2011-06-01

iPad 講習会

今日、大学の学術情報メディアセンター(以下「センター」と書きます)が教員向けに開催する「iPad 講習会」に参加してきました。

今回の講習会は、センターがアップルジャパンに依頼して行われたものです。大学では、最近、アップルジャパンと連携して、大学の学生や教職員の個人購入の割引制度や、各種のセミナー、トレーニング等を行っているようですが、そのような中で、今回は、iPad を教員向けに宣伝する企画の一環として実施されたようです。

もともとは、3月に行われる予定で、教員向けに連絡がありましたが、震災の発生により、当然かと思いますが、延期され、今回の実施に至ったものです。講習会は今日の午前と午後の2回に実施され、各回定員30名で、応募者多数の場合は抽選で、という条件で募集されました。受講者には、iPad 本体が貸し出されて実際に操作可能で、すでに自分で持っている人は持ち込みも可能、というものでした。

講習会は、最初に、センターの人の説明で、各自の iPad を学内無線LANに接続する作業を行いましたが、ここが結構やっかいなステップでした。学内の無線LAN接続から学外へアクセスするには

  1. 学内無線LAN接続の認証
  2. 学外へのネットワーク接続の認証
の2段階の認証が必要です。慣れればそれ程困難でもありませんが、最初は面倒かもしれません。

さて、LAN接続が無事すんだところで、アップルの人の説明となりました。前半では、iPad の概要と特徴の説明が行われ、後半では、iTunes に接続してアプリケーションやデータを転送する実演を見てから、各自いろいろ操作するセッションになりました。

iTunes との接続の段階では、結構質問が出ましたので、受講者の関心が高かった情報をまとめます。

  • iPadは何台のパソコンで管理できるの?すでに iPod を持っていても大丈夫?
    iPadを管理できる(母艦になれる)パソコンは1台のみです。これに対し、1台のパソコンは、iPad, iPod, iPhone を何台でも管理できます。
  • iPad をパソコンにつないで、何を管理するの?
    大きく分けて、2つです。
    • iPad のアプリケーション。
    • iPad のアプリケーションで扱う、文書や音楽や画像などのデータ。
  • iPadのアプリケーション(以下、「iPadアプリ」と略)はどうやって入手できるの?
    以下の2つの方法があります。
    • iPadの本体で直接App Storeにアクセスしてダウンロード/購入する。
    • 母艦(パソコン)のiTunesでダウンロード/購入を行い、iPadに転送する。
  • 母艦(パソコン)を買い替えたら、有料のiPadアプリの使用権はどうなるの?
    今使っているiTunesでのiPadアプリの認証(使用権)を解除して、データを新しいパソコンへコピーし、新しい母艦(パソコン)のiTunesでiPadアプリの認証を再設定することにより、使用権の移動が可能です。
    なお、iTunes Storeで購入したiPadアプリや音楽は、最大5台の異なるパソコンで利用することが可能です。
  • iPadアプリやデータがいっぱい(iPadに入りきらない程)になったらどうすればいいの?
    母艦(パソコン)のiTunesで、iPadに転送するものと、母艦のみに残しておくものを取捨選択することが可能です。

他にもいくつか質問が出ましたが、こんな感じで、けっこうな時間、説明が続き、最後の実際の操作の時間は20分くらいでした。

今回のデモ機は、初代iPad, 16GB でしたが、ソフトウェアは有料版のものも結構入っていました。個人的には、今回、iPadが、論文の束を持って歩く代わりの選択肢になり得るかを見ようと思い、あらかじめ、ファイル共有サービスの Dropbox に、論文のコレクションや、自分の講義ノートをスキャンしたPDFを入れておきました。それから、今回のデモ機に、プレゼンテーションソフトの Keynote が入っているのを知り、先日の講義で使ったプレゼンテーションのファイルも急いで Dropbox に追加しました。

結局、お試し時間はちょっと足りませんでしたが、クラウド型メモ帳的記録サービスの Evernote、PDF等の閲覧ソフトの GoodReader、プレゼンテーションソフトの Keynote、科学文献管理ソフトの Papers for iPad を試すことができ、どれもなかなかの手応えでした。論文などのPDFファイルは、指でめくるような操作「スワイプ」や、親指と人差し指をニューッと広げて(ピンチ)拡大する操作など、直感的な操作が便利に感じました。あとは、論文への書き込みをどうするかが(自分が使う上での)課題だと思いました。

それから、デジタルフォトフレームとしても使うことができるとか、ちょっと気の利いた機能もなるほどと思いました。

私自身は、まだiPadを持っていません。個人的には、昨年、iPadが発表されたとき、もちろん興味がわきました。しかし、自分は、この業界の仕事人として、こういうものを使う(使われる)前に、まだ自分で作るべきものがあるのではないか、と思いました。「作るべきもの」が、必ずしもiPadアプリを指すわけではありませんが、自分も何かしら、動くものをもっと作らなきゃ、と思ったわけです。今回、実際にiPadを操作してみて、いろいろ便利な機能は魅力的でしたが、この辺のところをもう少し考えたいと思います。

それから、最後に番外編ですが、アップルの方のプレゼンテーションはやはり素晴らしいものでした。講習会が終わってから、デモンストレーターの方にお話を伺いましたが、社内にはやはりこういったプレゼンテーションの基準がいろいろあり、ダメ出しなどもされることもあるそうです。それから、スライドのデザインについては、プレゼンのデザインを手掛ける専門部隊があるのだそうです。

例として、講習会でのスライドの1枚を見せていただきました。黒い背景に、往年の名機、Apple II が浮かんでいるスライドです。デモンストレーターの方の構成では、Apple II 本体の画像の切り出しが「ちょっときたないんですよね〜」と説明されましたが、デザイン部隊の手にかかると、画像の切り出しがきれいになっているだけでなく、ガラス台の上に置いたような反射まで加わるといった具合で、思わず「へ〜」とうなってしまいました。社内では、プレゼンが得意な人、デザインな得意な人、といったように、それぞれの得意分野を活かしたチームの合同作業で、1つの作品を作り上げる、という工程を垣間見ることができ、大変興味深い機会になりました。

あと、これが本当に最後になりますが、デモンストレーターの方が見せて下さった、Macのデスクトップをそのまま投影するプレゼンで使える画面操作のtipsをいくつか。

  • マウスカーソルを大きくすると見やすい。「システム環境設定」の「ユニバーサルアクセス」で、マウスカーソルの大きさを調整できます。
  • マウスカーソル周辺の画面を拡大する。Control キーを押しながら、トラックパッドを指1本で上から下になぞってスクロールの操作をします。後で自分のMac(マルチタッチになる前の古い機種)で試してみましたが、うまくいかなかったので、マルチタッチ対応の機種限定かもしれません。
  • ウインドウの左上の黄色い丸印をクリックすると、ウインドウがニューッと、画面下のDockに吸い込まれますが、これを、Shift キーを押しながら黄色い丸印をクリックすると、ゆっくり、ニューーーーーーッと吸い込まれます。Dockから起こす時も、Shiftキーを押すと、アニメーションがゆっくりになります。視覚的なインパクトは結構あって、デモンストレーターの方の話によると、学生相手のプレゼンではこの技がかなりウケるそうです。

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