2010-05-21

数学特別講義I(第6回)

今回の授業は、木村健一郎先生による「ゼータ関数の話」でした。

「リーマン予想」は、19世紀のドイツの数学者リーマンによって提唱された予想で、現代の数学で最も重要な未解決問題の一つとされています。今回の講義では、リーマンが定義した「ゼータ関数」の紹介に引き続き、ゼータ関数の零点に関するリーマン予想が紹介されました。

リーマンのゼータ関数は、無限級数の形で表されており、もともとはある条件を満たす実数に対して定義される(無限級数が収束する)ものですが、これを、複素数全体に拡張することができます。解析接続を用いた拡張の細かい手順は、学部1年生の段階での予備知識では詳しく追うのは難しいところですが、今回の授業では、難しい部分はある程度省きつつ、理論のあらすじが比較的わかりやすい形で展開されていたと思います。

その後、ゼータ関数の零点について、自明な零点の説明があり、引き続いて、自明でない零点の実部が1/2に限られるという、リーマン予想の紹介がありました。

授業はここで時間となりました。リーマン予想の数学の中での位置づけや、数学の他のさまざまな問題のかかわり等について、もう少し聞いてみたかった気もしますが、リーマン予想がどういう問題であるかということを知る上では、非常によくまとまった授業だったと思います。

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