2012-06-18

数理科学II(第9回)

今回は、まず、f-reducing polynomial の計算が、ある行列の零空間の計算に帰着されることを示しました。次に、因数分解の計算の流れを示した後、行列の零空間の基底の計算の具体的な方法について説明しました。

行列の零空間の基底の計算では、与えられた行列を、列基本変換を用いて triangular idempotent form と呼ばれる形式に変換し、その行列を L とすると、行列 I-L (I は単位行列)の非ゼロの行ベクトルが零空間の基底になることを、定理で説明しましたが、定理の証明の最後の部分を残して時間となりました。

次回は、今回残った定理の証明を述べた後、因数分解の算法の残りの部分を説明し、有限体上の1変数多項式の因数分解に関する説明を終えたいと思います。

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