今回、第3回の授業は、増岡彰先生による「4色問題」でした。4色問題は、ご存知の方も多いと思いますが、次のような問題です(先生の講義概要より引用)。
地図上の国々を、国境を接する2国が異なる色になるように塗り分けるのに、できるだけ少ない色で済ませたい。3色では不十分なことはすぐに判るが、4色で十分か。というものです。
4色問題については、コンピュータを使って解いたという話を聞いた程度でしたが、今回の授業では、それとは全く別に、結び目の代数的表現を用いる証明が紹介されました。
そのために、授業では、平面グラフを導入し、地図の塗り分けを、グラフの塗り分けに帰着させました。それから、あらかじめ用意したt色で、グラフの塗り分けが可能な異なる方法の個数(t点彩色数)を導入し、グラフの塗り分けの問題をt点彩色数の計算に帰着させて解く方法を紹介しました。そして、与えられたグラフから、ある方法で結び目を生成し、結び目のある代数的表現が、しかるべき性質を満たすことにより、4色に塗り分ける方法が必ず存在する、という証明の道筋が紹介されました。
結び目の話は、ちょうど、前回、石井さんの授業で扱っていたので、親しみ深いものでしたが、4色問題を解くのに結び目を使うというのは全く予想外だったので、驚きました。増岡先生の授業の進め方も丁寧で、各種の概念が段階を追って平易な形で導入されていたので、わかりやすかったと思いますし、議論の進め方も興味深いものでした。
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