2011-05-27

数学特別講義I(第6回):結び目の数学 — 結び目・絡み目のトポロジー入門

今日の講義は、金戸武司先生による「結び目の数学 — 結び目・絡み目のトポロジー入門」でした。

1本のひもで作るものを結び目、それ以上の本数のひもで作るものを絡み目と呼びます。結び目は、絡み目の1本の場合として、絡み目に含めます。

今回のお話は、このような絡み目がいくつかあったときに、交差することなく動かすことで、ある絡み目を別な絡み目と同じ形にすることができるか?ということを考えます。それを、絡み目の「不変量」を用いて調べることが紹介されました。「不変量」は、絡み目を動かして同じ形にできるもの(=同値な絡み目)の間では変わらない量(性質)を表します。

今日は、不変量の中から「3彩色可能性」という性質と「Conway多項式」が取り上げられました。私の知っている範囲では、Conwayは組み合わせゲーム理論や符号理論でいろいろな仕事をしている(ことを知っている程度)わけですが、絡み目の不変量でも名前が出てくるのには驚きました。

で、実際にある絡み目のConway多項式を計算する例題が出されました。最初は計算方法を理解するのがやや複雑なようですが、再帰的により単純な絡み目に帰着させて計算していく手順は興味深く、Conwayの洞察力の深さを思いながら計算を続けていました。

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