2010-04-23

数学特別講義I(第2回)

今日は、数学特別講義の第2回の授業がありました。と書こうとして思い出したのですが、昨年に引き続き、今年度もこの授業を担当することになったのを書くのを忘れていました。

しかも、今年度は、授業の世話人を仰せつかった次第です。授業のまとめ役として、各週の講義を担当する先生にお願いをし、準備をしてきました。そして、1学期の授業の間、毎回、進行役を務めます。授業に関する情報は、世話人のwebページをまとめましたので興味のある方はご覧下さい。 http://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/topics1-2010

第1回の授業は先週で、行きがかり上、講義は自分が担当しました。内容は昨年の授業とほぼ一緒だったので、とりあえず昨年の内容を参照していただければよいでしょう。一応、今年の内容も公表する予定です(変わり映えしませんが)。それより、とりあえず、今日の授業を聴いていろいろとためになったので、印象に残ったことを書きたいと思います。

今回、第2回の授業は、石井敦先生による「結び目の数理」でした。内容は、位相幾何で研究対象となっている「結び目」や「組み紐」の性質を調べるのに、結び目の特徴を数学的な対象(群の元)に対応させ、それらに対する計算を行うという話でした。授業の中で、単に解説するだけでなく、実際に「どの結び目が等しいか?」という問題演習をしたり、行列の計算をしたり、組み紐を模した紙細工をひねったり、と、実践がいくつもあり、大変おもしろかったし、参考になりました。寝てる暇ないですね。いいことです。

石井さんは、普段は柔和な方で、同僚として気楽におつき合いさせていただいていますが、講義では凛として、学生に厳しい表情で臨んでいるのが印象的でした。学生に対するこのような接し方も、なるほどな〜と参考になりました。それにしても、授業中にDSで対戦?かどうか確認できなかったけど、とにかく、DSを出していて取り上げられた学生がいたというのは残念。筑波で授業をしていて、こういう事に出くわしたのは初めてだったので。

そして、印象に残ったのが、授業の後半、学生に対するメッセージ。

「大学で学ぶことは役に立たない」なんて言う人間になるな!

曰く(ここから先は、石井さんの言葉のによる記憶(意訳含む)ですから、内容に誤りがあったら私の責任です。)
大学で学んだ計算法や手順が、社会に出てからすぐに役に立たない。これは、ある意味、当たり前です。本当に大切なのは、大学で学んだことを使って、これまで、誰も考えたことがないようなものを生み出すことです。例えば(これから線形代数の授業で行列を習うと思いますが)Googleのweb検索技術、あそこには、行列の計算が使われているということです。これを最初に考えた人はすごいと思います。皆さんが、大学で学んだことから、これまで誰も考えたことのないような新しいアイデアを作り出すようなチャレンジをされることを期待しています。
自分も大学1年生のときにこんな授業を受けてみたかった、そんな授業でしたし、今後、自分が同様の授業をする際にも、もっといろいろ工夫してみたいと思いました。

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