2013-04-30

線形代数I(第5回)

今回は、まず内積に関する公式の証明を行いました。教科書の証明をより一般的な状況で考える必要があることが、自分が予習をやっていてわかりました。

引き続いて複素数の説明に入りました。複素数の説明では、複素数の定義を行い、複素平面を考えることにより、複素数と平面ベクトルを対応づけることができることを説明しました。

次回は複素数の後半として、偏角の定義や四則演算を説明し、それから一般の数ベクトル空間を紹介して、行列の定義に進む予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-04-26

線形代数I(第4回)

今日は「任意の平面ベクトルがそれらの線形結合で表されるようなベクトルはどのようなものか?」という疑問から、平面ベクトルの線形独立(1次独立)の概念の導入を行い、ついで平面ベクトルの基底の定義を説明しました。それから、残りの時間で平面ベクトルの内積の定義を行い、内積に関する公式を提示したところで時間となりました。

次回は内積に関する公式の証明を行い、複素数の説明に進む予定です。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-04-24

数理科学IIA(第3回)

今回はまず、アルゴリズムの基本的な事項として、アルゴリズムの要件と記法、制御構造について説明しました。後半では、1変数多項式の四則演算をアルゴリズムの形で書き下すことにし、今回はまず加法のアルゴリズムについて説明しました。

次回は、今回に引き続き、1変数多項式の四則演算のうち、減算からアルゴリズムの形で書き表すことについて説明します。

2013-04-19

線形代数I(第3回)

今日は、まず平面ベクトルの「生成」(「張る」ともいう)という言葉を定義した後、平面ベクトルの幾何的意味づけをするために、平面上の有向線分と平面ベクトルの対応づけについて説明しました。

普段は平面上の矢印をベクトルとして扱っていると思いますが、本来、平面上の有向線分は、図形として平面ベクトルとは関係をもたないものと見ることができますので、それらの対応を定義として与えることにより、平面上の有向線分と平面ベクトルを同じように扱うことができるようになります。これを経て、最後に、平面ベクトルの「生成」の幾何的な意味について説明しました。

次回はベクトルの線形独立の説明から始める予定です。なお、授業中に連絡を忘れてしまいましたが、来週4月23日(火)は学生定期健康診断の時間が重なるために休講にし、次回の授業は1週間後の4月26日(金)に行います。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-04-17

数理科学IIA(第2回)

今日は、多項式演算を考える上での基礎として、まず、多項式環の中での記法や概念の定義に関する説明を行いました。

その後、多項式演算のうち、計算代数特有のものとして「擬除算」の説明を行いました。最後に、擬除算の計算を1題、レポート課題として出題しました。

次回はアルゴリズムの基本的な事項や記法について説明する予定です。

2013-04-16

線形代数I(第2回)

今日から本格的な授業が始まりました。

今日はまず、数学における「定義」や「定理」などの議論の進め方を紹介しました。数学に置ける議論の進め方は、チェスや将棋のようなゲームの分析の進め方と対応づけることができると思います。線形代数といった理論は、ある世界にルールを設定してゲームを行うようなもの、ともとらえることができます。数学における「定義」によってゲームのルールを設定し、「定理」は、ゲームにおけるある盤面(が存在すること)で、定理の証明は、ゲームのスタートからルールに従ってゲームを進め、ある盤面に到達可能であることを示すといった具合です。

次に、これから行う春学期の授業内容について、概要を説明しました。春学期の「線形代数I」では、数ベクトルと行列、連立1次方程式を行列の消去法を使って解く解法、行列式の定義と性質、数ベクトル空間と線形写像、といった内容を説明します。

その後、数ベクトルの定義に入り、ベクトルのスカラー倍や和の演算、線形結合の定義を行いました。

次回は、平面ベクトルの幾何的な意味を説明し、線形独立(1次独立)の概念を説明します。

授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-04-12

線形代数I(第1回)

今年度は、春学期の「線形代数I」(化学類対象)の講義を担当することになりました。内容は、数ベクトル、連立1次方程式の解法、行列式といった内容で、線形写像に入る手前までを扱います。

今年度の2学期制への移行により、時間割がだいぶ変わりました。これまで、線形代数の講義や演習は水曜日に行われることが多かった(近年、一部の学類では水曜日以外に移動もしていた)のですが、今年の講義は、火曜日と金曜日の週2回、毎週2時限ずつ行われます。

今日は、昨年の微積分の講義のときのように、最初の授業でしたのでガイダンスに徹しました。授業の概要、教材、単位などについて説明した後、大学での数学の学び方に関する話をしました。昨年のガイダンスはここまででしたが、今回は、線形代数の成り立ちや応用といった紹介も含めました。

授業で用いる教科書ですが、入荷が遅れており、今日、講義を担当される先生方と急きょ教科書の第1章の範囲をコピーして、履修者に配りました。納期等については、今後の状況を見なければわかりませんが、とりあえず、第1章を勉強している間に入荷することを期待しています。

今年も、昨年の微積分同様、授業のサポートページを作りました。今後の情報はサポートページの方にまとめていく予定です。 https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/la1-2013

2013-04-10

数理科学IIA(第1回)

今日から今年度の大学院の授業が始まりましたが、早速、私の授業も始まりました。

私が担当する大学院の授業は、これまでと内容は同じで、5回目の担当になりますが、授業編成で昨年度からの変更点がいくつかあります。まず、2学期制への移行に伴い、これまでの「数理科学II」が、春学期(前期)の「数理科学IIA」と秋学期(後期)の「数理科学IIB」に分割されました。春学期の「数理科学IIA」を私が担当し、秋学期の「数理科学IIB」を田島慎一先生が担当される構成は昨年度と同じです。次に、この授業は今年度から教育研究科 教科教育専攻 数学教育コースの授業「情報数学概論IIA」を兼ねての開講になりました。

春学期の「数理科学IIA」では、おもに1変数多項式の最大公約式 (GCD) を計算する部分終結式算法を中心に、多項式演算やアルゴリズムの概要について説明します。今日は授業のガイダンスとして、授業内容の説明と、参考書や主な数式処理システムの紹介を行いました。次回から数学の話に入ります。次回は多項式環の基本的事項から説明する予定です。

今年度から教育研究科の授業を兼ねたためか、これまで片手で数えられるくらいだった履修者数が、今日は大幅に増えました。皆さんいずれ履修科目の取捨選択を行うとは思いますが、より多くの人が理解できる授業にしていきたいと思います。

2013-04-01

研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」開催のお知らせ

このたび、関係者の皆さんの協力のもと、私が研究代表者として、標記研究集会を開催することになりました。

詳細は下記の通りです。今回は、特に数式処理と産学連携がメインのトピックですが、従来の研究集会同様、数式処理の理論/実装/応用に関するさまざまな話題も歓迎しますので、ふるってのご応募/ご参加をお待ちしております。

以下、参考資料です。詳細な情報は追ってお知らせします。


このたび、下記の通り研究集会を開催いたします。

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九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 共同利用
研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」

2013年8月21日(水)〜23日(金)
九州大学伊都キャンパス
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●研究集会のあらまし

本研究集会は、これまで毎年夏に京都大学数理解析研究所にて開催されてきた RIMS 共同研究「数式処理研究の新たな発展」のシリーズの一つですが、今年は、九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 (IMI) の共同利用研究として、数式処理研究の産学連携や産業界への応用を特に視野に入れて開催します。
※申請内容の詳細は IMI ホームページにて公表されています。 http://www.imi.kyushu-u.ac.jp/joint_research/detail/20130003

今回は、数式処理の産業への応用研究や、産業界からの数式処理への期待と課題などについて、海外および国内の招待講演者による
チュートリアルセッションを企画します。

一般講演の方は、今年は特に、数式処理研究の産学連携や、産業界における諸問題への応用、応用分野から数式処理に対する問題提起などの発表を歓迎しますが、例年通り、数式処理の理論、実装、応用に関するさまざまな取り組みに関する研究発表(特に、大学院生や若手研究者の方々の応募)も歓迎しますので、ふるってご応募ください。

●主要日程

今回は、講究録を予稿集として発刊し、会議の際に参加者に配布します。
講演者の皆様には、あらかじめ予稿原稿を作成、提出していただきますのでご留意下さい。

詳細アナウンス:4月中旬
講演募集開始:5月初旬
講演申込締切:6月初旬
予稿原稿締切:6月末
会議:8月21日(水)〜23日(金)

●組織委員

照井 章(筑波大学, 研究代表者)
小原 功任(金沢大学)
濱田 龍義(福岡大学)
横山 俊一(九州大学)
穴井 宏和(富士通研究所/九州大学)
横田 博史(東芝インフォメーションシステムズ)

●今後の情報提供について

本研究集会の詳細(応募要領やホームページなど)については、追って皆様にお知らせいたします。
本研究集会に関するお問い合わせや、本研究集会の周知にかかわるご連絡先の追加や変更、削除などのご希望がございましたら、照井までお知らせ下さい。
関連分野の皆様に広くお知らせいただければ幸いです。

照井 章(筑波大学)

p.s. 本状の送付日が4月1日となっておりますが、エイプリルフールではございませんのでご了承ください。

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照井 章 
筑波大学 数理物質系 数学域

2013-03-23

「微積分I (2012)」の再生リストを作りました

ほぼ1年前になりますが、今年度の1学期に担当した「微積分I」講義の録画 (インターネット動画共有サービス YouTube で公開中) について、再生リスト(プレイリスト)をつくりました。

微積分I (2012) / Calculus I (2012)
http://www.youtube.com/playlist?list=PLmf8las6ISTLmu2CQUDLdnNkbqWwSP0eB

これで、各回の授業の録画を一通り見渡せます。なお、講義ノート等は授業のサポートページで公開していますので、適宜ご利用下さい。

微積分I (2012) サポートページ http://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/calculus1-2012

2013-03-18

Risa/Asir Conference 2013 + 第5回六甲博多計算代数会議 一般講演「行列 Horner 法の並列化の実装について」

3月16日から18日まで、神戸大学で行われた研究会「Risa/Asir Conference 2013 + 第5回六甲博多計算代数会議研究会」にて、田島慎一先生(筑波大学)、小原功任先生(金沢大学)と共同で「行列 Horner 法の並列化の実装について」というタイトルで講演を行いました。

これは、田島先生、小原さんと取り組んでいる、行列のスペクトル分解や固有ベクトル計算などの一連の計算のによく現われる計算で「1変数多項式に行列を代入する」計算が、計算機では(行列や多項式のサイズが大きくなると)なかなか大変なので、計算効率を改善しようという取り組みの一つです。

昨夏の研究発表の際は、並列計算の効果がなかなか上がらないという課題がありましたが、昨年の夏休みに金沢大学の小原さんのもとに滞在して実装を改善し、その後も徐々に改良を重ねて今回の結果を出しました。

少し詳細を述べますと、これまでの行列 Horner 法の効率化は、行列どうしの積の算法は古典的算法のまま扱い、行列どうしの乗算の回数を減らすことで全体の計算を効率化させる方針をとっています。それを踏まえて並列化する部分を検討したところ、行列どうしの乗算の部分を並列化することにしました。

並列化の実装には、数式処理システム Risa/Asir 上で、小原さん作の「並列計算フレームワーク oh_p」を用いました。もともと、Risa/Asir では、並列計算基盤の OpenXM を使うことができますが、現時点では基本的な命令しか実装されていません。このため、一般ユーザが使うのにはちょっと敷居が高かったですが、oh_p の登場により、これまでよりもかなりお気楽に並列計算の実装が可能になると思います。

行列 A と B の積を並列化する際には、A の方を何らかの形で分けて B との積をとる計算を、同時にいくつかのプロセスに振り分けます。A の分け方として、1) A を1行ずつ行ベクトルに分ける、2) A をプロセス数と同じ個数のブロックに分ける、の2方法を比較した結果、2) の方がより並列計算の効果が現われることを実験で確かめました。その理由としては、2) の方が並列計算のプロセスの起動回数が少ない分、並列計算に伴うプロセスの起動やプロセス間の通信などの手間が省けるためだろうと推測しています。

以上が講演の概要です。参考までに、講演時のスライドを以下に掲げます。

行列 Horner 法の並列化の実装について (A Parallel Implementation of Horner's Rule for Matrices) by Akira Terui


2013-03-08

今年も計算機数学のセミナー合宿を行います

今年も、筑波大学 数学教室の計算機数学グループ恒例の春のセミナー合宿が、明日3月9日(土)から11日(月)の日程で、筑波大学館山研修所(千葉県館山市)にて開催されます。

この合宿は、私が学部生の頃から毎年行われているもので、そろそろ20年になると思います(私が最初に参加したのは 1994 年でしたが、それより前から行われていたはず)。今年は、久々に学部生がたくさん参加して、にぎやかな合宿になりそうです。

数年前から、セミナーの模様をインターネット動画共有サービスの Ustream で中継しておりますが、今年も実施の予定です。Ustream のチャンネルは http://www.ustream.tv/channel/tateyama2013 です。セミナーは明日3月9日(土)の夕方から始まります。スケジュールは合宿のホームページ http://sites.math.tsukuba.ac.jp/tateyama2013/seminarprogram でご確認下さい。

合宿の情報は Twitter でも配信しています。詳しくは http://sites.math.tsukuba.ac.jp/tateyama2013/twitter をご覧下さい。

2013-02-23

並木 SSH 数学セミナー「あみだくじを作ろう」


今回、茨城県立並木中等教育学校のスーパーサイエンスハイスクール (SSH) 事業の一環として行われた SSH 講座「数学セミナー」にて「あみだくじを作ろう」という題目で講演をしました。

スーパーサイエンスハイスクール (SSH) 」は、文部科学省から指定を受けて、自然科学や工学などの先進的な教育の取り組みや、大学や研究機関と連携した研究、教育活動を行うもので、独立行政法人科学技術振興機構 (JST) から資金援助を得て行うものです。

並木中等教育学校は、茨城県つくば市に位置する県立初の中高一貫校で、もともとは県立並木高校でしたが、5年前に中高一貫教育を始め、来春、1期生が大学受験を迎えるとのことです。そして、SSH は今年度(昨春)から5年間のプロジェクトで指定を受けて活動をしています。SSH 講座は、これまで、宇宙物理や医学などの講演を行ってきたとのことですが、今回は初の数学の講座ということで呼んでいただきました。直接声をかけてくださった齊藤利仁先生は、学生時代、私と同じ研究室で1つ下です。

今回の講演は2件で、最初の講演が、讃岐勝さん(筑波大学 医学医療系/筑波大学附属病院総合臨床教育センター)による「さまざまな曲線の描き方と利用法について—昔の人は曲線をどのように描いたか—」で(讃岐さんも私と同じ研究室の出身で、私が助手の時に大学院生でした)、その後で私が講演しました。そして、最後に、茨城県教育庁指導主事の内桶二郎先生による「最小ネットワーク問題の実験」の実演が行われました。

讃岐さんの講演では、昔の人々が円錐曲線などのさまざまな曲線を描画するのに用いた平面幾何学の性質や、それらの理論に基づいて彼らが作った作図機器などが紹介されました。讃岐さんは、大学院を出て最初に就職した筑波大学の数学教育の部署で、作図法を中心とした数学史の研究にも携わり、「曲線の事典」という、非常に興味深い内容とすばらしい装丁の本も執筆されています。昔の人々が、いかに工夫して器械を作り、コンピュータもない時代に正確で美しい図形を描画していたかを見ると、驚かされます。

それから、戦時中の中学校の数学の教科書でも、平面幾何の性質(円周角と中心角の関係)を用いた器械の動作が取り上げられていたことも紹介されました。これは講演の後でも居合わせた生徒さん達や先生方とも議論になりましたが、たぶん、戦時中でものづくりの技術が重視されたのではないかと推測しました。講演の後では、平面幾何の課題研究をしている中学3年生の生徒さんが讃岐さんといろいろ議論をしていて、その熱心さに私も感心しました。

次の私の講演では、あみだくじと代数学の関係から「スタートとゴールが決まったあみだくじを、最小本数の橋をかけて作る作り方」の話をしました。あみだくじは、代数学の「置換群」として扱うことができ、その理論から、スタートとゴールが与えられたあみだくじを作るのに必要な橋の最小本数がわかります。今回は、この理論の部分は(時間も知識もある程度必要ですので)認めた上で、実際に条件を満たすあみだくじを作るための構成的手順に絞って解説しました。講演の後半では、生徒さん達が眠くならないよう、実際に生徒さん達にもあみだくじを描いてもらいながら作業を進めました。生徒さん達は無事に目的とするあみだくじを作ることができたようで、よかったと思います。

最後の内桶先生による「最小ネットワーク問題」は、たとえば「三角形の3点 A, B, C に位置する学校どうしをネットワークで結ぶのに、距離の合計が最小になるネットワークの結び方はどのようなものになるでしょう?」というものです。この条件をみたす点は「シュタイナー (Steiner) 点」と呼ばれ、いろいろな図形(より一般には「無向グラフ」)のシュタイナー点を求める問題は「シュタイナー問題」と呼ばれているそうです。

さて、先生のお話では、まず三角形の場合に、距離最小のネットワークがどのような形になるか、私達に予想してもらい、では実際に実験で確かめてみましょう、ということになりました。出てきたのは、2枚の透明なプラスチックの板を 10mm くらいの間隔で重ねて、3か所、ネジ止めした自作の器具で、せっけん水に浸してみると、せっけん膜が見事に距離最小のネットワークの形になったのでした。それから、四角形、五角形、六角形の実験が実演され、私達は「すごい!!!」とわくわくしっぱなしでした。

最後に、私の「あみだくじ」の話でも下敷きになった「置換群」の話題で(私の講演では、直接「置換群」という言葉は出しませんでした)、隣り合う互換によって移り合う文字列を結ぶと、美しい図形になることが紹介されました。3文字の置換群 S3(3本の縦線で作るあみだくじに対応する)では正六角形が現われ、4文字の置換群 S4(4本の縦線で作るあみだくじに対応する)では、ちょっと不思議な立体が現われることが紹介されました。

内桶先生の実演は、数学的なアイデアを視覚化するという点で、大変参考になるものでした。昨年紹介しましたが、私のところでは、学園祭の際に、子供達を対象にした科学実験の学生企画が伝統的に行われています。この中で、数学については、小学生のような生徒が、パッと見て内容がわかる、とか、すごいと思う、というような実演をするネタを作るのがなかなか大変だという印象を得ていたので、今回の内桶先生の実演は、ぜひ、数学のおもしろさを伝えたいと思っている大学生にも見てもらいたいようなものでした。

一連の講演の後で、何人かの生徒さん達が質問をしたりして居残っていて、関心の高さに感心しました。彼らの年頃だった頃の自分を振り返ると、それ程質問できるような知識は持ち合わせていなかったけど、おもしろそうだなーと思って、質問する友達のそばで話を聞いていましたが、なつかしい気持ちにもなりました。

並木中等教育学校のスーパーサイエンスハイスクール (SSH) 事業は、今年度から始まったということで、初年度の運営ですから、たぶんほとんどの行事が初めてで、担当の先生方もいろいろご苦労があったことと思います。そのような中で、先生の指導のもとに生徒が課題を設定して研究を行ったり、いろいろな分野で第一線で活躍されている先生方の話を聞いたり、研修で海外に出かけたりと、彼らの年頃だった頃の自分達のことを思い出すと、本当にうらやましくなるような体験だなーと思いました。

先生方に伺ったところ、今日のような講演では、高校生よりも中学生(中等1〜3年生)の方が出席者が多いようで、高校生の人達の参加が少ないのは残念な気もしますが、この事業を続けていく中で、今の中学生の人達が高校生になって、参加者が増えることを期待したいと思います。

というわけで、今日は非常に有意義なひとときを過ごすことができました。今回のセミナーを企画された並木中等教育学校の責任者の齊藤達也先生、お誘い下さった齊藤利仁さんに感謝いたします。

あと、今回の私の講演ネタは、もともとは私が就職したての頃に筑波大学自然学類の「線形代数演習」の授業で作ってきたものです。この過程で、筑波大学数理物質系(数学域)の森田純先生には、転倒数に関する理論の方で助言をいただきました。また、2005年には、SSH 事業で学校訪問に来た高校に対し、自然学類で数学講座を開きました。このとき、私の授業資料をもとにして、筑波大学大学院数理科学科学研究科の修士課程に在学していた山内(現・坂口)歩さんに、実際のあみだくじの作り方に関する講演をしてもらいましたが、今回は、山内さんの講演資料も参考にさせていただきました。あわせて感謝いたします。

最後になりますが、今日の私の講演で使ったスライドを載せておきます。

あみだくじをつくろう (Let's Make an Amidakuji (Ghost Leg Game)!) by Akira Terui


2013-02-21

卒業予備研究セミナー (2013-8)

今日は、前半、Emacs のチュートリアルを使って使い方の実習の続きを行いました。前回と今日で Emacs の方は一通り済みました。チュートリアルはなかなかよくできていて、内容も全体的にわかりやすかったと思います。

後半では、LaTeX に入り、とりあえず、最初のサンプルの文書を作って、PDF ファイルの生成まで行いました。今後、合宿までに、Beamer によるプレゼンテーションの作成を目指して頑張りたいと思います。

微積分演習(生物)(第10回)

今日がこの授業の最終回となりましたが、今日は授業の冒頭でレポート課題を出題し、あとは各自自習という形で、復習や質問、レポート課題への解答を進めてもらいました。

この授業は人数が少ない分、気軽に質問もしてもらって対応することができたと思いますし、お互いにわからないところを教え合ったりできる雰囲気もよかったと思います。そういう意味で、皆さん積極的に授業に参加してくれたのはありがたかったです。

今後は数学に触れる機会も少なくなるかもしれませんが、それぞれの分野でのご活躍をお祈りするとともに、今後、数学で詰まったら声をかけてもらえると嬉しいですし、数学で詰まらなくても、学内などで見かけたら声をかけてもらえると嬉しく思います。というわけで、短い期間でしたが、お疲れさまでした。

2013-02-20

微積分III演習(第9回)

今日はこの授業の最終回でしたが、関数の極限や連続性に関する問題と、無限級数の収束性判定に関する問題を発表してもらいました。学期末の成績評価は、期末試験に代わるレポート課題を出しました。

今年度も、微積分III演習の化学類と地球学類の混成クラスは、小数精鋭でしたが、先日に比べると今日は若干出席者が増加しており、0に収束しなくてよかったと思います(笑)。これは冗談ですが、少人数ながら、出席者は皆さん積極的に授業に参加し、議論も深まったのがよかったと思います。今後、このクラスの中で数学を続ける人は少ないと思いますが、この授業で行われた考え方や議論の進め方が、教養の一つとして皆さんに伝われば嬉しく思いますし、もし、これらが今後の皆さんの人生の上で活かされる場面があれば、さらに嬉しく思います。

というわけで、皆さんの今学期の期末試験のご健闘と、今後のご活躍をお祈りします。

2013-02-19

計算機演習(第9回)

今日は、先週第8回のレポートの締切日ということで、出席自由のオフィスアワーとしました。

今日の出席者数はちゃんと数えていませんのではっきりとはわかりませんが、授業場所の端末室にある 80 台の端末はほとんどが埋まっていました。いろいろ仕事をしている人達がいたようです。この授業の履修者の人達も、活発に質疑応答や議論をしながらレポートに取り組んでいました。

余談ですが、来月にシステムの入れ換えがあり、現在使っている端末は間もなくその使命を終えます。今のシステムは、サテライト端末で初めて全学統一の管理のもとに運用されたシステムでした。(それ以前は、自然学類(2007年の学群・学類再編の後は自然系の学類)で独自に管理していました。)4年間、この授業を含むたくさんのユーザを支えてきたシステムに感謝したいと思います。

2013-02-14

微積分演習(生物)(第9回)

今日の授業は、今週も水曜日の講義でレポート課題が出たとのことで、まずはレポート課題に出た2次形式の計算問題について、定義や解法の方針を確認しました。その後、定積分の変数変換に関する計算問題を発表してもらいました。

早いもので、この授業も来週が最後になりますが、各自頑張って演習問題に取り組んでもらいたいと思います。

2013-02-13

微積分III演習(第8回)

今日は、主に関数の極限に関する問題を扱いました。

ε-δ 論法による証明の手順は共通していますが、個々の問題によって、関数の評価の際にいろいろと工夫することになります。それらのステップを順を追って理解しながら証明を進めるという部分も大切だと思いますので、各自、自分で納得がいくまで考えることを望みます。

この授業も、残すところあと1回となりました。来週は、関数の極限に加えて、関数の一様連続と、級数に関する演習問題を扱います。

2013-02-12

計算機演習(第8回)

今日は、この授業の最終回ということで、フラクタル図形の描画を扱いました。

一方、前回の「金融計算」の回のレポート課題は今日が締切ということで、今日の授業時間中もも活発に議論しながらレポート課題に取り組んでいるようでした。前回、今回と、難易度がやや高い課題が続きますが、私達をうーんとうならせるような(よい意味で)レポートの提出に期待します。

今学期のこの授業では、数式処理システムに触れる機会になりました。今春から始まる3年次の「計算機数学I」では、理論的もしくは実際的な計算を視野に入れた数学の基本となる理論や方法に触れることになると思います。さらに、3年次後半の「卒業予備研究」と4年次の「卒業研究」では、私も担当する可能性がありますが、その際には、今回使った Mathematica の基盤になっている、計算代数や数式処理の理論について学ぶコースも用意すると思いますので、興味のある人にはぜひ、数式処理システムにも触れながら、この分野の勉強も続けてもらえればと思います。

それから、これはクラス担任としてのコメントですが、今回の履修者の多くは、おととし春に入学した数学類の人達で、早いもので入学からもうすぐ2年、大学生活の折り返し点にさしかかっています。大学生活後半の2年間も、皆さんにとって実り多いものになることを望みます。