これ以降、この授業では、数を正確なものとして扱いますが、今回は、整数の桁数が大きな場合に扱う「多倍長整数」の表現と演算(加算)について説明しました。
次回は、計算量について説明したのち、多倍長整数の加算にかかる計算量を評価します。
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お気楽さんすう屋さんateruiの小技とお知らせのまとめです。
"easy arithmetician" aterui's spot for tips and announcements.
これ以降、この授業では、数を正確なものとして扱いますが、今回は、整数の桁数が大きな場合に扱う「多倍長整数」の表現と演算(加算)について説明しました。
次回は、計算量について説明したのち、多倍長整数の加算にかかる計算量を評価します。
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今回は、前回のMathematicaの使い始めの続きで、連立方程式の解法、グラフィクスのオプション、アニメーションを扱いました。
次回の授業は連休をはさんでの実施になりますが、線形代数の内容を扱う予定です。
今回の授業では、グラフの連結性、隣接、部分グラフの概念を扱いました。どのテーマにおいても、教科書の例題から、より一般的な例について、教室内で議論されていたと思います。
次回は、グラフの行列による表現法から、さまざまなグラフの例に進みます。
今回は、整数の表現として、符号なし整数と、2の補数を用いた符号つき整数について説明しました。そして、引き続いて浮動小数の概要を説明しました。IEEE浮動小数点規格や、浮動小数演算に伴う誤差などの詳細については今回は省きましたが、興味のある人は昨年の授業内容を参考にしていただければと思います。
次回は多倍長整数の説明に進みます。
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今回から、端末を使った本格的な授業が始まりました。
といっても、今回はほとんどが実習のガイダンスとなりました。e-learningシステムmanabaへのログイン、Mathematicaの起動、レポートの課題ファイルのダウンロード、レポートの作り方と提出手順などを説明しました。いろいろ細かく説明したところ、ガイダンスのみで授業時間がほぼなくなりました。
今年は、次回のテキストを早めに公開し、授業前に予習を促すことにしましたが、1回目がほぼガイダンスで終わったので、次回の予習はどの程度進んでいるでしょうか。注意深く様子を見たいと思います。
今回の授業は、第1章の「入門」で、グラフとは何かという話から始まりました。第1章は、主にテキストの各章で扱う内容の紹介でしたが、参加者からは、テキストの図で取り上げたグラフの趣旨は何かといった質問が出ました。また、グラフの「連結性」が紹介された際には、1点のみからなるグラフは連結か?といった質問も出ました。
次の第2章では、グラフに出てくる主要な概念の定義と、グラフの例が示されています。今回は時間の都合で、グラフの「同形」の概念で終わりました。次回は、グラフの「連結性」の概念から進みます。
今年も、昨年に引き続き、数学類の専門科目「計算機数学I」を担当することになりました。
この授業では、主に代数計算、特にEuclidの互除法を軸にしながら、構成的な計算について説明します。授業では、アルゴリズム、データの表現、計算量の議論もしながら進めていきます。
今年も、授業のガイダンスの後、準備として、コンピュータの基本構成を説明しました。昨年に引き続き、タワー型のパソコンのケースを開けて中の部品の説明をする一方で、DVDドライブ、フロッピーディスク、MOディスクや、ハードディスクを解体した中身の紹介も行いました。その後、メモリの配置(メモリマップ)と計算機の「ワード」について説明しました。
今年も、毎回の講義ノートをwebの授業サポートページに掲載するとともに、講義の模様を録画して公開していきたいと思います。次回は、計算機による数値の表現に進みたいと思います。
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今年度も、数学類2年次春学期の「計算機演習」を担当することになりました。今年度も、授業の前半、数式処理システムMathematicaの実習を担当します。
今回は、授業のガイダンスということで、ティーチング ・アシスタント (TA) の人達にも集まってもらい、授業の概要を説明しました。履修者は数学類がほとんどで、人数は40人ちょっとといった感じです。次回から本格的な授業が始まります。
今年度の春学期に、教育研究科の数学教育コースにて「数学セミナーA」という授業を担当します。
この授業は、数学のセミナー(輪講)を行う授業です。輪講とは、教科書として数学の本を選び、毎回、事前に当番を決めて、当番が本の内容を予習し、授業時間にその内容を説明するというもので、交代で授業を行うようなものです。通常の数学の講義や演習と異なる点は、話題は講義のように順を追って進みますが、質疑応答のような、講師と参加者の対話の要素が増える点では演習に近いものがあります。「セミナー」は、数学の勉強を行う際によく取る形態の一つで、数学では、大学院生以上になると、セミナーは、新しい本の勉強の他、先生と学生や、研究グループ内で、研究の進捗状況や研究の新しいアイデアや研究成果の検討など、普段の研究のコミュニケーションの主要な要素になります。
教育研究科には、学部においていくつかの異なる分野出身の人達が一緒になります。数学の場合は、数学科等、理学系の学科出身の学生がいる一方で、教育学部の数学教育などの学科出身の学生もいます。数学科の場合は、卒業研究などで、セミナーを経験することがほとんどだと思いますが、出身学科や分野によって、数学のセミナー経験がない場合がありますので、そのような経験の差を埋め、学生に一定の数学の能力を確保しようということで、数年前から、数学教育コースの修士1年生に対し、春学期に「数学セミナーA」、秋学期に「数学セミナーB」という授業を行っていると聞いています。
今回、私の授業では「グラフ理論」を取り上げることにしました。理由はいくつかあります。1つめは、前提となる数学の予備知識が少なくて済むこと。2つめは、最初の段階は単純な理論から始まりますが、理解には数学的な思考が必要であり、そのような練習に適していること。3つめは、本学数学類においては取り上げられる機会の少ない分野であり、内部進学者と、学外から入学した人との既習の予備知識の差が比較的少なく、ほとんどの人が同じスタートラインから学習を始められると判断したこと、などです。
テキストには、R.J.ウィルソンの「グラフ理論入門」(西関隆夫, 西関裕子 訳, 近代科学社, 2001)を選びました。入門書として定評があり、本の厚さも比較的薄く、値段も比較的安く、本の書き方も平易で取り組みやすそうに思えます。
授業の運営は、基本的に学生に任せることにします。毎回、2人の人がレポーターとして説明を行います。彼ら/彼女らは、次の回で座長を務め、授業を進めます。それから、毎回の授業で、レポーターの補欠を2人決めておきます。そして、役割の順番は、1週目に補欠、2週目にレポーター、3週目に座長を務めることになります。今回は、私の方で座長2人を選び(偶然というか、成り行きというか、昨年度、卒業研究を指導した2人になりましたが)、彼らに、次回のレポーターと補欠を選ぶための相談を進めてもらいました。次回から、数学教育コースの13人の新入生達と、授業を進めていきます。
東日本大震災から5年になります。この機会に、当時の私の仕事場と周辺の様子を写真とともに振り返ってみたいと思います。
地震発生の瞬間、私は、研究グループの合宿を1週間後に控え、合宿の最終案内のメールを書いていました。揺れを感じてオフィスの入口まで行きましたが、揺れはそれ程大きくなかったので、再び自分の机の前に戻りました。しかし、揺れは大きくはないものの、収まる気配がないことを不審に思い、「念のため」机の下に身を隠しました(結果的にこの動作は正解でした)。
その直後、大きな揺れが始まりました。ブラインドが窓に当たってガンガン鳴り、電気も止まって照明も切れ、室内が暗くなりました。自分の身が倒れないように膝を必死で抱えていました。ふっと机の外に目をやると、1回の揺れで書棚から本が水平に飛び出し、次の揺れで書棚が倒れてきました。見るものすべてに驚くのが精一杯で、恐怖を感じる余裕すらありませんでした。
ずいぶん長く感じられた揺れが収まり、この瞬間を記録しようと、まず自分が身を隠した机の下から、冒頭の写真を取りました。ところが、いざ机の外へ出ようと思ったら、椅子がつかえて外へ出られません。閉じこめられるのではないかと焦りました。無理にもがいても仕方がないので、1分間だけ脱出を試みて、それで出られなければ救助を待つことにして、もがいてみたら、間もなく椅子を押しのけて脱出できました。
廊下に出てみると、同じフロアにいた同僚の方は2,3人でした。隣のセミナー室の廊下に重ねてあった会議用の折りたたみテーブルの山が、見事に崩れて廊下をふさいでいました。私のオフィスのすぐ隣に階段がありますが、下のフロアには化学系の実験室もあり、万一化学薬品の漏出や爆発などが起こっていたりしたら危険ですから、建物の端にある非常階段に行きました。下を見下ろすと、道路(平塚通り)を隔てた大学会館の外にも人が集まっていました。
非常階段を降りて、とりあえず松美池のほとりに出ました。たぶん、学系棟や学群棟にいたと思われる人達が集まっていました。
避難中の15時15分頃には大きな余震がありました。立っているのが困難で座り込む人もいました。
避難して最も不安だったのは、この地震がどのような災害なのかということと、家族は元気かということでした。家族に携帯電話のメールを送ってもなかなかつながりませんでした。そのとき、知り合いの大学院生の人が持っているタブレット端末で、radikoでラジオのニュースを聴き、災害の様子がわかってきました。このとき、情報がいかに大切かということと、このような非常時には原始的な通信手段が最後まで生き残ることを、身をもって知りました。以来、携帯型ラジオをほぼ常に持ち歩いています。
その後、支援室の事務の方が池の前の「大気」の像のところにラジカセを置き、NHKのラジオのニュースを流し始めました。
そうしているうちに、数学以外の専攻では、どうやらスタッフが集まってミーティングが開かれているようでした。一方、数学の関係者は、先生方も学生の人達も、特に会議を開くこともなく、大気の像の周辺にとどまっていました。見たところ、皆さん無事の様子だったのは幸いでした。
私は岩手の出身で、小学校の頃から地震は日常茶飯事、学校の授業や日本海中部地震といった実際の地震などでも地震や津波の怖さを学んでいました。よって、ラジオのニュースを聴いた段階で、地震の大きさからして、きっと、津波など、大きな災害になるだろうと想像しましたが、そのうちに同僚の方が携帯電話のワンセグでニュースを見せてくれました。東北の太平洋岸に押し寄せる津波の映像に目を見張りました。その間にも松美池のほとりにはたくさんの人達がいました。
夕方4時を回り、そろそろ今日は解散ということになりました。学系棟も危険かもしれないので、グループで非常階段を上って建物に入りました。7階の数学域図書室の書庫を廊下から覗いたところ、書架には本がほとんど残っていませんでした。図書室の事務の方がオフィスにお財布を置いているというので、図書室のドアを開けたところ、カード目録を収めたラックがひっくり返っていました。やむを得ず、倒れたラックの上を歩いてお財布を取りに行きました。
それから、何人かの人達と自分のオフィスに向かいました。廊下は水浸しで、消火栓の扉が開いてホースが飛び出していました。後からわかりましたが、水浸しの理由は、消火栓ではなく、天井裏の水道管が切れたことによるものでした。
自分の仕事場に戻ってみると、もともと散らかってはいましたが(笑)、落ちた本で床が見えなくなっていました。その後、しばらくの間、復旧とリニューアル、耐震改修工事が最近まで続きます。
この後、いろいろなことがありました。震災直後にクラス担任として迎えた新入生も昨年春に卒業し、今では大学院生になった何人かの人達と交流が続いています。それから、入学時にその新入生を指導してくれたクラスリーダーの2人は、その後、私のところで東ロボで修士論文を書いてこの春卒業というのも、何かのご縁なのでしょう。これまでのことを記憶にとどめて、これから前へ進んでいきたいと思います。
このたび、母校の小学校で講演を行いました。母校は今年創立50周年を迎え、これから秋にかけて記念行事が続きますが、その一環として、卒業を控えた6年生を対象にした総合学習の講演の一つとして行ったものです。今回、小学校のPTA会長で、小学校と中学校のときの同級生の伊藤達也さんのお招きで講演を行いました。
講演のタイトルは「数学で世界に挑む」というもので、私が専門にしている数学の話を中心に、前半では「世界に挑む」テーマの紹介、後半では「数学」の世界の紹介を行いました。
講演の前半の「世界に挑む」テーマでは、私が今年度、大学院生とともに参加した人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の紹介を行い、プロジェクトの概要や、筑波チームの学生達の貢献、今後の課題などについて説明しました。
学生達の活躍の説明では、東ロボ君の活躍に貢献した学生がゲーム好きであること、しかし、彼を見ていて感心したこととして、ゲームに熱中するのと同じくらい数学やプログラミングにも熱中していたことを挙げ、生徒の皆さんにも、ゲームと同じくらい熱中できる何かを見つけてほしいことと、何かを自分で作ることに熱中できたら幸せ、ということを話しました。
模試の世界史の記述式の問題においては、現在の東ロボ君は教科書から関連のある文章を集めて組み立てているレベルで、答案の作文としてはまだ改善の余地があるそうですが、それでも、受験生の平均点は上回ったのだそうです。今回はこの事実に触れ、自分の頭で考えることが大切、ということを指摘しました。
講演の後半では、「数学」の世界の一例として「あみだくじ」を作る話題に触れました。「あみだくじ」は過去にも高校の講演で取り上げていますが、小学生相手の講演は初めてです。今回は、数学の理論は抜きにして、あみだくじをつくる手順を中心に説明しました。最初に、スタートとゴールを指定した上で、あみだくじを各自の手順で作ってもらいましたが、5分の制限時間で多くの生 徒さん達が正しいあみだくじを作ったことに驚きました。それから、あみだくじの作り方の手順を説明して作ってもらいましたが、生徒の皆さんはよく理解しているようで、全員が無事あみだくじを完成させたようでした。
最後に、私からのメッセージとして、広い視野を持ち、自分が夢中になれることを見つけてくださいということを述べ、講演を終えました。
今回、私を講演に呼んでくださった伊藤君は、地元の金属機械工作メーカーの社長さんとして生産と技術開発に取り組む一方、地元の産業を活性化させるべく、地元の若手経営者を率いて精力的に活動されています。今回は、将来を担う地元の後輩達のためにということでこのような話をさせていただき、大変嬉しく思います。これから中学校に進学し、未来にはばたく皆さんの活躍を願っております。
今回はこの授業の最終回でしたが、重積分の変数変換の例題で、前回の授業で紹介しきれなかったものとして、極形式で表される曲線が囲む部分の面積の計算を取り上げました。その後、広義積分の例題として、積分領域が非有界の例と、与えられた積分領域で非積分関数が非有界の例を取り上げました。
以上で秋学期の授業時間が終わりましたが、曲面積の計算は残してしまいました。授業全体では基本的な計算を中心に解説したつもりですが、各自必要に応じて役立てていただければと思いますし、今後微積分を使わない人にも、数学の理論の組み立てや応用の一面を知っていただければと思います。今後の皆さんのご活躍をお祈りします。
授業サポートページ:https://www.math.tsukuba.ac.jp/~terui/calculus2-2015
今回は、前半で、重積分の変数変換の計算例について説明しました。代表的な変数変換として、極座標変換とアフィン変換による例題を説明しました。
後半では広義積分を導入しました。今回は理論的な部分で終わりましたので、次回に計算例を扱いたいと思います。この授業もあと1回です。
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今回は、重積分の変数変換について説明しました。今日は主に理論的な部分で、変数変換の前後における微小領域の変化率を表すヤコビアンの導出を中心に説明しました。
次回は重積分の変数変換の例題を紹介したのち、広義積分に進みたいと思います。
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今回は、累次積分について説明し、授業のおしまいの方で、重積分の基本的性質に触れました。今回の説明で、実際の重積分の計算が可能になると思います。
重積分の基本的性質のうち、一部は時間内に説明が終わりませんでしたので、それらについては次回の授業の際に説明したいと思います。次回授業では、その後、重積分の変数変換の話題に進みたいと思います。
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今回は、前回の重積分の定義の続きで、2次元Euclid空間内の一般の有界集合における面積の測り方として「ジョルダン (Jordan) 測度」を導入し、積分可能性の十分条件について説明しました。
今回は担当教員の都合により、授業時間は前半の4限のみで終了しました。次回は年明けですが、重積分の基本的な性質について説明した後、累次積分に進みたいと思います。
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今回から、授業内容は重積分に入りました。
今回は、重積分(多変数の実数値関数のリーマン積分)の定義を説明しました。まず、有界閉区間上の積分を定義し、次に、2次元Euclid空間内の一般の有界集合上の積分を定義しました。そして、一般の有界集合上の積分が定義できるかどうかは、その集合の面積が確定するかどうかに依存することを紹介しました。
次回は、今回の続きで、2次元Euclid空間内の一般の有界集合において面積が確定することの定義に触れます。その後、実際の重積分の計算に用いられる「累次積分」について説明したいと思います。
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今回は、Lagrangeの未定乗数法の説明を行いました。
授業の前半では、条件つき極値問題とLagrangeの未定乗数法の定理について説明しました。後半では、Lagrangeの未定乗数法を用いた条件つき極値問題の解法の例題を説明した後、Lagrangeの未定乗数法に登場する連立方程式の導出を紹介しました。
多変数(主に2変数)関数の偏微分の話題は今回までで、次回から重積分に入ります。
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今回は、前半で陰関数定理を説明し、後半では、陰関数定理を用いて、陰関数で表される曲線の接線の計算を行いました。
Lagrangeの未定乗数法には進めませんでしたので、次回の授業で扱いたいと思います。来週は推薦入試、再来週は出張のため、次回の授業は12月11日の予定です。
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今回は、2変数関数の極値について、Taylorの定理からの導出の要領を説明しました。
例題については、授業時間の最後の方で説明を試みましたが、時間不足で終わりませんでしたので、演習等で適宜復習されることを望みます。
次回は、陰関数定理とLagrangeの未定乗数法を説明する予定です。
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今回は、前半で、多変数関数の高次偏導関数について説明しました。後半では、2変数関数のTaylorの定理を紹介し、その応用として、2変数関数の2次近似の導出を行いました。
次回は、Taylorの定理の2つ目の応用として、2変数関数の極値の計算について説明する予定です。なお、来週は学園祭前の休業のため、次回の授業は再来週になります。
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今回は、前半で全微分の性質について述べました。後半では、全微分の関連事項として接平面について述べたのち、合成関数の微分を説明しました。
次回は高次偏導関数の説明から入る予定です。
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今回の授業では、前半で多変数関数の連続性について説明しました。後半では、多変数関数の偏微分、および全微分の定義まで説明しました。
次回は、全微分の性質と接平面の話題に触れたのち、合成関数の微分に進む予定です。
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今回の微積分の前半では、前回に引き続き、集合の閉包と有界の概念について説明し、ついで、点列の収束と極限について説明しました。後半では、多変数関数の用語と極限について説明しました。
次回は、多変数関数の連続性から説明を行う予定です。
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2015年度の秋学期は、微積分II(地球学類対象)の講義を担当することになりました。
微積分IIでは、多変数の微積分を扱います。今日は初回で、授業のガイダンスに引き続いて、n次元ユークリッド空間の点とその集合、距離、内点、外点、境界点、開集合、閉集合といった概念について説明しました。これから1月末まで、毎週1回(2時限続き)、15回の講義が続きます。
例によって、授業のサポートページを作り、講義ノートなどの資料を載せます。あと、講義の模様をビデオ収録し、こちらも公開します。お楽しみに。
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今回は、授業の最終回でしたが、中国剰余定理を紹介し、ついで、定理に現われる連立線形合同式の解を拡張Eucild互除法を用いて解く解法について説明しました。
これで一連の講義が終わりましたが、今年は、講義を初めて担当したこともあり、講義内容にやや偏りが生じたのは反省点だったと思います。多倍長数の演算に時間をかけ過ぎてしまい、他のトピックに割り当てる時間が足りなくなりました。もし次回担当する機会がありましたら、多倍長数の演算の時間を短縮し、数論に関する話題を追加してみたいと思います(その際、多倍長数に関するより詳しい解説を聞きたい場合は、今年の講義の録画が役に立つことでしょう)。
反省点はありますが、今回の講義で、現実に計算を行うための数学の知識や方法論に対する理解が深まれば幸いです。また、皆さんの中には、中学校や高校で教職に就く人もいるかもしれませんが、これから数学を学ぶ生徒さん達にも、折に触れて、こういった、数学の一つの姿を伝えていってもらえればと思います。
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今回は、拡張Euclid互除法の応用の一つとして「法逆元計算」を取り上げました。これは、剰余環のある元が単元である(=乗法の逆元をもつ)際に、その逆元を計算する方法で、拡張Euclid互除法で計算する余因子が求める逆元となります。今回は、その性質を述べた定理と、計算例として、素数を法とする整数の剰余環(体)、および、有理数体に既約な1変数代数方程式の根を添加した拡大体において、逆元の計算を行いました。
この授業も次回が最終回ですが、次回は中国剰余定理と、拡張Euclid互除法を用いた中国剰余算法を取り上げ、授業の締めくくりにしたいと思います。
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今回は、前回のEuclid互除法で残ったアルゴリズム自体の説明を行ってから、拡張Euclid互除法の説明を行いました。拡張Euclid互除法の根拠となる定理の証明は、時間の都合で、最も重要な「余因子の存在と計算手順」の部分のみを行いましたが、それ以外の証明も、一通り、講義ノートに記録しています。
この授業も残すところあとわずかですが、残りの時間は、(拡張)Euclidの互除法に関連する話題に充てる予定です。今回は、連分数展開の計算について説明しました。正則連分数の計算の際、Euclidの互除法が用いられます。これに関連し、ある条件を満たす無理数が、循環する連分数に展開されることも説明し、その計算も行いました。実は、連分数展開からもとの有理数や無理数を計算するのも(拡張)Euclidの互除法と関連性がありますが、こちらの方は時間の都合で割愛しました。
次回以降は、法逆元の計算と、これに関連して、中国剰余定理を(時間があれば)扱う予定です。
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今回は、整数と1変数多項式の剰余つき除算について説明したのち、Euclidの互除法に入りました。その前に、可換環のイデアルや剰余環などの概念については、各自の復習に任せました(講義テキストにも一通り説明があります)。
Euclid互除法では、その根拠となる定理を説明したところで時間になりましたが、整数に対するEuclid互除法の場合、剰余を計算する回数の上界の一つとして黄金比が用いられることを紹介しました。
次回は「拡張Euclid互除法」について説明した後、Euclidの互除法の応用に進みます。
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出張で1週間空けましたが、今回は、主に多倍長整数と1変数多項式に対する乗算のアルゴリズムについて説明しました。
多倍長整数の乗算については、単精度演算を単位とした計算量の見積もりを行いましたが、多項式の乗算については、見積もりが繁雑になるため、今回は、係数上の四則演算の回数を単位とした計算量の見積もりのみを行いました。
この時間の最後に、剰余つき除算の説明に入りました。次回は剰余つき除算を説明し、拡張ユークリッドの互除法に進む予定です。
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今日はセミナー最終日ということで、午前中のセミナーでは、主に structured matrix (構造をもつ行列)に関する発表がありました。
これで5日間にわたるセミナーが終わったわけですが、私にとっては、Pade 近似や multiexponential analysis など、自分にとって未知の分野を知ると同時に、その辺でも自分が取り組んでいるものと似たような問題意識があることを知り、非常に有意義な会議だったと思います。
また、会議の日程はゆったりしており、参加者の人達からいろいろな話を聞けたのも収穫だったと思います。普通の国際会議ですと、街中でやるので、その日のセッションが終わったら慌ただしく移動してよく顔を合わせる人との時間が主になることが多いですが、合宿形式で、時間に余裕があることで、より多くの人達と話ができたと思います。
あと、自分の研究テーマに関しても、新しい情報やコメントを得られたのも収穫でした。日本に帰ってからも、より広い視野を忘れないように、仕事に取り組みたいと思います。
今日のプログラムは "sparse interpolation"(疎な多項式補間)の話題が中心でした。手法は様々でしたが、昨日までの講演にあった、指数関数の復元に対応するものがあり、両者の類似点を眺めることができたと思います。
自分の講演は、近似GCDでも用いる「部分終結式行列」に関する話題で、結果はまあまあ、といったところですが、いくつか有益なコメントをもらえたのは収穫だったと思います。
会議もいよいよ明日が最終日で、明日には町に戻ります。
今日は会議は午前中のみでしたが、Pade近似に関する発表が中心でした。
午後のエクスカージョン(遠足)は、予定が二転三転しましたが、結局、バスの手配がついて、ドイツの古都トリーア (Trier) に行きました。会議場からは1時間くらいで着きます。トリーアは古代ローマ帝国によって造られ、ローマ帝国が分割統治されていた時期には、最も西の地域の首都だったそうで、当時の城門(ポルタ・ニグラ)、皇帝の宮殿(現在は教会として使用)、皇帝の大浴場など、興味深い建物や遺跡がいろいろありました。
会議は明日も続きます。
今日は会議の2日目で、発表は Exponential Analysis に関するものを一日行いました。特に午前中のセッションでは、Prony method と呼ばれる、指数関数のパラメータをデータから再現する方法に関する発表がたくさんありました。
それから、今日は記念写真の撮影を行いました。写真の方はすでに会議のホームページに掲載されています。
今日から会議が始まりました。午前中は、主催者の先生 (Annie Cuyt) から、この会議の趣旨説明を兼ねた講演があり、お茶の休憩の後、参加者が軽く自己紹介をしました。
午後は Application Section で、Multi exponential analysis の応用事例として、サンプリング(屋外の環境データなどの収集)の最適化や画像処理などが紹介されました。
今日は早めに日程も終わったので、明日に備えたいと思います。なお、セミナープログラムは会議のホームページにて公開されています。
今回、Dagstuhl Seminar(ダグシュトゥールセミナー)という国際会議に参加するため、ドイツにやってきました。
Dagstuhl Seminarは、ドイツ西部の町Wadern(ヴァーダーン)にあるSchloss Dagstuhl(ダグシュトゥール城)と呼ばれる施設で開催されている一連のセミナー(会議)です。「城」と呼ばれるだけあり、昔のお城、というか邸宅を使ってセミナーハウスにしたもののようです。
そして、セミナーの方は、情報科学のいろいろな研究テーマでセミナーを公募し、採択されたものが、それぞれ1週間くらいの長さで開催されます。ですので、ここの施設では、毎週次から次へと新しいセミナーが開催されているようで、だいたい2年後くらいまでのスケジュールが決まっているようです。
セミナーの運営も独特で、まず、参加者は、各セミナーの主催者からの招待によって参加します。それから、セミナーの細かい運営は主催者によって決まるようで、単に研究成果の発表にとどまらず、参加者間での討論などによる研究交流も重視されているようですが、今回はどうなることでしょう。とりあえず、出発日である今日の未明に、主催者からセミナープログラムが送られてきました。
今回私が参加するセミナーは"Sparse modelling and multiexponential analysis"というもので、計算代数では厳密計算や近似計算に基づく多項式補間の話題が中心になりそうです。 私はもともと数式・数値融合専門で、これらの分野とはやや離れているかもしれませんが、どんなことになるか、大きな期待と若干の不安を持っての参加です。
今日は東京からフランクフルトに飛んで、近郊のマインツに宿泊し、明日、現地に向かいます。
大学の行事「ホームカミングデー」が、今年は11月7日(土)に行われることになりました。
「ホームカミングデー」は、毎年、大学を卒業して20年にあたる卒業生を対象に、大学に再び集まって旧交を温める行事です。今年の対象は、1991年大学入学、1995年大学院修士課程入学の人達が中心になります。それから、大学も、筑波大学に加え、図書館情報大学に入った人達もた衣装です。
大学では、この行事のために「ホームカミングデー委員会」を組織して準備を行います。委員会は、委員長、副委員長、委員、事務方から構成されますが、委員は、各学群から、ホームカミングデーの対象者を中心に選出されます。今回、理工学群担当の教員で、本学卒業20年にあたる人が自分しかいなかったとのことで、私が理工学群選出の委員としてホームカミングデー委員会に参加することになりました。(ちなみに、今年の委員長は理工学群長ですが、数学の先生です。)
ホームカミングデーは、先に述べた通り、11月7日(土)に行われますが、この日はちょうど学園祭の1日目に当たっています。参加申込の受付はこれから専用のwebサイトで行われる予定ですが、同級生の皆さんの多数の参加をお待ちしております。
今回はMathematica編の最終回で、タートルグラフィクス(コンピュータ上で「カメ」を動かし、その軌跡によって図形を描くこと)によるフラクタル図形の描画を行いました。
Mathematica編はこれで終わりますが、今後も折に触れてMathematicaのいろいろな機能を活用してもらえればと思います。
次回からはプログラミング言語 Haskell の実習に入ります。
今回は、1変数多項式に対するHorner法の応用の一つとして、数の2進・10進変換の効率的な方法を紹介しました。2進・10進変換は、2進数を10進数に、あるいは10進数を2進数に変換する計算です。
非負整数の2進・10進変換は、比較的多くの資料が出回っていると思いますが、循環小数(2進)や有理数(10進)の2進・10進変換、そして、負の10進数を2の補数で表す変換については、原理は他の変換と同様、それ程難しくはありませんが、計算例はさほど多くなさそうですので、参考になるかもしれません。
来週は私の出張のため休講にするので、レポート課題を出しました。課題は授業テキストの演習問題の抜粋ですが、例題を用いて基本的な解法を説明しました。
次回は再来週、1変数多項式や多倍長整数の乗算と除算を扱う予定です。
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今回は、Mathematicaによるプログラミングの方法の一つとして「ルールベースドプログラミング」を扱いました。ルールとパターンマッチに基づく関数の定義です。
レポート課題の一つに、関数の微分を行うプログラムの作成がありましたが、定数の微分の定義を忘れていた人がいたようです。
次回は、Mathematica編の最終回ですが、今回のプログラミングと合わせたグラフィクスの話題を扱います。
今回は、まず、前回に引き続き、1変数多項式の加算を取り上げ、そのアルゴリズムと計算量の見積もりについて説明しました。
次に、1変数多項式の評価を行う「ホーナー (Horner) 法」について説明しました。これは、高校の数学でも「組立除法」として紹介されている方法で、国立国会図書館の電子展示会「江戸の数学」でも紹介されています。
次回は、Horner法の応用例として、10進数と2進数の間の効率的な変換法を紹介します。
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今回は、微積分の内容で、前回の続きとして、積分や微分方程式の解法を扱ったほか、リストに対するいろいろな計算も扱いました。
今回のレポート課題を解く中で、ファイルの保存の際にエラーが出て、解き直しになった人が数人いました。それらの人達に共通していたのは、レポート全体の計算を一通り行った後で最初の保存に失敗した点です。以前の授業でも呼びかけましたが、ファイルをこまめに保存することで、もしファイルが途中で壊れた際の影響がなるべく小さくよう、工夫することも必要だと思います。
次回は、ルールに基づくプログラミングを扱います。
今回の授業では、まず、アルゴリズムの計算量を見積もる上で必要な「漸近表示」の説明を行い、次に、それを用いて、多倍長整数の加算の計算量を見積もりました。
それから、「2の補数」を用いた、符号つきの多倍長整数の表現について触れた後(減算のアルゴリズムは演習問題)、1変数多項式の話題に入り、多項式の術語と、1変数多項式の表現について説明しました。
次回は1変数多項式の加算から説明する予定です。
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今回は、微積分の中でも微分を中心とした内容を扱いました。具体的には、関数の定義、極限値の計算、導関数の計算、Taylor展開の計算を扱いました。
次回は主に積分を中心とした内容を扱います。
今回の授業では、多倍長整数の加算のアルゴリズムについて説明しました。そのため、アルゴリズムの基本的な特徴(要件)についても解説しました。(今回述べた「アルゴリズムの特徴」は、D. Knuth, The Art of Computer Programming, Section 1.1によります。)
次回は、多倍長整数の加算のアルゴリズムの計算量を調べますが、そのために、アルゴリズムの計算量を見積もるための漸近表示の説明から始める予定です。
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今回は、主に線形代数の話題を取り上げました。Mathematica では、リストを「ベクトル」、リストのリストを「行列」に見立てて計算を行います。今回は、ベクトルや行列の基本演算と行列の対角化を行い、さらに、リスト(ベクトル、行列)の要素に規則を与えて自動的に生成する方法などを扱いました。
次回は微積分の内容を扱う予定です。
今回の授業では、まず、前回の続きで、浮動小数演算における誤差として「桁落ち誤差」と「情報落ち」について説明し、引き続き、多倍長整数の構成について説明しました。
次回は、多倍長整数の加算について説明します。
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今回は、Mathematica編の第2回、前回のMathematica入門の続きということで、連立方程式の解法、グラフィクスのオプション、アニメーションを中心に扱いました。
次回の授業は来週水曜日で、今回のレポート課題の締切日でもあるので、今回はレポートの締切まで、普段より若干期間が短いですが、ご健闘を祈ります。
今回の授業では、浮動小数の導入と一般的な定義を行った後、現在よく使われている浮動小数点の規格の一つとして、IEEE 754 浮動小数点規格のうち、単精度の浮動小数点規格を紹介しました。
IEEE 754 単精度浮動小数点規格の説明の中で、∞(無限大)とNaN(非数)を表現する際の指数部の値としてE=127と説明しましたが、授業後に指摘を受けて確認したところ、これは誤りで、正しくはE=128でしたので訂正します。ご指摘に感謝します。
授業では、時間の都合でIEEE 754は単精度の規格のみ紹介しましたが、講義ノートには倍精度の規格についても記載しましたので、興味のある人はご参照ください。
引き続いて、浮動小数演算における誤差の説明に入りましたが、「丸め誤差」の説明の後「桁落ち誤差」の説明の途中で時間になりました。次回は「桁落ち誤差」の説明から始め、多精度(多倍長)整数の表記と加算の説明に進みたいと思います。
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今日から本格的な授業が始まりました。今学期の前半7回は、数式処理システムMathematicaの実習を行います。
今回は、e-ラーニングシステム (manaba) へのログイン、manaba のコースページの内容紹介、Mathematicaの起動と計算、レポートの課題ファイルのダウンロードなどを一通り説明しました。残り時間で、今回の授業内容を実習してもらいました。内容は、基本的な数値の計算、代数方程式の解法、グラフ描画の基本などです。
次回の授業は連休明けになるので、約2週間空くことになります。ついでに、次回は金曜日に水曜日の振替授業を行うのでご注意ください。
今回は、前回に引き続き、コンピュータの基本構成の残りの部分を説明し、その後、整数の表現として、符号なし整数と、2の補数を用いた符号つき整数について説明しました。
コンピュータの基本構成では、前回の「メモリ」の説明に続き、「ワード」の概念とCPUの「レジスタ」を説明し、「ワード」のモデルとして、2進数の「そろばん」の例を挙げました。2進数のそろばんは、もちろん実物は持っていませんが、ワードを単位として計算を扱う際に、今後も例として使おうかと思います。
整数の表現に引き続いて、浮動小数点数の説明に入ったところで、今回は時間切れとなりました。次回は浮動小数点数について説明する予定です。
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今年度も、計算機演習の授業を担当することになりました。
今回は授業のガイダンスということで、ティーチング ・アシスタント (TA) の人達にも集まってもらい、授業の概要を説明しました。今年度も、履修者のほとんどは数学類の学生で、人数は40人強といったところです。
次回から、サテライトにて本格的な授業が始まります。
今年度は、数学類専門科目(標準履修年次:3年次)の「計算機数学I」を初めて担当することになりました。
この授業では、主に代数計算、特にEuclidの互除法を軸にしながら、構成的な計算について説明します。授業では、アルゴリズム、データの表現、計算量の議論もしながら進めていきます。
今回は、授業のガイダンスの後、準備として、コンピュータの基本構成を説明しました。その際、実際にタワー型パソコンのケースを開けて、中の構成部品を拡大投映しながら説明しました。今回の授業の履修者は約50人ですが、この時に尋ねたところ、パソコンのケースを開けたことがある人が10人前後、実際に内部の部品を交換したことのある人が2, 3人でした。また、ノートパソコンの部品を交換したことがある人も2, 3人でした。
実際にパソコンの内部がどのように見えるかを知っている人は全員というわけではなかったようですので、授業で出てくる内容を、実際に自分が使うようなパソコンの内部部品と対応づけるという意味では意義があるのでないかと思います。
今年も、毎回の講義の講義ノートをwebの授業サポートページに掲載するとともに、講義の模様を録画して公開していきます。次回は、コンピュータの基本構成の続きから、数値の表現に入っていきたいと思います。
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今日、私が4年間クラス担任を務めた数学類の学生が、卒業式を迎えました。ここに、彼ら/彼女らに寄せたメッセージを載せたいと思います。
皆さん、ご卒業おめでとうございます。私からは3点、最初の1つは過去と現在のこと、あとの2つは未来のことをお話したいと思います。
まず、皆さんにお伝えしたいのは、このたびの卒業のお祝いと、これまで4年間を一緒に過ごしてきた皆さんへの感謝です。思えば、私がクラス担任になるための「教習」とも言えるFD(ファカルティ・ディベロップメント)研修会に参加したのが4年前の3月10日、このときは、その翌日に未曾有の大震災に見舞われるとは夢にも思っていませんでした。
幸い、当時の本学関係者に人的被害はなかったようですが、大学における私や周囲の被災状況は、それが奇跡的に思える程のものでした。それは、少なくとも私にとって、4月から通常通り新学期を始めることに大きな困難を感じるものでした。しかし、皆さんの中にも、震災に伴う困難に直面しながら筑波に来た人もいるかもしれませんが、震災を経た筑波にやってきた皆さんの姿に勇気づけられて、新学期を始めたように思います。
以来、私がクラス担任として皆さんにできたことは、数々の書類にはんこを押すことと、日々歩み続ける皆さんを見守ることくらいでしたが、これまで、折々の皆さんの姿に、私の方が励ましを受けたり、元気をいただいたりしてきたことの方が多かったと思います。皆さんと、このような充実した時間を過ごせたことに、心から感謝したいと思います。
また、皆さんの中には、震災を筑波で迎え、若干長い大学生活を送った人もいるかと思います。事情は皆さんそれぞれと思いますが、そのいずれもが、皆さん各々の人生において決して無駄なものではなく、これからの人生において何らかの糧になるものと信じています。自信を持って、これからの人生を歩んでいかれることを望みます。
皆さんにお伝えしたいことの2つ目は、これからの人生を進む皆さんへの願いとして、私達が生きるこの世界が、いくらかでもよりよいものになるよう、生きてほしいということです。私たちが大学で学ぶことの目的や意義について、すでにいろいろな人が論じていますが、その中に「よりよい世界を築くために学ぶ」ということに、私も同感です。そして、「よりよい世界を築く」ための貢献として、何も、有名になるようなことだけでなく、当たり前の毎日を、当たり前に生きる、これも、立派な貢献だと思います。そして、皆さんが、自分や自分の周りの大切な人達を愛おしく思えるような、そんな人生を築いていかれることを願っています。
皆さんにお伝えしたい最後のことは、「20年後」です。私は、大学を卒業して今年でちょうど20年を迎えます。私が卒業した頃にはまだありませんでしたが、現在、本学には「ホームカミングデー」という行事があり、大学を卒業してちょうど20年の節目の年に、卒業生が母校に再び集まり、かつての同級生達と旧交を温めるということを行っています。今年はちょうど自分がホームカミングデーの代になりますが、20年後は皆さんがホームカミングデーの代になります。20年後、2035年に、この仲間で、再び、今の笑顔で元気に再会できることを願っています。残念ながら、4年前に入学したメンバー全員が、今回揃ったわけではありませんが、今回揃わなかったメンバーも含めて、今後の再会を願っています。
以上、長くなりましたが、もう一度、今日の門出を迎えられた皆さんにお祝い申し上げるとともに、これからの皆さんの人生に、より多くの幸せが訪れることを祈り、メッセージといたします。
3月7日から今日まで、標記合宿が、筑波大学館山研修所(千葉県館山市)で開催されました。
この合宿は、筑波大学数学域を中心とする計算機数学の研究グループに所属する学生と教員、卒業生等が集まり、研究交流を行う行事で、毎年、春休みのこの時期に、館山で開催されています。今年で二十数回目を数えます。
今年の参加者は、学部生10名、大学院生10名、教員2名、卒業生7名の合計29名と、たぶんこれまでで最も多かったと思います。セミナー時間の確保のため、初日の大学から研修所までの往路の行程を例年のものから変更し、初日は午後の早い時間からセミナーを行いました。
この合宿では、参加者の義務として、セミナーで何らかの発表をすることになっていますが、参加者によって、研究、教育、趣味など、どれも聴いて有意義な発表だったと思います。夜は「シンポジウム」と称して、参加者の交流を深めました。
私は合宿幹事の一人として、参加者との連絡や事務手続に当たりましたが、参加者の皆さんのご協力に感謝します。来年も、多くの方が参加して合宿が開催されるのを楽しみにしています。
なお、合宿の講演のうち、発表者が公開に同意された分の中継録画をまとめていますので、興味のある方はご覧下さい。。正式な録画は編集後に公開予定です。
この授業も、今回が試験前の最後の授業となりました。今回は、いつも通り、前回提出されたレポートを返却の後、大学による授業アンケートを実施し、来週の期末試験の要項を説明した後で、残りの時間は質問の時間としました。質問の時間では、皆さんめいめいに、講義や演習の授業で出された課題などの復習をしていました。
いよいよ来週が期末試験ですが、今学期の内容をよく復習した上で試験に出席することを望みます。
1月23日に、今年度の数学類卒業研究発表会が行われました。
今年度は、朝9時過ぎから昼休みをはさんで夕方5時近くまで、39人が、これまでの卒業研究の成果を発表しました。各講演後の質疑応答も活発に行われていたと思います。
私は、今回、クラス担任として、発表会を取り仕切りました。この卒業研究発表会は、約20年前、私が旧自然学類数学専攻の4年生のあたりから始まったと記憶していますが、今回、たぶん初めての試みとして、講演予稿集の電子化(PDF版の作成)を行いました。
これまで、予稿集の編集の際は、学生から紙媒体で原稿を集めてコピー、製本するやり方が主流でした。今回は、予稿の原稿をPDFファイルで提出してもらい、それらをLuaTeXで読み込んだ上で、各ページにノンブル(ページ番号)を打ち、表紙や目次などをつけた1本のPDFファイルに編集する方法をとりました。また、原稿集めには大学のe-ラーニングシステムを使いました。これにより、メールの山に溺れずに済んだ他、「卒業研究」の授業科目(必修科目)の履修忘れを見つけるという効果もありました。
卒業研究発表会の開催にあたっては、卒業研究の指導をされた先生方、助言などをされた先生方や先輩方、当日の進行役を務めた3年生の人達など、多くの方々の協力を得て、無事発表会を終えることができました。ご協力下さった皆様に御礼申し上げます。そして、卒業研究を仕上げ、今回の発表を行った皆さん、お疲れさまでした。
今回は、Lagrangeの未定乗数法の問題を扱いました。講義では、Lagrangeの未定乗数法の例題まで詳しく扱う時間がなかったとのことですので、演習問題で復習を行うちょうどよい機会になるのではないかと思います。
今学期の授業もあと1回を残すのみとなりました。レポート課題の出題は今回が最後で、次回は、講義および演習の期末試験に向けた各自の取り組みの時間にしたいと思います。
今日は、前々回のレポートを返却しました。多くの人の解答は問題ありませんでしたが、積分範囲の定め方などにおけるミスが少々見られたので、注意を促しました。
今回は、広義積分に関する問題を扱いました。
今年の授業は今日が最後となります。次回は来年のお正月明けですが、各自、健康に留意して、よい冬休み、そしてお正月を迎えられることを望みます。
今日は、前々回のレポートを返却しました。このときは、累次積分の積分順序の交換に関する演習問題を出しましたが、ミスの原因として、積分領域の作図が不正確である場合が見受けられました。積分範囲は積分領域によって定まりますので、正確な図を作図するよう、注意する必要があると思います。
さて、今回は、前回扱った、重積分における極座標形式への変数変換をさらに一般化して、一般の変数変換を扱いました。ヤコビアンを扱ったりしていますので、講義の内容も復習しながら演習問題に取り組んでほしいと思います。
今回は2週間ぶりの授業でしたが、3重積分の問題(あらかじめ与えられた累次積分の計算)と、極座標による積分の変数変換の問題を扱いました。
次回は、積分におけるより一般的な変数変換(ヤコビアン)を扱う予定です。
今日は授業開始前に行われた全学防災訓練の影響で、若干遅れて授業が始まりました。
今回から重積分ということで、今回は、累次積分の計算問題と、積分順序の交換を行う問題を扱いました。
来週は推薦入試に伴い、休講となります。次回の授業は再来週ですが、早くも12月です。そして、全14回の授業を予定している本授業科目も今日が7回目で、次回から後半に入ります。
数学類3年生の卒業予備研究の方は、坂井公先生と共同で担当しますが、先月行われた配属希望調査を経て6名の学生を受け入れ、今日からセミナーがスタートしました。
当面は、テキストとして V. Shoup: A Computational Introduction to Number Theory and Algebra から、第17章 "Polynomial arithmetic and applications" を読みます。
さて、私共の研究グループは "Team SNC" と名乗っておりましたが、今年に入ってから、名称を "Team SNAC Tsukuba"(チームスナックつくば)に改めました。
"SNAC " は "Symbolic and Numerical Algebraic Computations"(記号および数値代数計算)の略です。以前は "Symbolic-Numeric Computation"(数式 ・数値融合計算)と名乗っていましたが、「融合してない」数式処理や数値計算も、状況によっては扱うことで、守備範囲をより広くとることにしました。一方で、計算対象としては、多項式を中心にした「代数計算」を中心に据え、研究テーマを適度な幅で設定したつもりです。
ついでにですが、"SNAC" の発音は、私共のセミナーの必需品としているお茶菓子 "snack" にかけたものでもあります。
現在のメンバーは、学部3年生が共同担当で6人、学部4年生が3人、修士1年生が3人、これらが私が直接指導の責任を持つ人達で、これに加えて、各セミナーに数人の人達が加わっています。今後、チームとしても、さまざまな活動を展開していきたいと思います。
今回の授業は前回から2週間空きましたが、今回は、Taylorの定理による2変数関数の2次近似と、2変数関数の極値を求める問題を扱いました。
講義の担当の先生の情報では、次回から重積分に進むようですので、演習の方もそれに合わせて進めていきたいと思います。
微積分の科目は、講義と演習の授業の2本立てになっていますが、現在のところ、授業日程の組み方から、演習の方が講義よりも授業回数が1週分多く、授業内容は演習の方が講義よりもやや先を進んでいる印象があります。
そのようなこともあり、今回の授業では、高次(階)偏導関数の計算問題に絞りました。
それから、前々回に出題した全微分の回のレポートを返却しました。この際、全微分可能性の判定の際に、定理の必要条件や十分条件を十分区別できていないと思われる解答がありましたので、その点について補足説明しました。
来週は、授業の曜日振り替えの都合で、微積分演習の授業はなく、講義のみになります。次回の演習の授業は再来週で、授業のペースも、講義に歩調を合わせられるようになると思います。
今回は、接平面と法線の計算、それから合成関数の微分に関する問題を扱いました。
配布資料の記述(文字の使い方)で若干混乱を招いた点があったようですので、今後修正を検討したいと思います。
今回は、主に、偏微分の計算と、全微分可能性の判定に関する問題を扱いました。
全微分に関しては、講義ではまだ入りかけのようでしたが、全微分の定義に基づく判定方法を説明しました。レポートに期待したいと思います。
今回の授業では、手始めに、2変数関数の極限値と連続性に関する演習問題を扱いました。
授業では、例題を解説した後、レポート課題に取り組んでもらいましたが、今日のところは、皆さん比較的筆が進んでいたようです。レポートは来週の次回授業時に回収の予定です。
それから、先週回収したレポートを採点し、返却しました。必要条件、十分条件に関する問題は、おおまかに理解できていると思われる人が多かったですが、細かい判断が甘い人も見受けられた(完全に理解できている人は少ないと見受けられた)ので、解説を読んで復習してほしいと思います。あと、学習支援システムmanabaの方にも成績を記録しましたので、返却されたレポートに書かれている成績と異なる人は申し出てください。
今年も卒業研究(3年の間は「卒業予備研究」)の募集の季節になりました。
今日、3年生にガイダンスが行われたのだそうで、今日から募集開始です。私は坂井公先生の副担当になります。計算機数学をテーマに、希望者を募集します。
今後、希望者との面談などを経て、今月下旬に学生の配属先が決まり、来月から卒業予備研究のセミナーが始まる予定です。
今日から秋学期が始まりました。秋学期は、化学類1年次の微積分II演習を担当します。
今日は初回で、講義もまだ始まっていませんので、授業のガイダンスを中心に行い、演習は、数学の復習(必要/十分条件)、春学期の微積分の復習(微積分学の基本定理)に取り組んでもらいました。
次回から秋学期の内容に本格的に入っていきます。ティーチング・アシスタント (TA) の2人の大学院生とともに授業にあたります。よろしくお願いします。
今回は、ハミルトン・ケーリーの定理を用いた行列の計算と、行列の固有値・固有ベクトルの計算の問題を扱いました。
ハミルトン・ケーリーの定理については、多くの人達が高校の数学で学んだようで、詳しい説明は省きましたが、計算は案外一筋縄ではいかず、苦労している人もいるようでした。固有値と固有ベクトルの計算については、例題で説明したためか、ハミルトン・ケーリーの定理ほど支障はないようでしたが、まずは正しい計算手順を身につけてほしいと思います。
私の出張の都合で、次回が最後の授業になります。よろしくお願いします。
今回は、ファンデルモンドの行列式の導出と計算、および、いくつかの特殊な形をしたn次行列式の計算の問題を扱いました。
ファンデルモンドの行列式を応用した計算では、与えられた行列式をどのようにしてファンデルモンドの行列式に帰着させるかがポイントになります。それから、特殊な形をしたn次行列式の計算では、行変形などをうまく活用して、行列式の一般型を求めるかがポイントになります。各自、工夫して問題を解いてほしいと思います。
次回は、教科書第4章の話題から、固有値や固有ベクトルの計算を扱う予定です。
今回は、浮動小数演算に現われる誤差として、丸め誤差、桁落ち誤差、情報落ちについて説明した後、計算代数で浮動小数演算を用いた場合に誤差が現われる例として、1変数多項式に対するEuclidの互除法を取り上げました。そして、このような計算の際に現われる計算の困難さを克服する手法の一つとして、数式・数値融合計算の目的などを紹介しました。
授業の残り回数も少なくなってきましたが、残りの授業では、数式・数値融合計算の一つとして「近似GCD(最大公約子)計算」を取り上げ、その手法などを紹介していきたいと思います。
今回は、行列式に関する基本的な性質と、余因子、余因子行列に関する演習問題を扱いました。
余因子や余因子行列の計算は、定義を覚えた上で慣れるまでやや手間を要するかもしれませんが、定義を確認しながら正しく計算できるようにしてほしいと思います。
今回は、実際の行列式の計算に入り、3次の行列式の計算問題を扱いました。また、次に学ぶ「行列式の性質」では、内容量がやや多いため、基本的な性質のいくつかについて、前倒しで演習問題を出題しました。
次回は行列式の性質を中心に、演習問題を解いていきたいと思います。
今回は、前回提出してもらったレポートを返却して補足説明を行った後、先週実施した、この授業に関するアンケート調査の結果を報告しました。現在のところは、問題の量、難易度とも「ちょうどよい」と答えた人が最も多かったですが、足りない場合は、自分で教科書の演習問題を解いたり、他の問題集を探したりと、工夫されることを望みます。
今日の演習では、行列式の導入の準備として、置換に関する問題を扱いました。まずは置換の定義を知り、計算に慣れてくれればと思います。
次回は、講義の進行にもよりますが、そろそろ行列式の定義に入るかな、と思っています。
今日は、前回説明した拡張Euclid互除法のアルゴリズムを提示した後、次の話題に入りました。
これから数式・数値融合計算の話をするわけですが、そのためには、計算機上での数の表現、特に浮動小数点数の説明が不可欠で、そのためにはメモリ空間の説明があった方がよく、そうなると、計算機全体の装置の説明があった方がよいように思いました。そこで、今回は、計算機の主な装置や、メモリ空間とメモリ容量の単位をはじめとする説明を行いました。
次回は、今回の説明を踏まえて、計算機上の整数と浮動小数の表現について議論する予定です。
計算機演習の授業は、前回までのMathematicaに代わり、今回からプログラミング言語Haskellの授業が始まりました。Haskell編は坂井公先生が担当されます。私も参加してお手伝いをしています。
Haskell編のテキストには「すごいHaskellたのしく学ぼう!」(Miran Lipovača著, 田中英行・村主崇行共訳, オーム社)を使います。原書 (Learn You a Haskell for Great Good!) はオンラインでも読むことができます。
今回は、テキスト第1章「はじめの第一歩」の§1.1から1.4までの内容をテキストに沿って実習... ということでしたが、「テキストエディタ」の概念を知らない、プログラムをどうやって編集すればよいかとか、バッククォートを初めて使うとか、プログラムのファイルのロード(読み込み)がうまくいかないと思ったら、Microsoft Wordで編集したソースファイルを .docx (Office Open XML) フォーマットで保存していたとか、はじめの第一歩の手前でいろいろノウハウの習得が必要な人もいたようです。ま、これらも、コンピュータリテラシの習得の上で役に立つ経験になるかもしれません。 私も暇を見て実習したいと思います。
今回は、Euclid 互除法をアルゴリズムの形で書き下した後、拡張 Euclid 互除法について説明しました。
拡張 Euclid 互除法のアルゴリズムは次回確認する予定です。その後、数式・数値融合計算の話題に進みたいと思います。
今回は、来週、講義の方で中間試験を控えているとのことで、新たな例題は出さず、各自のペースで復習を進めることにしました。
中間試験のご健闘をお祈りします。次回からは第3章「行列式」に進む見込みです。
今回がMathematica編の最終回でした。今回は、タートルグラフィクスを用いたフラクタル図形の描画を扱いました。「カメ」の動きを表す文字の置き換えなどで質問が寄せられましたが、ぜひ来週の締切までにうまく図形を描画してレポートを仕上げることを期待しています。
Mathematica編はこれで終わりで、来週からはプログラミング言語Haskellの入門に入ります。
先週は教育研究科の行事(ソフトボール大会)により休講となりましたので、今回は前回から2週間ぶりの授業となりました。
今回は、1変数多項式の四則演算の計算量解析を一通り行いました。それから、次の話題として、1変数多項式に対するEuclidの互除法の説明に入りました。
次回は1変数多項式の拡張Euclid互除法に進む予定です。
今回は、ルールとパターンマッチに基づくプログラミングの初歩を扱いました。レポート課題では、1変数関数の導関数の計算を題材に出しましたが、計算結果がうまくでなくて苦労している人もいたようです。来週のレポート締切までに健闘を祈ります。
Mathematica編の授業は来週が最終回です。来週は、今回のプログラミングと組み合わせたグラフィクスの話題を扱います。
今回は、積分に関する計算(不定積分、定積分、微分方程式の解法)と、さまざまなリスト操作を行いました。
積分とリスト操作の関連性ですが、今回は、レポート課題に台形公式による積分の数値計算を出題しており、その中で、効率的なリスト操作を用いた計算を行うようになっています。
今回は前回に比べて全体的に端末がスムーズに動作しました。それから、Linux環境のMathematicaにおける日本語入力の問題について、学術情報メディアセンターに対応していただき、Mathematicaのノートブックで直接日本語入力ができるようになりました。
次回はプログラミングに関する話題を扱う予定です。
先週の金曜日は火曜日の振替授業が行われたので、今回は前回から2週間ぶりの授業になりました。
今回は、まず多項式の四則演算をアルゴリズムの形で書き下ろすことの続きを行い、減算、乗算と擬除算について説明しました。次に、アルゴリズムの計算量を見積もる話題に入り、今回は計算量のいくつかの記法について説明しました。
次回は、今回の導入に基づいて、1変数多項式の四則演算(のアルゴリズム)の計算量解析を行う予定です。
今日はMathematicaの第4回ということで、微積分、特に微分に関するテーマ(関数定義、極限値の計算、導関数、Taylor展開など)を扱いました。
今日は、特に授業時間の最初の方で端末の動作がいまいちで、ログオンしたところ、デスクトップにゴミ箱しか表示されないとか、ダウンロードしたファイルを保存できないなどのトラブルが相次ぎましたが、授業時間が進むに従って、次第に状況が復旧してきたようでした。幸い、授業テキストの閲覧や、Mathematicaの使用には支障がなかったようですので、直接レポートを作成するのが難しいような状況では、ひとまずテキストの内容に沿って実習を進めることをおすすめします(一応、これをテキストの本来の使い方として作成しています)。
次回は積分を中心とした内容を扱う予定です。
今回は実質的に第3回でしたが、線形代数の内容を扱いました。行列やベクトルのリストによる表現と、行列の対角化の計算を行いました。
Mathematicaの操作の部分ではそれ程戸惑いはなかったようですが、行列の対角化など、数学の部分で若干手間取った人もいたようです。線形代数の復習を行うよい機会ではないかと思います。
前回、テキストのダウンロードに時間がかかる事例が続出したので、今回はテキストを印刷して希望者に配りましたが、幸い、今回は前回よりもマシンの動作が改善されていたようで、印刷したテキストは予想したほどの売れ行きにはなりませんでした。
次回は微積分の内容を扱います。
おまけ:全学計算機システムのLinux環境のMathematicaも試していますが、日本語の利用については、メニュー等は日本語になります。最初起動した時は英語環境ですが、メニューの Edit > Preference にて、言語設定で Japanese を選んでMathematicaを再起動すると、メニュー等が日本語になります。なお、日本語入力はまだできないようで、現在調査中です。
今回は、連休の谷間ですが、授業を行いました。
主な内容は、さまざまな行列(転置行列、対称行列、交代行列など)と、正則行列、逆行列を扱いました。レポートは連休をはさんでの提出となりますが、頑張って取り組んでもらいたいと思います。
今回は連休の谷間ですが、授業を行いました。
今回は、アルゴリズムの要件や書き方を導入し、制御構造などについて説明しました。その後、1変数多項式の一連の四則演算をアルゴリズムの形で記述することにし、今回は、1変数多項式の加算と整数倍の演算をアルゴリズムの形で記述しました。
次回は、1変数多項式の残りの演算をアルゴリズムで記述していく予定です。
今回は、前回の基本的な計算の拡張として、連立方程式の解法や、グラフィクスのオプション、アニメーションなどを扱いました。
今回も端末の動作が遅く、テキストのダウンロードでも人によっては時間がかかったようです。次回は対応策を考えたいと思います。
おまけ:全学計算機システムには、現在この授業でも使っているWindows環境のほかに、Linux環境も使うことが可能です。私が今年、端末を使っている印象の限りですが、Linux環境の方がWindows環境に比べて、いろいろな操作で待たされることが少ないように思います。本年度より、Linux環境の方でもMathematicaが使えるようになったのですが、どの程度授業に使えそうか、大学院生のティーチング・アシスタント (TA) の人に試してもらったところ、以下のような現象が見られました。
今回は、前回レポートの回収がなく、従って今日の返却もありませんでしたので、今回の授業の話題から入りました。
今回の授業のテーマは、ベクトルの長さ、直交性、ベクトルの基本的な性質(分配則など)の証明を扱いました。ベクトルの基本的な性質の証明では、実ベクトルの成分毎に、実数の性質を用いて定理を証明する部分を説明しました。
例題を説明した後、レポート課題を配って問題に取り組んでもらいました。レポートの締切は次回の授業ですので、それまでに各自問題に取り組んでもらいたいと思います。
先週は、教育研究科の健康診断のため休講になりましたので、今回は2週間ぶりの授業となりました。
今回は、多項式演算の導入ということで、多項式環やEuclid整域の基礎的事項を復習した上で、多項式の擬除算を導入しました。
次回はアルゴリズムの基本事項を説明する予定です。
今日から実質的な授業に入りました。
今年は大学のe-ラーニングシステムが刷新され、テキストやレポート課題などを配布する要領も変わりました。端末の方は昨年までと変わっていませんが、昨年までに比べると、動作を待たされる時間が増えているようです。
さて、今回は端末を使っての初めての授業でしたので、e-ラーニングシステム (manaba) へのログイン、manaba のコースページの内容紹介、Mathematicaの起動と計算、レポートの課題ファイルのダウンロードなどを一通り説明した後、時間が少なくなりましたが今日の授業内容に取り組みました。今日の授業内容は、基本的な数値の計算(四則演算や素因数分解など)や、代数方程式の解法、グラフ描画の基本などでした。
次回は、今回扱ったテーマのより進んだ内容(連立方程式の解法やグラフィクスの詳細など)を扱います。
今日はまず、先週回収して採点した第1回レポート評価を返却し、必要条件や十分条件に関する内容を解説しました。
次に、今日の例題に入り、ベクトルが「張る」という概念を中心にした例題の解き方について解説しました。終わりの方で、今日のレポート課題を配りました。次回の授業の最初に回収する予定です。
今日から計算機演習の授業が始まりました。
昨年度、いくつかの変更点がありましたが、今年度はさらに変更点があります。まず、今年度から、2学期制に対応した新しいカリキュラムに移行しました。授業期間がこれまでの10回(旧1学期間・2モジュール分)から15回(春学期・3モジュール分)に増えました。そこで、前半にはこれまでと同様、数式処理システムMathematicaをやるとして、後半に、新たにプログラミング言語Haskellを導入しました。次に、実施学期も、一昨年までは3学期、昨年度は秋学期ABモジュールでしたが、今年度から、春学期の開講になりました。
今日は、恒例のガイダンスということで、Mathematicaの紹介、単位のとり方などの説明を行いました。ガイダンスに来た学生の人数は45人前後で、昨年の履修者数の65人弱からは20人近くも減っています。いくつかの情報によると、数学類以外の学類では各学類の授業と重複している場合もあるようで、履修者のほとんどが数学類の学生になりました。次回から本格的な授業に入ります。
今年度の春学期は、線形代数I演習(地球学類対象)を担当することになりました。
今回は、授業のガイダンスとして、授業の進め方や単位のとり方などを説明した後、最初のレポートを解いて提出してもらいました。毎年恒例の、必要条件、十分条件に関する問題です。次回、内容を解説したいと思います。
今年も、大学院の春学期の講義「数理科学IIA」を担当することになりました。昨年度の授業では、学生の所属の内訳が、数学専攻が数名で、教育研究科が十何名だったのに対し、今年は、数学専攻が10名強、教育研究科が10名弱で、数学専攻の履修者の数が大幅に増えました。
今年度の授業で扱うテーマは、前半のアルゴリズム、計算量、多項式の拡張Euclid互除法のあたりまでは昨年と同様ですが、後半では、数式・数値融合計算の題材を扱いたいと思います。今日は、ガイダンスとして、授業の進め方、参考書や数式処理システムの紹介を行いました。次回からは多項式の術語や諸概念の確認から始めたいと思います。
平成25年度の数学類卒業研究発表会が開催されました。
今回は、朝9時から夕方5時過ぎまで、今度の春に卒業を控えた4年生40人前後が、卒業研究の研究成果を発表しました。発表会のプログラムは分野別に組まれましたが、情報数学分野が最も人数が多く、午前中、お昼までかかりました。あとの3分野(代数学、解析学、幾何学)は午後に発表が行われました。
私が指導したチームの学生は、3人の共同発表が「Berlekampアルゴリズムとその実装」、あと1人が「Hensel構成による整係数1変数多項式の因数分解について」というタイトルで発表しました。年が明けてからは連日自主ゼミを組み、集中的に準備を行ってきたようでしたが、これまでのセミナーによる勉強の成果と相まって、よく頑張って内容をまとめたと思います。今後は、3月の計算機数学グループの合宿にて行われる卒論発表会に向けて、さらなる研鑽に期待したいと思います。
クラス担任の先生についても、発表会の段取りや予稿集の準備、当日の進行、打ち上げの企画など、たくさんの仕事に敬意を表したいと思います。来年は自分の仕事なんですよね。今年の様子も参考にしながら頑張りたいと思います。