています。それから、入学時にその新入生を指導してくれたクラスリーダーの2人は、その後、私のところで東ロボで修士論文を書いてこの春卒業というのも、何かのご縁なのでしょう。これまでのことを記憶にとどめて、これから前へ進んでいきたいと思います。