2010-12-16

数学特別演習:第9回の感想から

数学特別演習の授業では、毎回、学生さんに感想を書いてもらっていますが、今日は、その中からいくつか、印象に残ったものを紹介したいと思います。(なお、ここでは著者は匿名にし、文面は内容に合わせて一部改変している箇所があります。また、引用文中の太字は私によるものです。)

次数が奇数のノードに対して「操業橋渡し運行」を使ったり、なるべく計算回数が少なくてすむように、O(n!) ではなく O(nk) の計算量を目指す、など、今回の授業は数学的な工夫、テクニックに関する内容が多く、楽しみながら授業を聴くことができた。
現実の世界で数学の力が活かされるのは、高度な理論はもちろんですが、今回のような「ちょっとした工夫」もたくさん活かされていますし、これらも高度な理論に劣らず重要だと思います。そして、こうした「ちょっとした工夫」ができることを見抜くためには、数学をきちんと勉強して理解し、数学的な問題解決法を身につけてこそ可能になると思います。

今日の授業で良いことを知った。何か作業をする前に、その作業がどの程度大変なのかをしっかり確認しておくことが大切だということだ。これは確かにこれまでも無意識のうちにやっていたことだが、数式にすると大変かどうかがよりはっきりする。また、今回の内容は割と具体的だったので面白かった。
今回の授業の中で「計算を始める前に、計算量解析を行い、あらかじめ効率がよりよい手段を選ぼう」という趣旨の話をしました。まず、事前に仕事量を見積もるという点、そして、数式で具体的に仕事量を比較するという点をつかんでくれたのは、よかったのではないかと思います。

関係ないことだが、レナ(この本の主人公の女子高生)の水泳のタイムは、高校生にしては速いと思う。(本文では、100m自由形で1分3秒5だが、本人の自己ベストはもっと速いと言っている)
なるほど、こういう着眼もありましたか。本書では、レナは友達とスイミングスクールに通っていて、400mメドレーリレーを友達と4人で組む時に、誰がどの種目を泳げばベストタイムになるか?という、組み合わせの問題の一種を考える場面があるのですが、水泳のタイムに着目するのは、おもしろいと思います。この本はもともとドイツで(ドイツ語で)出版された本ですが、水泳のタイムに関して、本国ではどんな反応があったのか、興味深いところです。

以上のような感じで、読み進めています。

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