今日の講義は、星野光男先生による「正則行列とフロベニウス代数」でした。
今回のお話では、ベクトル空間と、その双対空間が話の舞台になります。ベクトル空間は、定義上、与えられた体(ここではその体をKとします)上で定義しますが、そのベクトル空間から体Kへの線形写像全体を考えると、それらはベクトル空間をなします。これを、もとのベクトル空間に対する双対空間といいます。「与えられたベクトル空間の双対空間」の双対空間は、もとのベクトル空間になります。
さて、「フロベニウス」というのは、ベクトル空間と、その双対空間に関する性質です。詳しくは省略しますが、ベクトル空間からその双対空間へのある写像に対し、もとのベクトル空間と、写った先の双対空間が同じ構造を持つ場合のことをいう、という説明がなされました。 そして、講義の内容が前後しますが、線形代数の授業で最初の目標になる、ジョルダン標準形の存在の証明の中で、(n-1)次以下に「切り詰めた」多項式環 K[t]/(t^n) がフロベニウス代数であるという性質を用いる点を指摘されました。
今回ように抽象的な概念は、説明するのがなかなか難しいと思いますが、簡潔な例題を用いて述べられており、現時点の1年生には、ベクトル空間の双対空間の概念も初めてですので、まだ理解が難しいところもあるかと思いますが、これから線形代数の勉強を進めていく上で参考になるのではないかと思いました。
早いもので、この授業も次回が最終回ですが、楽しみにしたいと思います。
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